カリフォルニアの砂漠に花が咲く「スーパーブルーム」は再来するか…2冬連続大雨で高まる期待
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    2024.04.18

    カリフォルニアの砂漠に花が咲く「スーパーブルーム」は再来するか…2冬連続大雨で高まる期待

    カリフォルニアの砂漠に花が咲く「スーパーブルーム」は再来するか…2冬連続大雨で高まる期待
    昨年に続き、今年はカリフォルニア州でも雨が多い冬でした。エルニーニョ現象が原因だと見られています。

    カリフォルニアで冬に雨が多く降ると、春になって砂漠に野生の花が一斉に咲き出すことがあります。通常なら10年に1回程度の頻度でしか起こらない「スーパーブルーム」と呼ばれる現象です。昨年起きたこの現象が今年もまたやってくるかもしれないと地元では期待されています。

    「スーパーブルーム」は再来するか

    スーパーブルームのピークは3月後半から5月前半くらいになることが多いのですが、高地などでは6月や7月になっても続くこともあります。なにしろ例年とは際立って異なる天候が作り出す現象ですので、日本各地の桜前線予報みたいに時期や期間を予測することは困難です。

    関連記事:十数年に一度しか起きない!? 南カリフォルニアの「スーパーブルーム」現象とは

    今年もカリフォルニア州内の砂漠地帯で野生の花を見られる「かもしれない」見どころを4つ紹介します。大手経済誌『Forbes』のオンライン記事で選出された場所でもあり、私が実際に訪れたことがあり、おすすめしたいと思う場所でもあります。

    カリフォルニアの砂漠を巡る旅におすすめの場所4選

    デス・バレー国立公園

    デス・バレー国立公園内バッドウォーター。海抜マイナス86mにできたマンリー湖。

    デス・バレーは1913910日に摂氏56.7度を記録しました。これが今でも世界観測史上最高気温とされています。つまり地上で最も暑い場所のひとつなのですが、冬の観光シーズン中は快適な気候を堪能することができます。

    昨年の後半から今年の前半にかけて、デス・バレーではすでに滅多に見ることができない珍しい光景が現出しました。普段はカラカラに乾いた白い塩原(バッドウォーター付近)に溜まった雨水が引かず、周囲100㎞以上のマンリー湖が姿を現したのです。 

    デス・バレー国立公園を横断する州道190号線。

    3月現在、マンリー湖の水は徐々に消滅しつつあり、カヤックやボートを持ち込んでシエラネバダ山脈をバックに広大な湖水の上を漕ぐ楽しみは間もなくできなくなるでしょう。しかし、デス・バレーほどのユニークで雄大な風景はアメリカ全土を見渡してみても、他に例が思いつきません。

    公園内には標高1500mを越える高地もあり、スーパーブルームは5月から7月くらいまで続くかもしれません。

    デス・バレー国立公園公式ページ:https://www.nps.gov/deva/index.htm 

    モハーベ国立自然保護区

    モハーベ国立自然保護区内ケルソー砂丘。

    モハーベ国立自然保護区はカリフォルニア州、ユタ州、ネバダ州、アリゾナ州にまたがるモハーベ砂漠の大自然を、可能な限り人の手を入れずに保護することを目的として1994年に設立されました。アメリカ国内に21か所を数える保護区のなかでも最大の広さですが、そこには道路とトイレ、そしていくつかのキャンプ場があるくらいです。

    モハーベ国立自然保護区内ケルソー砂丘に続くトレイル付近。

    およそ草花とは無縁の乾燥しきった荒野に見えますし、実際にその通りなのですが、今年はスーパーブルームの気配があります。私が訪れた3月上旬、トレイルがあるケルソー砂丘の近くに小さな花が咲き始めていました。

