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2026.07.30

スイス・シュトックホルン山の絶景を満喫するバリアフリーなハイキング!ベビーカーや車いすでも楽しめる!

スイス・シュトックホルン山の絶景を満喫するバリアフリーなハイキング!ベビーカーや車いすでも楽しめる!
「スイスで山を楽しむ」というと、本格的で上級者向けのアクティビティといったイメージもあります。でも数多くある山の中には、子連れや車椅子でも無理なく楽しめる素敵な場所も!

今回はバリアフリーなハイキングも楽しめるシュトックホルン山を紹介します

ロープウェー利用で、バリアフリーな高山体験

誰でもスイスの山を楽しめる!

夏休みの旅行でスイスを訪れた私たち家族。せっかく来たなら山も楽しみたい!と思いながらも、以前別の記事で紹介した通り、オランダ在住の私たちはそもそも「山」というものに慣れていません。一時帰国で富士山に行った時も、頂上を目指さずに宝永山を楽しむような一家です。

そんな私たちからしたら、高い山が連なる光景はとても新鮮な別世界。ですが、スイスでは登山鉄道やロープウェー、ケーブルカーなど多くの登山交通が整備されていて、必ずしも本格的な登山ではなくても山の自然を体験できることがわかりました。鉄道で氷河を見に行けるユングフラウヨッホや、急勾配のケーブルカーで登るピラトゥス山などは日本人観光客にも人気のスポット。他にも中腹までロープウェーで行き、周辺や山頂までのハイキングを楽しんだり、山頂付近までロープウェーで行け、気軽にアルプスの雄大な自然の風景を楽しめる山も実はたくさんあるんです。

そんな中、私たちが選んだのはスイスの首都ベルン近郊にある標高2190mのシュトックホルン山。ロープウェーで山頂付近まで行くことができ、気軽にアルプスの高原を楽しめるとのこと。ベルンからは車で約30分、電車でも約1時間ほどでふもとのロープウェー駅に到着できる、旅行客にとってはアクセスの良さも魅力です。一方で観光客で混雑していることもなく、とても静かで落ち着いた雰囲気です。

ロープウェーのふもと駅。ベルンから電車で来る場合は、エルレンバッハ駅(Erlenbach im Simmental)で下車し、徒歩10分ほど。

ふもと駅正面にある駐車場に車を停め、ロープウェー乗り場へ向かいます。シュトックホルン山にはふもと(Talstation駅)、中腹(Chrindi駅)、山頂(Stockhorn駅)と3つのロープウェー駅があります。私たちは山頂駅までの往復チケットを購入。大人料金が62スイスフラン(約12,500円)ですが、スイスの物価や他の山岳交通の料金と比べると比較的リーズナブルかもしれません。まずは中腹駅まで約9分。52人乗りの大型ゴンドラに乗ります。

「アルプスの少女ハイジ」のような風景を真下に望んだり。
突き刺すような針葉樹の森と白い岩肌の間を通りながら、上っていきます。

中腹駅には湖があり、ここからハイキングで山頂を目指す人たちも多くいます。私たちはロープウェーを乗り継ぎ、山頂駅へ。今度は約5分、先ほどより少し小ぶりな30人乗りのゴンドラです。

ロープウェーを下りたら、山の頂上はすぐそこ

山頂駅に到着すると、なんと立派なレストランがありました。アルプスの絶景を眺めながらの食事を目的にやってくる地元の人たちも多いそうです。しかもこの日はちょうどスイスの建国記念日(8月1日)で特別メニューを提供しており、朝から多くの人がレストランで食事を楽しんでいました。

標高2139メートルへようこそ!と歓迎しているレストラン。山の標高は2190mで、頂上まではあと少しのところにあります。

レストラン近くにはトンネルがあり、山の反対側に出ることができました。途中には山の成り立ちに関する解説パネルも。それによるとここは1億5000万年前のジュラ紀には浅い海の海底であり、その後の地殻変動で地層が盛り上がったそう。その後、氷河によって削られていき今の山の形ができあがりました。つまり、今私はロープウェーで2000m以上上がってきてこのトンネルを歩いているわけですが、大昔の海底に囲まれて立っているということでもあるんですよね。なんとも不思議な感覚です。

トンネルを通って、反対側に向かいます。

トンネルの先には、山から張り出した展望デッキがありました。ロープウェーを下りた後、山頂までは登山道のみなので、車いすの方はそこまでは行くことができません。しかしこのトンネルと展望デッキのおかげで、上ってきた側とは反対側の山のふもとの光景も見ることができるようになっていました。ここからはトゥーン湖やベルンの街の方向が見えます。天気がいいとドイツ南部の黒い森も見えるそうですよ。少しすると一気に展望デッキも雲の中になり、山の天候の急な変化を感じました。

一部が透明板になっている展望デッキ。もちろん車いすやベビーカーでもここに立つことができます。
真下は切り立った斜面!

