
①右岸と左岸

河川の両端にはもちろん岸があり、その位置関係は、左岸(さがん)、右岸(うがん)で表します。では、どちらが左岸か右岸かというと、橋の上に立った状態を想像すると分かりやすく、上流側から下流側を見下ろして、左側が左岸、右側が右岸となります。
渓流釣りや鮎釣りの情報交換をする際には「左岸側がよく釣れた」など、この位置関係を把握していることが前提の会話となることも多く、ぜひ覚えておきたい河川用語です。
②ヘチ

ヘチとは岸際のことを指します。「ヘチ」は渓流釣りにおいて必ず押さえておきたいポイントで、特に草や木が覆いかぶさっているヘチはベイト(魚が捕食する獲物)が豊富だったり、影になっていることもあって魚が潜んでいることが多い格好の釣りポイントです。
また、河川に限らず海でも堤防や護岸の際のことをヘチと呼び、足元の岸壁の際にエサを落とすヘチ釣りという釣りもあります。
③淵

「淵」とは水深が深く、流れも緩やかになっている箇所を指します。蛇行した川の流れが岸壁にぶつかり、水流が巻くことで川底を削り形成されることが多く、護岸工事などが無く自然環境を十分に残した河川では後述する「瀬」と「淵」が交互に連なります。
淵は深く流れも緩やかであることから魚が身を潜めやすく、渓流釣りでは絶対に探っておくべきポイントとなります。
淵は岸際に形成されやすいことから同時にヘチであることも多いのですが、淵とヘチは別であるため、少しややこしいですが区別して覚えておくとよいでしょう。
④トロ場

「トロ場」とは流れが緩やかになっている箇所のことを指します。流れが緩やかということから淵と混在されがちですが、実のところ明確な区別はなく渓流釣りにおいては流れの緩やかな箇所はトロ場でも淵でも通じることが多いです。
もし区別するとすれば人が立てないほどの水深がある箇所を淵、川遊びができるような緩やかで優しい流れの箇所をトロ場と覚えておくとよいでしょう。
⑤瀬

「瀬」とは河川の中でも流れが急で水面が波立っているような箇所のことを指します。急な流れに細かい砂利などが持っていかれることからゴツゴツとした石の川底であることが多く、足場が悪いため瀬のなかを歩く際は、十分な注意とシューズなどの装備が必要不可欠です。
夏場は水温が高くなり溶存酸素量が減ることから、波立つことで酸素量が豊富になる瀬には魚が居付きやすいという特徴があります。鮎釣りはそんな夏に盛期を迎えますが、「鮎は瀬を釣れ」という格言もあるほど瀬は外せないポイントとなっていて、鮎釣りの世界では一言に瀬と言ってもさらに細かく分類されます。
後述のトロ場よりは流れが速く膝下程度の水深の瀬を平瀬、腰ほどの水深で波立つような強い流れの瀬を急瀬、とても人が立っていられないような轟々とした流れの瀬を荒瀬などと区別されます。また、瀬の始まりを瀬肩、終わりを瀬尻とも呼びます。
河川の用語を覚えてスマートな情報交換
昨今の釣りでは情報が釣果を左右する大きな要素となっています。
「左岸側が良かった」、「あそこの淵で大物を見た」といった会話などから、河川の用語を覚えておくことで釣果に繋がることも多いので、今回の記事を参考にスマートな釣り情報の交換ができると良いですね。