    ロサンゼルスとラスベガスとのほぼ中間地点に位置し、どちらからも2~3時間ほどのドライブで到着することができます。

    モハーベ国立自然保護区公式ページ:https://www.nps.gov/moja/index.htm 

    ジョシュア・ツリー国立公園

    ジョシュア・ツリー国立公園内の未舗装道路。

    公園名になっているジョシュア・ツリー(ユッカ)と呼ばれる奇妙な形の木が群生していることで知られ、ロサンゼルスやサンディエゴから日帰りできるという便利さもあって、地元民からも観光客からも人気が高い国立公園です。

    1972年にはイーグルスがデビューアルバムのカバー写真をこの地で撮影し、1987年には『U2』がリリースしたアルバムのタイトルになりました。ロックファンなら一度は訪れたい場所ではないでしょうか。

    ちなみに私はここを浜田省吾の『旅路』を大声で歌いながらサイクリングしたという話は以前に別の記事で書きました。

    関連記事:ロサンゼルスから日帰りで楽しめる砂漠!アウトドア好きにオススメの「ジョシュア・ツリー国立公園」

    ジョシュア・ツリー国立公園内ではロック・クライミングも人気。

    公園内には数か所のキャンプ場以外には、宿泊施設もレストランもありませんが、付近にはパーム・スプリングなどの比較的大きな観光地が点在しています。

    ジョシュア・ツリー国立公園公式ページ:https://www.nps.gov/jotr/index.htm 

    アンザ・ボレゴ砂漠州立公園

    アンザ・ボレゴ砂漠州立公園へ続く道からの眺め。

    アンザ・ボレゴ砂漠州立公園はその名の通り、広大な砂漠の中にある場所ですが、実はサンディエゴの都心部から100キロほどしか離れていません。

    600 種を超える在来植物があるということで、その色や形状も多種多様です。昨年は2月上旬から4月中旬くらいまでスーパーブルームが続き、数多くの人が訪れました。私もそのひとりです。

    野生のパームツリー。

    それ以外にも、公園内にはアメリカでも珍しい野生のパームツリーが群生している場所がいくつかあります。こちらもおすすめです。

    4つすべてに行きたい!というアグレッシブな人へ

    カリフォルニア州の砂漠を巡るルートマップ。Google Mapで作成。

    上に挙げた4つの場所はいずれも甲乙つけがたく、どれを選んでもきっと後悔はしないと思います。砂漠というものは日本ではなかなか見ることがない種類の自然ですので。

    私自身はロサンゼルス近郊に長く住んでいますので、これらの場所へはそれぞれ違う時期に訪れています。しかし、せっかく日本から飛行機に乗ってはるばるアメリカまでやってくるのだから、いっそのこと4つすべてに行ってみようと思う人もあるいはいるかもしれません。

    不可能ではありません。簡単で手軽な旅とは言えませんが、大冒険というほどのものでもありません。

    ロサンゼルスを起点にしてカリフォルニア州南部を時計回りに一周すると、上の4か所をすべて網羅できます。

    下はグーグルマップが推定する移動距離と所要時間です。

    • ロサンゼルス国際空港 ~ デス・バレー国立公園(約350km, 4時間)
    • デス・バレー国立公園 ~ モハーベ国立自然保護区(約320km、約3時間30分)
    • モハーベ国立自然保護区 ~ ジョシュア・ツリー国立公園(約230㎞、約2時間30分)
    • ジョシュア・ツリー国立公園 ~ アンザ・ボレゴ砂漠州立公園(約80㎞、約1時間)
    • アンザ・ボレゴ砂漠州立公園 ~ ロサンゼルス国際空港(約250km、約3時間)

    合計で約1,230km。およそ東京から熊本までの距離に相当します。きつい旅だぜ、お前に分かるかい?とは永ちゃんみたいですが、やってみるだけの価値は十分にあるのではないでしょうか。

    私が書きました!
    米国在住ライター(海外書き人クラブ)
    角谷剛
    日本生まれ米国在住。米国で高校、日本で大学を卒業し、日米両国でIT系会社員生活を25年過ごしたのちに、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。日本のメディア多数で執筆。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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