
今回はカヤックフィッシングの基本や必要な装備、釣り方などを解説します。
カヤックフィッシングの基本情報

シーカヤックの上で行うカヤックフィッシングは、釣りを本格的に楽しむ人の間で人気です。
カヤックフィッシングは自然との一体感や、岸からではなかなか得られない釣果を得られることが大きな魅力です。
カヤックフィッシングとは
カヤックはカヌーの一種で、エンジンなどの動力は使わず、自分の力でパドルを漕いで進み、自然の景観を楽しむツーリングなどで親しまれています。
そんなカヤックから行う釣りがカヤックフィッシングで、景観を巡るツーリングに加えて合間に釣りをするスタイルであったり、釣り専用に設計された「フィッシングカヤック」で本格的に釣りを目的としてカヤックに乗るスタイルもあります。
今回は、後者の釣りを目的とするカヤックフィッシングを紹介します。
カヤックフィッシングの楽しさ
カヤックフィッシングの楽しさは多岐にわたります。
自身の力で漕ぎ進むことや水面との近さによる自然との一体感や陸の上からでは見ることのできないロケーションなどが挙げられます。
そして釣りを念頭に置くカヤックフィッシングでは、岸からの釣りよりも遥かに釣果が期待できることが、釣り人にとって大きな魅力となり、カヤックフィッシング人気の理由のひとつになっています。
また、岸からの釣りでは釣果実績の高いポイントは他の釣り人と競合しやすいことが頭を悩ませることも多く、混雑を回避できるカヤックフィッシングはポイントの競合とほぼ無縁であることも魅力です。
カヤックフィッシングの道具
カヤックフィッシングに必要な道具は多く、動力のないカヤックで単独で沖に出ることからもどれも大変重要な道具となっています。
カヤックフィッシングではぬかりのない道具の準備が必要不可欠です。
フィッシングカヤック

カヤックフィッシングでは、釣りをすることを前提とした設計のフィッシングカヤックを使用します。
フィッシングカヤックの構造は大きく2つに分けられ、パドルを使って進む手漕ぎタイプと、ペダルでスクリューやフィンを動かして進む足漕ぎタイプがあります。
手漕ぎタイプは釣りに加えてパドリングも楽しむことができ、軽量であるため車載や運搬も足漕ぎタイプに比べて簡単に行えます。
釣りの快適性が高いのは、移動中も両手をフリーにできる足漕ぎタイプですが、手漕ぎタイプに比べて重量があるため、駐車場所から水辺まで距離があったり傾斜がキツイ場合は、重量のあるカヤックはそもそも出艇が困難な場合もあります。
カヤックフィッシングを検討しているエリアにカヤックの取扱店があるのであれば、初めての方は出艇場所や釣りのスタイルも含めて相談してから購入すると良いでしょう。
パドル
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) カヤックパドル ダブルブレード 2ピース分割可 US-2203
材質:ブレード/グラス、シャフト/カーボン・グラス、ドリップリング/ゴム
手漕ぎカヤックはもちろん、足漕ぎカヤックでも必需品となるのがパドルです。
カヤックフィッシングでは常に沖合いでのトラブルに備えておく必要があります。
手漕ぎカヤックであればメインで使用するパドルと、紛失や破損に備え予備で合計2本は装備しておく必要があります。
足漕ぎカヤックでも浅瀬ではドライブユニット(足で漕ぐことで推力を得る装備)などが海底に当たって破損する恐れがあるため、出艇と着岸時にはドライブユニットをカヤック上に引き上げてパドルによる推進が必要になります。
加えて、沖合いでドライブユニットのトラブルに備えるという意味でもパドルは必需品です。
ライフジャケット
パーム(Palm) フローティンベスト L3-CP23
背面にキネティックシステムを採用し、胸の圧迫感を抑えパドリングを補助。アジャスター(スライド式の調整ベルト)を8か所配置し、装着感を向上。
カヤックフィッシングで使用するライフジャケット(フローティングベスト)は、できれば専用品の装備をおすすめします。
