
カヤックフィッシング
カヤックフィッシングの魅力は海面との近さによる自然との一体感、沖に出られるからこそ得られる釣果、自分好みにパーツを取り付ける艤装に至るまで、いくつもの魅力があります。
エンジンなどの動力がなく単独で海に浮かぶことから入念な準備が必要不可欠ですが、ひとたび漕ぎ出せば釣り人の心を奪う世界が待っています。
魚種豊富なフィールド

この日は釣り仲間と待ち合わせをして数人で出艇です。釣り仲間に案内されやってきたポイントは、海底に広大な根(岩礁帯や海藻)が広がる、魚が潜むのにうってつけのフィールドです。
狙える魚種は非常に多く、春はワラサやブリといった青物、夏はキジハタ、釣りのハイシーズンである秋にはアオリイカをはじめ、数えきれないほどの魚種がターゲットになります。
釣行日は6月中旬ごろで、春とも初夏ともいえる時期。何を狙うにも良い季節です。特に狙いを決めずに出艇しましたが、キジハタがよく釣れるフィールドということもあり、キジハタが潜んでいそうな海底の根をメタルジグで狙うジギングを軸に釣りをすることにしました。
メタルジグを落とすと……

海底の根まわりを探る釣りということもあり魚群探知機で海底地形をよく見ながら航行しますが、見るからに魚が居付いていそうな大岩らしき地形が次々に現れ、そのたびに「ここで釣りをすれば簡単に釣れそう」という期待感が沸きます。
その中のひとつの大きな地形変化に目を付け、海底付近までメタルジグを投入し、着底と同時に数回ロッドを煽りメタルジグを小魚のように演出します。
するとさっそく何かが食いついてきました!

上がってきたのはかわいいサイズのカサゴです。この一尾を皮切りに、メタルジグを1回落とすごとにカサゴが釣れてくる状況で、海底にはビッシリとカサゴがひしめきあってるのではと思うほどです。あまりにカサゴしか釣れないので、贅沢な話ですが数百メートルほど場所を移動してみることにしました。
狙いのキジハタ!
場所を移動し、さきほどより水深もあるエリアにやってきました。移動している間も含めて魚群探知機には大岩や海藻といった根が映り続け、海底は非常に広大な岩礁帯となっているようです。
ここでも魚が居そうな箇所はよりどりみどりで、特にピンポイントを定めず潮任せ風任せでカヤックを流すドテラ流しをしながら、メタルジグで海底を転々と探ることにしました。
そしてしばらく釣りを続けると、メタルジグを鷲掴みにしてひったくるような強いアタリがありました! 海底の岩の影に逃げ込まれないように強引にリールを巻き、上がってきた魚は、狙いのキジハタでした!

場所の移動が功を奏したのか、釣れる魚はカサゴからキジハタに切り替わり、次々に釣れてくる状況です。数尾に一尾くらいの割合で40cmほどのサイズのキジハタも釣れ、大変楽しめる状況でしたが、別の魚やさらなる大物を狙いたくなり、大きく沖合いに移動してみることにしました。
大物ゲスト登場!
20分ほどカヤックを漕ぎ続け、水深約30mほどの沖合いにやってきました。魚群探知機に映る地形を見たところ、ここまで来ると海底の岩礁帯は無くなって砂地が広がっているようです。
岩礁帯では隠れ潜む魚が魚群探知機に映らないことも多いため、地形の変化さえあれば魚影が映らずとも釣果を期待できるのですが、砂地となると魚群探知機に魚影が映らなければ魚は恐らくいないということになります。
カヤックをゆっくり漕いでみたり魚群探知機を注視しながらドテラ流ししてみますが、なかなか魚の気配はなく、やはり岩礁帯エリアに戻ろうかと思った矢先、魚群探知機に豆粒のような小さな反応が映りました。
反応の出ている水深までメタルジグを沈め、ロッドを小刻みに煽り誘い出してみると、ゴツン!という強いアタリがありました!

今日一番の強い引きに耐えながら絶対に逃がすまいと慎重にリールを巻き上げて釣れたのは、美しい真鯛でした!

のっこみと呼ばれる産卵による真鯛の接岸シーズンも終わる頃で、カヤックで釣るには貴重な最終盤の真鯛です。魚群探知機の小さな反応からも群れを成しているというわけではないようで、ふと現れた一尾を釣ることができたようです。
周囲で釣りをしていた釣り仲間含め、満足といえる釣果が得られたこともあり、気温が上がってきた昼前にこの日のカヤックフィッシングを終えることにしました。
満足の釣果と仲間に感謝
それぞれ単独でありながらもお互いに見える距離で釣りをし、釣れれば手で合図を送ったりと丁度いい距離感で釣り仲間とカヤックフィッシングを楽しむことができ、案内してくれた釣り仲間と海の恵みに感謝が絶えない釣行となりました。