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登山ゲイターの役割や必要性とは?

登山ゲイターとは、靴とトレッキングパンツの間に装着する登山ギアを指します。トレッキングや登山に必須ではないものの、快適で安全な時間を過ごしたいなら、持って行くことをおすすめします。まずは、登山ゲイターの役割や必要性を詳しく見ていきましょう。
登山ゲイターは山登りの快適性を高める
登山ゲイターの主な役割は、以下の通りです。
- 砂や小石の侵入防止
- 雨や雪の侵入防止
- 防寒・防風
- パンツの裾の汚れ・破れ防止
登山ゲイターを着用すると、靴の履き口から小石や砂などの異物が入るのを防げます。
悪天候下で着用すれば、靴内部に雨や雪が入ってきません。靴や靴下がぬれることによる不快感を低減できるのはもちろん、水ぬれによる体温の低下を防ぐことも可能です。
このほか登山ゲイターは、パンツの裾が泥・砂で汚れたり破れたりするのを防ぎたいときにも役立ちます。
登山ゲイターを着用した方がよいシーン
登山ゲイターの着用がおすすめなのは、以下のようなシーンです。
- 雨天での登山
- 雪山登山
- 泥道や湿地帯
- 砂利道
- 岩場・やぶ
雨天・雪山での登山では、水ぬれを防ぐために登山ゲイターが必須です。晴れていても、泥道や湿地帯を歩くときは、泥でパンツが汚れてしまうかもしれません。登山ゲイターで裾をカバーすることで、汚れの付着を防げます。
また、砂利道や岩場・やぶの中は、小石が靴に入ったり、岩や木の枝に引っ掛かってパンツが破れたりする恐れがあります。登山ゲイターを着用しておくと、こうした不快感を覚えずに歩きやすくなるでしょう。
なお、移動に公共交通機関を使う場合や、知人の車に乗せてもらう場合、パンツの裾が泥・砂まみれになっているのは好ましくありません。帰路で乗り物の中を汚す恐れがあるときも、登山ゲイターの着用がおすすめです。
登山ゲイターの選び方

登山ゲイターには、登山スタイルやシチュエーションに合わせてさまざまな製品があります。もちろん、製品によって強みや特徴は異なります。素材・長さ・着脱のしやすさのポイントに注目して、登山ゲイターを探しましょう。
使用するシーンに適した素材を選ぶ
登山ゲイターを選ぶときは、まず使用するシーンと素材の特性がマッチしているかをチェックしましょう。以下は、シーンごとに求められる機能の一例です。
- 雪山登山:耐久性・防水性
- 雨天時:防水性・透湿性
- 夏山登山:伸縮性・通気性
- トレイルラン:伸縮性 など
雪や雨の湿った環境では、湿気を逃しつつ、外部からの水の侵入を防ぐ素材が安心です。ゴアテックスやコーデュラナイロン素材を、チェックしてみましょう。
夏山登山やトレイルランでは、通気性・伸縮性が高い素材を選ぶと快適です。軽量で蒸れにくいソフトシェル素材なら、登山時・トレイルラン時の快適度が向上します。
使用するシーンに適した長さを選ぶ
登山ゲイターには、約15~20cmのショート丈と、約35~45cmのロング丈があります。使用するシーンを想定し、適切な長さを選ぶことが大切です。
ショート丈は足首くらいまでの長さで、軽量性と動きやすさを兼ね備えています。足元を覆う面積が少ないため、涼しさを確保しやすいのもメリットです。トレッキングや夏山登山などで、足元の快適性を高めたいときに役立ちます。
ロング丈は膝下くらいまでの長さがあり、足をしっかりと保護できるのが特徴です。高いカバー力が求められる、雪山登山や雨天時の登山での着用をおすすめします。
着脱のしやすさで選ぶ
登山中は状況に合わせて、登山ゲイターを着けたり外したりすることがあるかもしれません。気軽に着脱できるよう、着脱方法や開閉位置も確認しておきましょう。
登山ゲイターの着脱方法は、『面ファスナー式』『ジッパー式』に大別できます。ストレスのない着脱を目指すなら、片手で簡単に開閉できる面ファスナー式がおすすめです。
また、登山ゲイターの多くは、前面または側面に開閉部が設置されています。着脱の手間を省くなら、開閉部が前面に配置されているものを選ぶとよいでしょう。
冬登山におすすめのロング登山ゲイター

