今回はその中から「PR1」と「PR3」と呼ばれる2つのコースを紹介します。
どうも、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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↓前回の記事はこちら
【柳沢有紀夫の世界は愉快!ポルトガル・マデイラ島旅編3】
最初に紹介するのは「ピコドアリエイロ山」(標高1818メートル)から「ピコルイヴォ山」(標高1862メートル)へのPR1と呼ばれるルート。マデイラ島の国立公園や自然保護区にあるトレッキングコースには「PRのあとに数字」がつく名称がつけられているのですが、その栄えある第一番です。
「ピコ」はおそらく英語のpeakと同じ語源で「山頂」という意味です。

中心地であるフンシャルから車でどんどん標高を上げていき、30分でハイキングスタート地点に到着。

ここにはちょっとしたレストランや土産物店、インフォメーションセンターやトイレ(1回1ユーロ=約185円)があります。


でも意外とここに来る人は少なくて、みんな「PR1」のハイキングコースを一目散に目指していました。

そしてその手前に「Pico do Arieiro 海抜1810メートル」の石碑が見えます。でも正しい綴りは「Pico do Areeiro」で標高は「1818メートル」みたいです。笑
いざ雲海のPR1へ
さていよいよ「PR1」に向かいます。

ただしここで重要なお知らせが!
マデイラ島では「PRの何番」という名称がついたトレッキングコースはウェブ上での事前予約と入山料の支払いをしなければなりません。
特にこのピコドアリエイロからピコルイヴォまでのPR1はマデイラ島の三大人気コースの一つで、訪れたのは5月下旬なのですがガイドのベンによると「6月まですでに予約がいっぱい」とのこと。ちなみにこのPR1は10ユーロ(約1850円)で、他のコースはだいたい4.5ユーロ(約830円)なのだとか。
ハイカーの数を制限して山の美しさを堪能してもらうためであり、徴収した費用は登山道などのメンテナンスのために使われたりするそう。「オーバーツーリズム対策」の一つですね。
でもこの「予約と入山料が必要」ということを知らなくてトレッキングコースの入口で係員に止められている人が何人もいました。規定人数に達していなければその場でウェブ予約と入山料の支払いはできるのでしょうが、先ほどお伝えしたようにここは1ヵ月後まで予約いっぱいの大人気コース。泣く泣く諦めている人たちも。
もちろんベンのようなガイドといっしょのツアーの場合は彼らが手配してくれるはずです。

とにかくスタートしましょう!


ベンによるとマデイラ島の約70パーセントが国立公園とか自然保護区なのだとか。
そしてこの島は火山の活動により560万年前に作られたそう。地球の歴史から見たら若い島なので雨風による浸食があまりなく、こうした急峻な地形が保たれているのです。

絶景についつい見とれてしまいますが、足元を見ればきれいな花もあれこれ咲いています。


黄色くてかてかに光った花びらがまるでバターを塗ったかのようだからこの名前がついたのだとか。
なんて話をしていたのですが、ベンが急に顔をしかめます。

「自分だけの場所」でこの風景を満喫楽したい気持ちはわからないでもないですが、やはり山はルールは守ってみんなで楽しむためのもの。ちなみにレンジャーに見つけられると50ユーロ(約9300円)の罰金が科せられるそうです。
そして「天国への階段」へ
気を取り直して先に進みます。



そしていよいよ、この「ピコドアリエイロ山」のハイキングを有名にした「天国への階段」へ。ところが…。


欲を言えば、太陽が真正面に来て、細尾根の右側も雲海であってほしかったです。…はい、欲張りすぎです。
トレッキングスタートから約30分、ちょっと広いスペースがあるところに到着。

ここで残念なお知らせを。私たちはここで折り返さなければなりません。
本当はマデイラ島最高峰であるピコルイヴォ(標高1862メートル)まで行く「PR1」コースを全踏破したかったのです。でも現在この先のトレッキングルートを修繕中で、通れるのは金土日の週3日。そしてこの日は残念ながら月曜日。片道1.2キロメートルの地点で引き返します。

写真では見えにくいのですが中央上部の影の部分にトンネルがあって、山の反対側に行くのだとか。
とにかく戻ります。
行きには気づかなかった絶景が!
このPR1コース。ベンによると「1年中トレッキングが楽しめるけど春と夏が晴れが多くてやっぱりベストシーズン」とのこと。雲海が見られる確率は半々ぐらいだそう。
さらにベンが「行きと帰りで違う方向で景色を眺められるから周回じゃない往復ルートもいいよね」とポツンとひとこと。「そうかなあ。周遊コースとかのほうがおもしろいけど」とそのときは半信半疑だったのですが…。


ここでベンがおもしろい花を見せてくれました。

当然紫の花もありますが、山の上でだけ黄色いのが咲くのだそうです。

今しか会えない絶景!「PR3」も歩いてみた
さて出発から1時間ほどで最初の駐車場に戻ってきました。「ピコルイヴォ山」への「PR1」を踏破できなかった分、時間は余っています。
ということで「ピコドアリエイロ山」の駐車場から始まる「PR3」というコースも歩いてみたので、そこもサクッと紹介しましょう。



かつて冬場に雪を集めて中で氷を作ったのだとか。その氷は医療などに使われたそうです。雲海を眺めながらのランチも最高です。

…なあ、ベン。そこに座るか?笑

このPR3のほぼ中間地点で道路を横断。

ん? 今までのルートは「PR」だったような?
ベンによるとこれは2026年中に開通予定の島を横断する長距離ルートとのこと。総延長は63.5キロメートル。オープンしたら絶対に来たいです!

ただここで疑問が。急峻な崖に挟まれ尾根筋のPR1は風の強さもあり木々が生えないのはわかります。ただここはそこから標高も下がった「大地」。それなのに腰の高さくらいの灌木しか生えていません。
その理由はベンによると「山火事で森林が焼けてしまったから」とのこと。

このあたり全域がいつかはこんな姿にもどるとのこと。早く元の姿になってほしいものですが…逆に言えばこの見晴らし最高のトレッキングが楽しめるは今だけということになります。それもまた愛おしい。


しかしマデイラ島はきれいな花が多いです。

出発から2時間半で駐車場に到着。送迎車にピックアップしてもらいました。
さてこのマデイラ島の公共交通機関といえばバスのみ。で、最初に紹介したピコドアリエイロ山の駐車場までの便もあるにはあるのですが一日2往復だけ。
さらにはこの記事の前半で紹介したPR1を全踏破した場合や、後半のPR3を「片道」だけ歩く場合、トレッキングを終えた場所の近くにバス停がなかったり便数が少なかったりすることもあるので、観光局の人も「ガイド付きのツアーへの参加がオススメ」とのことでした。
最初のほうに書いたトレッキングコースへのウェブ上での事前予約と入山料の支払いの心配もないですし、何より様々な説明が聞けますし。
細尾根からの絶景が楽しめるPR1。山火事という災害で生まれた今しか味わえない見晴らしのPR3。ヨーロッパのハイキング好きがマデイラ島に集うのもわかりますね。
次回はもう1つ、この島を有名にした絶景ルートを紹介します。
【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら!
マデイラ観光局(英語サイト)
https://visitmadeira.com/en
ポルトガル政府観光局(日本語サイト)
https://www.visitportugal.com/ja