岸の釣りで使用しているものでも流用は可能ですが、前面に大きな釣り道具収納ポケットのあるものが多く、パドリング時や万が一の落水時にカヤックへの再乗艇の妨げとなってしまいます。
カヤックでの使用を前提にしたモデルであれば、前面にポケットが少なくスッキリしたデザインで動作の妨げになりませんし、カヤック上にはタックルボックスも持ち込めるため収納力に重きを置く必要もありません。
また、波打ち際の出艇・着岸時や、パドルから伝わる水であったり、しぶきを被るなどで常に濡れる機会があるカヤックフィッシングでは、水を検知して浮き輪のように膨らむ膨張式ライフジャケットは使えません。固形浮力体の入ったしっかりしたフローティングベストを使用するようにしましょう。
シーフラッグ
レイルブレイザ(Rail Blaza) カヤックフラッグ
遠くからでも見えやすいオレンジカラー。フラッグの大きさ:15cm x 30cm
カヤックは非常に背が低いことから他の船舶から見えづらく、自身の位置を周囲に知らせるシーフラッグの装着はマナーです。
もし他の船舶と衝突してしまっては大きな事故となり、ケガなどが無かったとしても大変な迷惑をかけてしまいます。
また、それが原因で海域一帯でのカヤックフィッシングやSUPフィッシングが禁止の方向に突き進む恐れがあります。
現状そのような事例がごくわずかにとどまっているのは、カヤック愛好家たちがマナーを守っているためです。大きな事故や漁業関係者とのトラブルが発生していないことから、明確なルールがまだ定められていないとも考えられます。
必ずシーフラッグは装着してカヤックフィッシングに臨むようにしましょう。
シーアンカー
MO FACTORY カヤックパラシュートアンカー XS
複雑な工程は不要で、海にシーアンカーを投入するだけで効果を発揮し、ツインロープタイプで回収も簡単。風に左右されずに思い切り釣りを楽しめる。
シーアンカーは必需品ではありませんが、使用することでカヤックフィッシングを快適に行えます。
カヤックはその軽さから風に弱く、風が吹くと簡単に押されたり転回したりしてしまいます。
例えば、カヤックが後ろから風に押された状態で真下にルアーや仕掛けを落とすと、相対的に釣り人自身の後ろ方向にラインが出ていく形となります。
パラシュートのように開いて水の抵抗を生むシーアンカーを、カヤック先端に接続して水中に漂わせておくことで、風が吹いた際に風がカヤックを押す力とシーアンカーの水抵抗が拮抗し、カヤックの先端が常に風上を向くようになります。
これにより少しずつ後退しながら釣りを行う形になり、釣り人の前方向にラインが出ていくので正面を向いたまま快適に釣りが行えます。
クーラーボックス
ダイワ(DAIWA) クーラーボックス ライトトランクα GU3200
容量: 32L 重量(kg): 5.0 内寸(cm): 22×56.5×24.5 外寸(cm): 31.5×69×34
カヤック上で釣れた魚をキープする手段としてクーラーボックスは必需品となります。
釣れた魚をキープする手段としては、他にも活かしたまま水中に浸けておくストリンガーというアイテムもありますが、海中を漂うストリンガーのロープが海上でのトラブルの原因にもなりますし、弱った魚を水に浸けておくことでサメが寄ってくる事例も多くあります。
また、カヤックフィッシングではこまめな水分補給が大事になり、長時間の釣りになることからも飲み物は多く用意しておく必要があります。
クーラーボックスに飲み物を保管しておけば、常に冷たい飲み物を用意することができます。
また、カヤックに積載できるサイズのクーラーボックスを選ぶようにしましょう。
カヤックフィッシングおすすめの服装
カヤックでひとたび沖合いに出れば、車に忘れ物を取りに戻って着替えたりということは簡単にはできないため、出艇前に天候や気温などをよく確認して万全の服装で臨みましょう。
帽子
ウミボウズ フィッシングハット
夏の釣りにピッタリのウミボウズフィッシングハット
日陰の存在しないカヤックフィッシングでは帽子はほぼ必需品となります。