冬登山では、足を広範囲に保護できるロング丈がおすすめです。ロング丈の登山ゲイターから、人気の高い商品を紹介します。
L.L.Bean「メンズ エル・エル・ビーン・トレイル・モデル 4 シーズン・ゲイター」
50デニールの再生ナイロンを使用した、季節を問わず使える登山ゲイターです。通気性・防水性・防風性が備わっており、ハイキングからスキー・スノーシューまで幅広いシーンで活用できます。
サイズはS〜XLまで4種類あり、高さは約38~44cmです。トップ部分にはバックル式のナイロン・ウェビングが付属しており、足の太さに合わせてフィット感を調整できます。
加えて、ボトム部分には靴ひもにかけるフックと固定用のストラップがあり、使用中の安定性が高いのが魅力です。前面に配置された開閉部は面ファスナー式で、装着の手間もありません。
- 商品名:L.L.Bean「メンズ エル・エル・ビーン・トレイル・モデル 4 シーズン・ゲイター」
- 公式サイト:商品はこちら
THE NORTH FACE「アルパインロングゲイター(ユニセックス)」
ゴアテックス3層素材を採用し、防水性・透湿性に優れるロングゲイターです。内側のアイゼンガードには500デニールのコーデュラナイロン素材が使われており、耐久性にも優れています。
ずり落ち防止のためのシリコンプリントもあり、激しい動きにも対応しやすい仕様です。開閉部は面ファスナー式のため、スムーズに着脱できます。
サイズ調整用のアジャスターベルトや、セルフリペアできるストラップなども付属しており、厳しい雪山登山でもしっかりと足元を保護できるでしょう。
- 商品名:THE NORTH FACE「アルパインロングゲイター(ユニセックス)」
- 公式サイト:商品はこちら

finetrack「エバーブレス アルパインゲイター」
高強度な112デニール66ナイロン素材で作られたロングゲイターです。ダメージを受けやすい部分には1,000デニールナイロンが採用されており、岩やアイゼンなどとの接触にも耐える耐久性があります。
外側に留め具や突起物のない、シンプルなデザインも特徴的です。岩や枝、アイゼンなどに引っ掛かりにくいため、転倒や破損のリスクを低減できます。
すねの部分には、ずり落ちを防止する滑り止めゴムが付いていて、ずれによる不快感を覚えにくいのもメリットです。前面には幅広の面ファスナーが設置されており、着脱やフィット感を簡単に調整できます。
- 商品名:finetrack「エバーブレス アルパインゲイター」
- 公式サイト:商品はこちら

春夏登山におすすめのショート登山ゲイター

春や夏の登山では、軽量性や通気性に注目しましょう。暖かい季節におすすめの、ショート丈の登山ゲイターを紹介します。
コロンビア「セイバーショートシューゲイター」
コロンビアのセイバーシリーズに最適化された登山ゲイターです。セイバーシリーズの登山靴を保有している人に、おすすめできます。
表地は、ポリエステル100%の4Wayストレッチツイル生地です。撥水性に優れており、少量の雨・水なら水分が染み込む心配はありません。石・土・汚れにも耐性があり、登山中の足元を快適に維持できます。
開閉部は面ファスナー仕様で、迅速な着脱が可能です。履き口にはドローコードがあり、フィット感も自由に調節できます。
- 商品名:コロンビア「セイバーショートシューゲイター」
- 公式サイト:商品はこちら

MILLET「エレベーション ゲイターズ ドライエッジ」
フロント部分にブランドロゴが配された、スタイリッシュな登山ゲイターです。開閉部はサイドにあり、見た目の印象を損ないません。フィット感の高い生地とジッパーの採用で着脱しやすく、ハイキングやトレッキングで気軽に使用できます。
安定感を高めたいときは、プラスチック製フットサポートケーブルを使用しましょう。登山ゲイターが靴の上に固定され、ずれたりめくれたりしにくくなります。ケーブルは別売りされており、傷んだときは交換できます。
- 商品名:MILLET「エレベーション ゲイターズ ドライエッジ」
- 公式サイト:商品はこちら

ISUKA「ウェザ-テック ショ-トスパッツ」
WEATHERTEC素材で作られた、高さ約22cmの登山ゲイターです。素材由来の防水性・透湿性・防風性・結露防止性を備えており、夏の雪渓歩きやガレ場などで活躍します。
ゴム製コードとストッパーを使用すれば、締め加減を簡単に調節できます。内側には滑り止め素材が縫い付けられており、ずれにくく安定したフィット感です。
カラーバリエーションは、ブラック・ロイヤルブルー・レッドの3色です。
- 商品名:ISUKA「ウェザ-テック ショ-トスパッツ」
- 公式サイト:商品はこちら

