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カリフォルニア観光局主催FAM(現地視察)ツアー参加記の第5弾、というか番外編です。北カリフォルニアの山と川と湖と海をじっくりと時間をかけて周ったこのツアーでは、その先々で自然の素晴らしい景観を眺められただけではなく、さまざまな野生動物との出会いもありました。
ハイキング中にガラガラヘビと出くわしてドッキリしたこと、町中にもかかわらずシカの親子と見つめ合ったこと、海の鷹とも呼ばれるオスプレイの巣を地元の人に教えられたこと、砂浜に打ち上げられた可哀そうなアシカの死体に遭遇したこと。まだまだあったかもしれません。
そのなかでもっとも私の印象に強く残っているのはカワウソです。しかも2回、別々の場所で遭遇しました。最初はシャスタ山の近くを流れるマクラウド川(McCloud River)。2度目は海岸の町フォート・ブラグの名物、トレッスル橋(Pudding Creek Trestle)の下にある河口でした。
どちらも自然の中ではありますが、人里離れた僻地というわけではありません。滝つぼでは水遊びする人々で賑わっていましたし、河口では散歩やジョグをする人が行き交っていました。
カワウソをこれほど身近に見られること自体が、北カリフォルニアの自然の豊かさを感じさせます。日本の事情と比較すると、さらにそう思います。かつて日本各地の川などに生息していたニホンカワウソは、環境省のレッドリストで「絶滅」とされています(*1)。最後の確実な生息記録は、北海道亜種が1955年、本州以南亜種が1979年とのこと。もう半世紀くらい前から日本ではカワウソが姿を消しているのですね。
日本では見ることができなくなった野生のカワウソ。はたしてどのような動物なのでしょうか。
【動物ドッキリクイズ・その42】カワウソのクイズです!
第1問 ラッコとカワウソ、どちらも同じ仲間??
a) まったく別の動物
b) 同じイタチ科に属する近縁の動物
c) 同じ種で、暮らす場所が違うだけ
d) ラッコはイタチ科だが、カワウソはネコ科
カワウソは英語では”River Otter”と呼びます。以前この「動物ドッキリクイズ」シリーズで、やはり”Otter”と名のつく動物を紹介しました。ラッコ(”Sea Otter”)です。
かたや「川のOtter」(カワウソ)、かたや「海のOtter」(ラッコ)。外観も私にはそっくりに見えます。
ところが、日本語ではまったく違う名前がつけられています。はたして、動物学上の分類ではどうなるのでしょうか。


正解は「b)同じイタチ科に属する近縁の動物」です。
ラッコもカワウソもイタチ科の仲間です。ただし、同じ動物ではありません。別の属に分類されています。
第2問 カワウソが暮らす場所は?
a) 川や湖などの淡水域
b) 海岸に近い河口
c) 湿地
d) 上のすべて
カワウソの漢字は「川獺」。私が最初に目撃した場所も川でした。岩を噛むような急流と滝が連続する山中です。
ところが2回目は海岸近くの河口でした。川の一部ではありますが、海岸のすぐ近くで、淡水と海水が混ざり合っているところです。流れはほとんどありません。
私にはこの2つの場所には水がある以外に共通点を見出せないのですが、カワウソはそもそもどのような場所に生息しているのでしょうか。


正解は「d)上のすべて」です。
カワウソは、川や湖、湿地などの淡水域に加えて、沿岸部の水域も利用します。英語でも日本語でも名前に「川」がつくものの、そこだけに限るわけではないのですね。水があるところなら、そこが川でも湖でも河口でも「生活の場」になり得るわけです。
一方、ラッコはカワウソとは違い、海の沿岸域を生活の場としています。
第3問 カワウソはどうやって泳ぐ?
a) 長い尾と水かきのある足
b) 大きな翼と長い後ろ足
c) 平たい甲羅とヒレ状の前足
d) 太い首と大きな耳
当然のことですが、カワウソは泳ぎが上手です。私が見かけたときも、スーッと音もなく水面を進み、そして沈んで見えなくなりました。まるで水のニンジャです。おかげであまり鮮明な写真が撮れませんでした。
カワウソは身体のどの部分を使って泳いでいるのでしょうか。

正解は「a)長い尾と水かきのある足」です。
カワウソの体は水中生活に適した形に進化しているのでしょうね。細長い体に、力強い尾。そして足には水かきがあります。水中で耳や鼻の穴を閉じることもできるそうです。
第4問 カワウソの主な食べ物は?
a) 木の実や果実
b) 魚やザリガニなどの水生動物
c) 海藻や昆布
d) 水草やアシ
ラッコはその可愛い外見に似合わず、アワビ、ウニ、カニ、ムール貝などの海産物を大量に食べることを前の記事で紹介しました。
それでは、同じイタチ科で見た目もそっくりなカワウソはどのようなものを食べているのでしょうか。

正解は「b)魚やザリガニなどの水生動物」です。
それ以外にも、カエル、カメなど、さまざまな水生動物を捕食します。ラッコ同様、カワウソも可愛いだけではなく、れっきとした肉食のハンターなのですね。
後日談
今回のツアーから戻ってすぐに、驚くべきニュース(*2)を目にしました。タホ湖(Lake Tahoe)で泳いでいた女性がカワウソに襲われ、38針を縫う大ケガを負ったというのです。
タホ湖は以前ここでも紹介しました。今回のツアーでは立ち寄りませんでしたが、やはり北カリフォルニアにあり、あるいはもっとも有名な観光地かもしれません。
女性は湖を泳いでいたところ、突然カワウソに足をつかまれ、水中に引き込まれたと話しています。その後、足や手、顔などをかまれたり引っかかれたりしながら、岩場まで逃げて助かりました。医療機関では傷の処置に加えて、狂犬病に対する予防措置も受けています。
カワウソが人間を襲うのは非常にまれなケースです。ニュースを報じたNBCはネバダ州野生生物局の説明として、「カワウソは通常、人間を避けるが、ストレスを感じたり脅威を感じたりすると攻撃することがある」と説明しています。
今回カワウソが攻撃的になった理由はニュースからは分かりません。縄張りを守ろうとしたのか、子どもを守ろうとしたのか。きっとカワウソにはカワウソなりの、なにかしらのやむを得ない事情があったと考えられます。
どれだけ可愛くても野生動物、そして肉食です。むやみに近づくべきではないのでしょうね。なにしろ日本の河童も実はカワウソだったという説もあるくらいなのです。川の中を素早く泳ぎ、ときには人間を水に引き込むこともあったという伝承が各地に残っているそうです。今回のニュースと妙に暗合すると思うのは私だけでしょうか。
■参考
*1. 環境省「第4次レッドリストの公表について」
https://www.env.go.jp/press/15619.html
*2. Otter attack in Lake Tahoe leaves swimmer with dozens of stitches https://www.nbcbayarea.com/news/california/otter-attack-lake-tahoe/4136195/