レストラン側に戻ってくると、シュトックホルン山の山頂もすぐそこ。ちょっとだけ登山道を登っていきます。途中高山植物のかわいらしい花がたくさん咲いていました。

シュトックホルン山は、周辺のガントリッシュ山地を縦走するルートの一部でもあります。ハイキングルートを示す黄色い看板がありました。
登山道はよく整備されていて、こんな感じの道を上っていきます。
山頂に到着!あっというまにガスがかかってきました。

ロープウェー駅に戻ってくると、ここのデッキから眺める眼下の風景も素晴らしい。中腹駅から登ってくる登山道がはっきり見え、牛がたくさんいました。カウベルのカランカランという音が風とともに山頂まであがってきます。

見渡してみると、中腹駅の湖とは別の湖がありました。あとで調べたところ、この2つの湖は地下で繋がっているそう。どちらも氷河によって削られた大地に水が溜まってできた氷河湖です。

山頂までは少しの山歩きが必要ですが、ロープウェー駅からの眺めだけでも素晴らしく、車いすやベビーカーでもこの山の空気を感じられるのは素敵な経験だなと思いました。

またこの日はちょうど雲で見えませんでしたが、この方向からはアイガー、メンヒ、ユングフラウといったアルプスの有名な山々が連なる様子が見えるそうです。

右側がオーバーシュトック湖、左側が中腹駅があるヒンターシュトック湖。この二つの湖をつなぐ約40分のハイキングルートもありました。

バリアフリーのハイキングルートで湖を1周

さて、再びロープウェーに乗って中腹駅に戻ります。ハイキングルートを上がってくる人たちが見えました。小さな子どもを連れていたり、赤ちゃんを背負って登ってくる人たちもいました。

親子連れが登ってきていました。
中腹駅まであと少し。ヒンターシュトック湖が間近に見えてきました。
絵葉書のような美しい世界が広がります。

さて中腹駅に到着し、今からヒンターシュトック湖の周りをぐるっと1周してみます。約40分のお手軽ハイキングですが、実はここはベビーカーや車いすでも楽しめるルートとして紹介されています。でも見てください、この絶景!

澄んだ空と湖の色が息をのむような美しさ。
小さな滝があり、湖に水が流れ込んでいきます。オーバーシュトック湖から地下を通ってきた水が湧き出ている場所かもしれません。

多少のアップダウンや、狭いトンネルがあったりするものの、段差はなく比較的フラットな道です。ただ舗装道ではないためそれなりにがたがたします。そのため中腹駅では全地形対応型の殿堂車いすの貸出もされていました。25スイスフラン(約5000円)ユーロでレンタルできます。

この車いすはスイスの脳性麻痺患者の支援団体が特別に開発したもので、移動に困難を抱えた人やその家族も一緒にハイキングや自然体験を楽しめるようにと、スイス国内を中心に40カ所以上に整備されています。

実際に、車いすでハイキングを楽しむ方々がいました。
湖の周りをぐるっと回ってきたところ。このような砂利道が続きます。
特徴的な白い石灰岩の岩肌にバッタを発見。

高山湖での釣り体験も

高原のさわやかな空気と緑に包まれ、親子でのんびりとハイキングを楽しめました。最後は湖沿いを歩くのですが、釣りをしている方たちが何人もいました。ヒンターシュトック湖ではニジマス釣りを楽しむこともできるんです。朝のロープウェー駅でも、釣り具をもった人たちを多く見かけました。

スイスでの釣りは場所によって専用のライセンスが必要ですが、ここは観光地のため一日遊漁券を購入すればよいそうです。遊漁券は25スイスフラン(約5000円)、釣れた魚は6匹まで持ち帰ってOK。釣り具のレンタルもあるので、手ぶらでもアルプスの高山湖での釣りが体験できます。

こんな風景の中での釣りは、本当に気持ちよさそう。

「スイスの山」というと勝手にハードルを上げていましたが、山岳交通を組み込むことで一気に選択肢が広がりました。小さい子どもがいるから…足腰に自信がないから…とあきらめている方でも、地球の偉大さを感じられる場所がたくさんあります!

もちろん自然体験には体力や知識、経験が必要な場面も多くありますが、このように誰にでも開かれている人生の楽しみとしての自然体験も素晴らしいですね。

参照サイト
シュトックホルン山公式サイト 
https://stockhorn.ch/
全地形対応型電動車椅子のレンタル(スイス脳性麻痺支援財団)  
https://www.cerebral.ch/de/jst

著者画像

福成 海央さん

オランダ在住ライター

ライター&科学コミュニケーター。福井県立大学海洋生物資源学研究科修了。スノーケリング教室のインストラクターバイトをきっかけに環境教育の道へ。その後「自然環境を伝えるのには科学が重要!」と気づき、科学コミュニケーターとして科学館に勤務。現在はオランダの教育、自然、ミュージアム関連の執筆を行うほか、現地にて日本語で学べるサイエンスワークショップ・プログラミング教室を開催しています。毎日おいしいチーズが食べられて幸せ。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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