トレイルランにおすすめの登山ゲイター

激しい動きが想定されるトレイルランでは、軽量性やフィット感の確認が必須です。トレイルランで使える、おすすめの商品を紹介します。
Salomon「TRAIL GAITERS HIGH」
伸縮性の高いジャージ素材を採用し、くるぶしをしなやかに固定できる登山ゲイターです。足首の周りには耐久性の高いメッシュ素材、足首には軽量パッド、足元には頑丈なストラップが採用されており、トレイルラン中の軽快な足運びをサポートします。
高さも十分あり、くるぶしへの衝撃を軽減しやすい仕様です。靴の上から装着すれば、砂や石などの異物が靴に侵入するのも抑止できます。開閉部には幅広の面ファスナーが採用されており、着脱や固定もスムーズです。
- 商品名:Salomon「TRAIL GAITERS HIGH」
- 公式サイト:商品はこちら

OUTDOOR RESEARCH「フェロッシートレイルゲイター」
夜間や早朝の視認性を高めるリフレクターロゴを採用した、トレイルラン用の登山ゲイターです。素材には、リサイクルナイロンやポリウレタンが使用されており、耐摩耗性・透湿性・速乾性・耐水性・耐風性があります。
ブーツレースフックや、耐久性の高いハイパロン製インステップストラップが付属しており、長さやフィット感の調整が容易です。外付けされたフックアンドループクロージャーを確認すれば、左右に迷うこともありません。UPF 50+で紫外線にも強く、日差しが強い季節のトレイルランにおすすめです。
- 商品名:OUTDOOR RESEARCH「フェロッシートレイルゲイター」
- 公式サイト:商品はこちら

THE NORTH FACE「トレッカーズゲイター」
靴ひもと連結できるブーツフックと、フラットな樹脂製ストラップを搭載した、ロングタイプの登山ゲイターです。やわらかいトレッキングシューズにも固定しやすく、安定感の高い動きを実現できます。
素材には防水・透湿性のある『ハイベント』が採用されており、内側が蒸れにくい仕様です。雨や泥にも強く、悪天候でのトレイルランも快適な足元を維持しやすくなります。
着脱や固定は面ファスナーで行える上、上部のバックルでフィット感の調整が可能です。こすれやすい内側には補強が施されており、快適な装着感・フィット感と高い耐久性を実感できます。
- 商品名:THE NORTH FACE「トレッカーズゲイター」
- 公式サイト:商品はこちら

荒天時におすすめのゴアテックス登山ゲイター

荒天時には、耐久性・防風性・透湿性に優れた、ゴアテックス素材の登山ゲイターがおすすめです。人気の高い登山ゲイターから、ゴアテックス素材の商品を紹介します。
モンベル「GORE-TEX アルパインスパッツ」
世界最高レベルの防水透湿性を持つ、『ゴアテックス ファブリクス3レイヤー』を採用した登山ゲイターです。3層に組み合わされた生地が、外部からの水分の侵入を防ぎつつ、内部の湿気を効果的に排出します。
アイゼンやスノーシューなどのスノーギアが当たっても、破れにくいよう補強されているのも特徴の一つです。引き裂きや摩擦への耐久性が高く、冬季や悪天候時の登山でもタフに使用できます。
前面に設置された開閉部は、ダブルスライダー式のジッパーです。密閉性が高く、上下どちらからでも開閉できます。
- 商品名:モンベル「GORE-TEX アルパインスパッツ」
- 公式サイト:商品はこちら

ミズノ「GORE-TEXアウトドアゲイター(ゴアテックス)」
ゴアテックス素材由来の、高い防風性・透湿性・耐水性を持つ登山ゲイターです。膝下までの長さがあり、3シーズンの登山に対応できます。
裾部分は強度のある素材が採用されている上、やや幅広の設計です。靴をしっかりとカバーできるため、登山中に砂・泥・石が靴の中に侵入するのを抑制できます。上部のアジャスターを使用すれば、足へのフィット感を高めるのも容易です。
開閉部は止水ファスナーのため、高い密閉性・防水性があります。ファスナーは上から下に閉じる設計が採用されており、立ったままでも登山ゲイターの着脱が容易です。
- 商品名:ミズノ「GORE-TEXアウトドアゲイター(ゴアテックス)」
- 公式サイト:商品はこちら

まとめ

登山ゲイターは、足元の安全性・快適性を高めたいときに役立つアイテムです。特に冬や悪天候時の登山では、登山ゲイターを装着することで靴の内部をドライに保ち、水ぬれによる体温の低下を抑制できます。
やぶや岩場のような歩きにくい道が続くときには、靴への異物混入やパンツの汚れを防ぐ役割もあります。
登山ゲイターを選ぶときは、『いつ』『どのようなシーンで使うか』を明確にしましょう。山にはどのようなリスクが存在するかをイメージすることで、最適な素材・長さ・機能を持つ製品が見つかりやすくなります。