釣りで着用する帽子として広く使われるのはベースボールキャップタイプですが、キャストで大きくロッドを振りかぶる動作が少なかったり全方位から日光を浴びるカヤックフィッシングでは、ツバの広いハットタイプの帽子もおすすめです。
海では夏の暑さや冬の寒さを強く感じるため、風通しの良いメッシュ生地の帽子や保温効果のある帽子などを、その日の気温をよく確認して着用しましょう。
また、海上では急に風が強く吹くこともあるので、飛び防止のストラップやあご紐を付けておくのがおすすめです。
サングラス
シマノ(SHIMANO) フローティングフィッシンググラス
フィット性の高いフレーム形状で、遮光効果もアップ。
日差しを遮るものがなく、海面が近いことから照り返しも強いカヤックフィッシングではサングラスの着用はほぼ必須です。
暗い時間帯は、他の船舶からカヤックの視認性が悪いことから、カヤックフィッシングは基本的に日中の釣りとなります。そのためサングラスのレンズは明るすぎないもののほうが快適に釣りを行えます。
また、足漕ぎカヤックは浅瀬への座礁によりドライブユニットやラダー(艇後部の舵取り装置)の破損に繋がることもあるため、浅瀬の海底の状況を見通せる偏光サングラスが断然おすすめです。
防水素材のアイテム
エレコム スマホ 防水ケース
JIS保護等級IPX8相当の防水性能を実現する、水深約10mで30分までの防水テストをクリアしたフロート機能付きスマートフォン用防水ケース。
常に濡れる機会のあるカヤックフィッシングでは、貴重品を水から守る防水アイテムは必需品になります。
特にスマートフォン等の通信手段は、海上でトラブルに遭った際に命綱となるので、必ず防水ケースに入れた上でフローティングベストに収納するなど、水没による故障を防ぎつつ常に使用できるようにしておく必要があります。
釣りのためだけにというと少々敷居は高いかもしれませんが、完全防水仕様のタフネススマホであれば釣れた魚の撮影や、万が一の際のスマホ操作も防水ケースから取り出すことなくそのまま行えるためおすすめです。
海上で急を要することのない車のキー程度であれば、フィッシングカヤックには防水の収納ハッチが設けられていることが多いため、ジップロックなどに入れてハッチに収納で十分でしょう。
滑りにくい靴
シマノ(SHIMANO) マリンフィッシングシューズ FS-091I
濡れてもグリップ力が落ちにくいソールを使っている快適に過ごせるシューズ。
フィッシングカヤックの上部は滑りにくい加工が施されている場合がほとんどですが、魚のヌメリが付着した場合や姿勢の安定しない出艇・着岸時は滑る恐れがあります。
加えて、コンクリートのスロープから出艇する場合は地面も大変滑りやすいため、特に注意が必要です。
また、出艇時には場所を問わず、膝ほどの深さまで水に入ることが多いため、水はけの良い靴を選ぶのがおすすめです。
できれば船釣りで使用するデッキシューズなどが望ましく、水捌けの良さや快適性からサンダルを選ぶ場合は、踵まで覆う脱げにいつくりかつ滑りにくいソールのものを履くようにしましょう。
カヤックを傷つけてしまうスパイクシューズは使用できません。
ラッシュガード上下
日差しを遮るものがないカヤックフィッシングでは常に日光に晒され、夏場では火傷ともいえる重度の日焼けに見舞われてしまいます。
そのため、上下ともに長袖のラッシュガードを着用し肌の露出は極力控えるようにしましょう。
また、出艇時にはほとんどの場合足元が濡れるうえ、釣りの合間にカヤックの外に足を投げ出して海水で涼をとることもあるため、ドライ生地のラッシュガードの着用がおすすめです。
ドライスーツ
パーム(Palm) ベーススーツ
高水準に構築されたエントリーレベルの斜めのジップドライスーツ。
水温が低い季節での落水は命取りとなります。
落水を常に想定するカヤックフィッシングにおいて寒い時期のウェアとして大変おすすめなのが、体が完全に水に没してもウェア内に水が浸入してこないドライスーツです。
カヤック専用のドライスーツは、パドリングや釣りの動作がしやすいように裁断や素材に工夫が施されているものも多くあります。
