アメリカ・カリフォルニア最も奇妙な風景が広がる「アラバマ・ヒルズ」を歩いてみた | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2024.12.21

アメリカ・カリフォルニア最も奇妙な風景が広がる「アラバマ・ヒルズ」を歩いてみた

アメリカ・カリフォルニア最も奇妙な風景が広がる「アラバマ・ヒルズ」を歩いてみた
カリフォルニア州の面積は日本とほぼ同じくらいです。同じ北半球の似たような緯度に位置して、南北に細長いことでも共通しています。日本がそうであるように、カリフォルニア州の自然も多様性に富んでいます。人口密度が低い分(日本の約3分の1程度)、広々とした空間は多くあるように感じるでしょう。

そのカリフォルニア州内は「優美」「雄大」あるいは「崇高」な自然風景には事欠きませんが、「奇妙」という形容詞を用いたくなる場所は、今回紹介する『アラバマ・ヒルズ』以外にあまり思いつきません。

「きれいー」の代表格がヨセミテで、「すごーい」の代表格がデス・バレーだとすると、「けったいやなー」と思わず呟いてしまう場所はここだけかも。地名からして変ですが、別にアラバマ州の風景に似ているわけではなく、南北戦争時代の南軍に属していた軍艦名から名付けられたそうです。

インスタ映えのする風景を求めてトレッキング敢行

アラバマ・ヒルズ内のメイン道路は『Movie Road』と呼ばれる。

アラバマ・ヒルズはアメリカ合衆国本土最高峰ホイットニー山の麓にあります。登山客のベースとなる町「ローン・パイン」から登山口へ向かう道を少し行くと、右側に看板が見えてきます。

正式名称「Alabama Hills National Scenic Area」は国土管理局から風景地区と指定されていますが、入場は自由かつ無料です。そもそもゲートもフェンスもありません。

地域内に入ると、あたり一面にサイズも形状もさまざまな奇岩が連なっています。遠くにシエラネバダ山脈が見えます。

道路は未舗装のダートになり、所々に駐車スペースがあります。そこからいくつかのトレイルを歩くことができます。植物らしきものはほとんど見ることはありません。圧倒的に岩と砂だけが作る風景です。

中央は馬を引いてトレイルを歩く人。

案内板には馬も自転車もトレイルを通行できるとあります。 とは言え、ここまで馬を車に乗せて連れてくることができる人は少ないでしょうし、自転車もかなりお尻が痛くなりそうです。それぞれひとりずつ見ましたが、ほとんどの人は歩いているようです。私もそうしました。

いくつかの岩には名前が付けられています。もっとも有名なのは”Mobius Arch”(メビウスの輪)と呼ばれる岩でしょう。よくSNSに写真が登場します。道路や駐車スペースからは見えず、約2㎞で往復するトレイルを歩かないと到着できません。足元には少し注意が必要ですが、とくに険しい道のりではありません。

名物”Mobius Arch”(メビウスの輪)の前で自撮りはお約束。

西部劇映画の世界に入り込む

アラバマ・ヒルズでは1920年代からこれまでに400本以上の映画撮影が行われたそうです。インスタ映えするというだけではなく、ハリウッド関係者たちも銀幕に似合うと考える風景なのです。

そのほとんどは古い西部劇ですが、比較的新しいところでは『スタートレック・ジェネレーションズ』、『グラディエーター』、そして2012年公開のクエンティン・タランティーノ監督『ジャンゴ 繋がれざる者』(原題:”Django Unchained”)もアラバマ・ヒルズで撮影が行われた作品のひとつです。冒頭でジミー・フォックス演じる「ジャンゴ」を含む黒人奴隷たちが鎖で繋がれて歩くシーンの背景は下のトレイルにそっくりでした。

“Heart Arch”と呼ばれる岩へ向かうトレイル。

近くの町ローン・パインには”Museum of Western Film History”(西部劇映画歴史博物館)があります。映画ファンなら立ち寄ってみると楽しいでしょう。毎年10月には映画祭も行われるそうです。

アラバマ・ヒルズでは指定されたスペースでならキャンプもできます。ポータブルのトイレ以外には何の設備もありませんが、そのせいもあってか空いています。本格的なアウトドア志向の人には、及び腰ながらもお勧めします。なぜなら、軟弱な私はこの荒涼とした大地にたったひとりでテントを張る勇気がなく、ローン・パインのホテルに一泊してしまったからです。

キャンパー向け案内板。

国土管理局アラバマ・ヒルズ観光案内ページ
https://www.blm.gov/visit/alabama-hills 

ローン・パイン西部劇映画歴史博物館公式ウェブサイト
https://museumofwesternfilmhistory.org/

私が書きました!
米国在住ライター(海外書き人クラブ)
角谷剛
日本生まれ米国在住。米国で高校、日本で大学を卒業し、日米両国でIT系会社員生活を25年過ごしたのちに、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。日本のメディア多数で執筆。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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