
今回は天候に振り回され、釣れないもどかしさに悶えた2日分の釣行記録をお伝えします。
記念すべき初出艇!しかし天候に恵まれず……

私がフィッシングカヤックを購入したのは、2025年1月。それから3か月間弱、日程がことごとく合わず一度もカヤックを出艇できていませんでした。4月上旬、良好な波高予報と筆者の日程が重なり意気揚々と出艇ポイントに到着するも、若干ですが予報以上に波の高さがあるようでした。
この日はカヤックフィッシング経験も長い友人が、釣りに同行は出来ずとも準備の段取り~見送りまで付き添ってくれたのですが、やはり経験の浅い私が一人で沖に出るのはやめた方がいいとのこと。
残念ながらこの日は沖には出ず、穏やかな内海で出艇と着岸の練習に徹することにしました。
足漕ぎカヤックの出艇は独特の段取りが必要

パドル式のカヤックであれば出艇後はそのままパドルで漕いでいけばよいのですが、足漕ぎ式のカヤックは推進力を得るドライブユニットと、舵取りの役割をするラダーを出艇後に水中に降ろす必要があります。
その際に水深が浅すぎるとドライブユニットやラダーが座礁してしまい破損に繋がるため、波による水面の上下も考慮し水深が2m程度になるまではパドルで進む必要があります。
また、着岸時にも早めにドライブユニット等を引き上げてパドルで漕いで着岸する必要があります。
出艇・着岸は要注意!ウェアに助けられました

カヤックの転覆が一番多く発生するのは出艇時と着岸時といわれています。岸の近くでは波が砕けて水面に強い高低差(上下の揺れ)が生じやすくなるためです。そのような不安定な波をカヤックが横から受けると、バランスを崩して簡単に転覆してしまいます。そのため出艇と着岸はカヤックの向きに細心の注意を払いつつも素早く行う必要があります。
しかし、慣れない私は引き上げたドライブユニットにつまづいてしまい、足が届く浅瀬ではありますが着岸時に落水してしまいました。4月の海は大変冷たく全身ずぶ濡れとなれば撤収を余儀なくされるのですが、完全防水のドライスーツを着用していたため事なきを得ました。
このような経験を積むことでいざというときのトラブルを防ぐことができると痛感し、数時間ではありますが練習に徹したこの日は無駄ではなかったようです。
後日、好釣果に湧く実績ポイントへ
桜が咲くころ日本海特有の冬の嵐も落ち着き、カヤックを出せる穏やかな日も多くなってきました。後日、友人と日程を合わせて向かったのは、好釣果に湧いている港近くの沖合いです。
混雑を回避して悠々自適な釣り!のはずが

この日のポイントは春先にサワラやその幼魚であるサゴシが文字通り爆釣するようなポイントで、隣接する海釣り公園は連日満員で大混雑となっています。
カヤックであればそのような混雑を回避しつつ釣りが出来ると期待していたのですが、遊漁船や他のカヤックアングラー、マイボートの方などで海上までも混雑といえる状態でした。
絶対に避けなければならない他船舶への接触や、漁船の引き波による転覆、海釣り公園との距離感など、釣りそのものよりも気を付けなければならないことが多くありましたが、サワラが釣れるならばと思いワクワクしながら釣りに臨みました。
期待を裏切る渋さ……カヤックフィッシングの洗礼

しかし、思いとは裏腹に釣果には恵まれませんでした。前日までは大変な好釣果に湧いていたはずなのですが、ひと晩置いただけで魚たちの気分は一変してしまったようです。
確かにそこに魚はいるようで、時折サワラと思われる巨大な背びれが豪快に水面から飛び出すのですが(ナブラという)、私や他のアングラーがキャストするルアーには全く興味を示しません。まわりの遊漁船の方たちも釣れないと嘆いていました。
この日は昼前ごろまで釣りを続けましたが、風が強くなってきたこともあり、友人とのアイコンタクトで撤収することに。沖に出れば釣り場を独り占めでき、釣果にも恵まれる。そんな期待は、今回は残念ながら裏切られる結果となってしまいました。
カヤックとはいえ釣りであることには変わらず、岸からの釣りと同様に魚が釣れるタイミングなどの知見を深めることやルアーに食いつかせるテクニックを磨くことが必要なのだと実感しました。
残念な結果に終わった釣りだけど…カヤックは楽しい!
釣果に恵まれず釣りは残念な結果に終わりましたが、カヤックで沖に出るということ自体が大変楽しいと感じた釣行でした。今回感じた海上での混雑も場所を選ばなければ十分回避でき、水面が近いことや動力がないことによる自然との一体感はカヤックならではです。
天候に恵まれればまたカヤックフィッシングに赴きたいと、天気予報を眺める日々です。