また、ドライスーツであれば出艇・着岸時に足が濡れるということもないので快適に釣りが行え、着替えなどの片付けも楽です。
ちなみに、ウェーダーは落水時に浸水するうえ、水が抜けず再乗艇が大変困難になるためカヤックでは使用できません。
カヤックフィッシングの釣り方
カヤックフィッシングでは、従来船釣りで行うスタイルの釣りに加え釣り船のように相乗りの釣り人がいないことから、自身の創意工夫であらゆる釣り方を楽しむことができます。
①慎重に沖に向かう

どんなスタイルのカヤックフィッシングでも、まずは慎重に出艇しなければなりません。
出艇前には、カヤック本体に設けられたドレンプラグ(水抜き栓)が締まっていることの確認、特にパドルや水分等の必需品の確認を行います。
初めてのポイントでの出艇や、特に初心者の方は出艇直後は慎重に移動し、念のため自力で岸まで戻れる程度の岸沿いを移動してみるとよいでしょう。
万全であることが確認できたらいよいよ釣りに臨むわけですが、魚釣りという遊びにおけるカヤックフィッシングのメリットはなんといっても釣りができる範囲が岸より格段に広いことです。
せっかくカヤックフィッシングをするのであれば、まずは安心できる範囲から始めつつ、岸からはアプローチできない沖合まで出て、その醍醐味を堪能しましょう。
②ドテラ流しでのんびり探る

ドテラ流しとは、船舶を操舵することなく潮流や風などの自然に任せて海上を流すことをいいます。
カヤックフィッシングの魅力のひとつには、誰にも邪魔されない環境という点があります。
海上をドテラ流しでゆっくり移動しながらメタルジグ(金属製の沈むルアー)などで海底に潜む魚をじっくり探りつつ、のんびりと時間を過ごすのも良いでしょう。
魚群探知機を取り付けているのであれば、魚の反応があった際にそのレンジ(狙いの水深)まで巻き上げて誘ってみる、海面に魚の気配があればルアーをキャストしてみるなど形に囚われず自由に釣りを楽しめます。
③積極的に魚を探しに行く

カヤックフィッシングの利点には海上を自由に移動でき、エンジンがないことにより大変静かという点もあります。
魚群探知機を見つつ魚の反応が出るまでパドリングを楽しみながら積極的に移動する、鳥山(海面に小魚がいることで海鳥が群れを成す様子)の下にいるであろう大型の魚を追いかける釣り方もできます。
また、エンジンがなくポイントに大変静かにアプローチできることから魚に接近を悟られず、岸からの釣りでは範囲外となるストラクチャー(魚が潜む障害物)に接近して、そこに潜む魚をルアーで狙い打つハンティング的な釣りも楽しめます。
釣り方流れができる場所
続いてカヤックフィッシングの釣り方に適した場所やロケーションを紹介します。
①出艇しやすい場所を選ぶ

カヤックフィッシングによる実釣を控えた初心者の方が最初に悩む点としては、出艇場所の選定が挙げられます。
もしカヤックで利用できるスロープなどがあれば間違いありませんが、基本的には砂浜がカヤックの出艇場所としてはうってつけとなります。
重量のあるカヤックの場合は水辺まで階段や段差がなく、ドーリー(カヤック運搬用の車輪)でひとりで運搬できる場所である必要があります。
カヤックを購入した店舗で、駐車場や出艇場所について確認しておくと安心です。少し手間に感じるかもしれませんが、ドライブがてら一度現地を下見しておくと、当日の不安を減らすことができ安心です。
②ドテラ流しの釣りは場所を選ばない

ドテラ流しでのんびりと魚の気配を待つ釣りであれば、海上のあらゆる場所が釣りのポイントとなります。
出艇場所から沖に出ていきドテラ流しで魚を探る、しばらく流して反応がなければまた少し沖に出て再びドテラ流しで探るという流れで、あらゆる海域で釣りができます。
魚群探知機や海面に魚の気配がなくとも、海底付近を砂地であればヒラメやマゴチ、岩礁帯ならキジハタなどの根魚をポイントをゆっくり移動しながら狙うことができます。
③ストラクチャー打ちをするなら岸沿い

沖テトラや海面から顔を出すような大きい岩場のようなストラクチャーを狙い打つ釣りをするのであればあまり沖には出ず、岸沿いを移動しながら次々にストラクチャーを巡っていくスタイルになります。
岸からキャストが届かないことから魚が釣られていない、なおかつ浅かったり地形が複雑で大きい釣り船が接近しづらいような箇所が狙い目になります。
また、航空写真や地図アプリなどから適したポイントを探し出すなど、釣りをしていない間の楽しみもあります。
④釣り方を限定しない
カヤックフィッシングは多くのタックルを持ち込めること、ポイントがほぼ無限大であること、岸に比べて周囲に他の釣り人が圧倒的に少ないことから、釣り人の工夫次第であらゆる釣り方ができます。
例えば、投げ釣りの範囲外をドテラ流しでキス釣りをしたり、サビキ釣りで掛かった小魚を釣り上げることなくそのまま海底付近まで沈めて生き餌釣りをする落とし込みなどがあります。
さらに落とし込みやエサ釣りをしつつ、その釣り竿をカヤックのロッドホルダーに挿したまま、ルアーで違う魚を狙うなど、釣り船ではなかなかできないような欲張りな釣り方もできます。
釣り方を限定しないのもカヤックフィッシングの大きな魅力のひとつです。
カヤックフィッシングの釣り方注意点
充実した釣りの時間を得られるカヤックフィッシングですが、絶対に抑えておきたい注意点もいくつかあります。
他船舶との関わり
シーカヤックで特に気を付けなければならないのが、他船舶との関わりです。
なかでも視認性においては注意が必要で、大きな船舶ほど視点が高いことから背の低いシーカヤックは発見しづらく小回りが利かないうえ、衝突時の被害は甚大なものになり大変な迷惑をかけることになります。
また、直接接触せずともカヤックは横方向からの波に弱く、速度の速い船舶の大きな引き波を横から受けると簡単に転覆してしまいます。
近年ではGPS誘導で自動操舵という船舶も多く、必ず乗員がカヤックを発見してくれるとは限りません。
付近に移動中の船舶を見つけた場合は、引き波に対してカヤックの先端を向ける転回や回避行動が必要になります。
海上では右側通行が基本のため、すれ違う際は相手の船を左手に見る形で通過するのがルールです。
カヤックフィッシングに適したタックルバランス
タックルバランスとは釣り竿やリール、ラインの強度や針の強度などを総合的に見たタックル全体の強度のことです。
カヤックフィッシングにおける魚とのやり取りでは、カヤックが軽量であることからカヤック自体が魚に引っ張られることから、ラインに大きな負荷はかからないものです。
強すぎるラインや釣り針を使用すると、根掛かり(障害物にルアーがひっかかること)した際、どれだけ強くラインを引っ張っても、カヤックが動いたり沈み込むばかりでルアーを回収できないトラブルが起きます。
そのような場合は、ハサミ等を使用し手元でラインを切らざるを得なくなり、海中に数十メートルのラインを残すことになってしまいます。
そのため、特に海中にルアーを沈めるジギングタックルなどはあまり強くし過ぎないことを筆者はおすすめします。(強くてもPEライン1.5号程度を基準としたタックルバランス)
浅瀬に要注意
ストラクチャー狙いの釣りなどのあまり沖に出ないスタイルのカヤックフィッシングでは、浅瀬への座礁に注意が必要です。
水中にドライブユニットやラダーを投入する足漕ぎ式のカヤックでは特に注意が必要で、座礁した場合にはそういった機構が破損したり、カヤック本体の取り付け部が割れてしまう場合もあります。
海中の様子がよく見える偏光サングラスを着用し、深場を狙う釣りでなくとも魚群探知機の電源を入れておき水深をチェックするようにしましょう。
また、出艇・着岸時にはドライブユニットとラダーの引き上げを忘れずに行いましょう。
カヤックフィッシングはハマり度の高い大人の遊び!
カヤックフィッシングは釣りそのものの段取りに加え、車載運搬や保管方法など他の釣りに比べて始めるハードルは高く、釣りに人一倍のめり込んだ大人の遊びと言わざるを得ません。
しかし、そのようなハードルを越えた先には、海上ならではの景観や岸からでは得られない釣果が待っています。一度その魅力を体験すれば、夢中になる人も少なくありません。
そんなカヤックフィッシングの世界に思い切って飛び込んでみてはいかがでしょうか。