遥かなるタスマニア〜世界遺産を威風堂々トレッキング!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2024.11.29

遥かなるタスマニア〜世界遺産を威風堂々トレッキング!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

遥かなるタスマニア〜世界遺産を威風堂々トレッキング!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
みなさんはハイキングや縦走登山などで何連泊したことがありますか。じつは私、富士山の1泊が最長でした! 

そんな私が初めての長期ハイク、なんと5泊6日にチャレンジしてきました。…まさにチャレンジだったな。笑

どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。

【世界遺産「タスマニア原生地域」を6泊7日で縦走ハイク1】いよいよスタート!

オーストラリア大陸の南東の沖合に位置するタスマニア島。そこに世界遺産(自然遺産と文化遺産の両方を含む複合遺産)に登録されている「タスマニア原生地域」があります。

その中核を占めるのが「クレイドル山 セントクレア湖国立公園」。それを北から南に縦走するのが今回の「オーバーランドトラック」です。

重量約9キログラムのリュックを背負って65キロメートルの旅(荷物をデポしてのピストン登山などを除く)。通常6泊7日かかる長大なルート(実際には初日は翌日早朝の出発に備えて、レッドフェザーインという宿に集合して前泊するだけなのでトレッキングは実質6日ですが)。オーストラリアの自然愛好家たちからは「ワンス・イン・ア・ライフ・タイム・エクスペリアンス」(一生に一度の経験)の一つだと言われています。

さて今回はそのルート上に5つの専用山小屋を持つ「タスマニアン・ウォーキング・カンパニー(Tasmanian Walking Company)」が実施している「クレイドル・マウンテン・シグネチャー・ウォーク(Cradle Mountain Signature Walk)」というツアーに参加しました。同社と提携している「グレート・ウォークス・オブ・オーストラリア(Great Walks of Australia)」という会社がオーストラリア各地のとびきりの場所13ヵ所で、数日間のトレッキングツアーを実施しているのですが、そのうちの一つです。

様々な難易度のツアーを実施しているようですが、今回の「グレート・ウォークス・オブ・オーストラリア」は5段階中のレベル3。ただし荷物をデポしてのピストン登頂や滝見学などに行くと、急登が続くので難易度はレベル4に上がります。緯度が高く冬は雪に覆われるのでツアーが実施されるのは10月~5月の間です。
ちなみに山小屋の関係でツアーの定員は6~12名なのですが、ある程度の人数が集まれば「日本人の通訳も同行可能」とのことです!

トレッキングのスタート地点。参加者にルートを説明するガイドのケイトさん(左)。

今回のメンバーをザッと紹介するとガイドは2人。ケイトとマーロンです。ケイトは女性でガイド歴4年目。でも南半球の晩秋から早春の間(6~9月くらい)はタスマニアでトレッキングガイドの仕事はないから、ノーザンテリトリーの中央部のアリススプリングスなどでガイドをすることも多いそう。でも今年はイタリアやフランスに数ヵ月滞在して、仕事ではなくプライベートで山登りを楽しんだとのこと。根っからのアウトドア派です。

一方のマーロンは2年目で同社では一番若いガイド。

そして参加者は合計8名。夫婦3組と女性1名、それに私です。

じつは便利なローンセストン出発!

ツアーのスタートはタスマニア州第2の都市ローンセストン。州都ホバートに次ぐタスマニア第2の都市ですが人口は9万人弱。「日本から行くとしたらシドニーとかメルボルンとかからタスマニアの州都のホバートに飛んで、また乗継ぎ? 2回乗継ぎって大変そう」と思われるかもしれません。

で~も。じつはジェットスター航空なら成田または関空を夜出発して、私の住むブリスベンに朝到着し、当然その日のうちに乗り継いでローンセストンに行けるんです! 正直これには私自身もビックリしました。

日本とブリスベンはボーイング787での運航ですし、日本とタスマニアの時差は1~2時間(いわゆるサマータイム導入時に2時間になります)しかないので、時差ボケの心配もほぼありません。

そのローンセストンの宿に前泊。早朝車で2時間強のところにあるクレイドルマウンテンバレーがトレッキングの出発地点です。出発時、雲はありましたが天気もよく、木道にはすべり止めのネットまで張りめぐらされていて、意気揚々とスタートです。

冒頭の写真がスタートして1~2分の地点。ど~んと抜けのいい景色にテンションがあがります。

案内板もきれい…なんですけど、奥地に進むに従ってそうじゃなくなるのは「あるある」ですね。笑

さて出発してすぐに、先端にオレンジと白の印がついた棒がところどころに立っていることに気づきました。

目ざとい私です。いや、誰でも気づきますね。

ガイドのケイトに質問したら「スノーコーン」との答え。「いやいや、これはかき氷じゃないだろ~」(英語でかき氷をsnow coneと呼びます。Shaved iceとも言いますが)と不思議に思ったのですが、要は「冬場は腰くらいまで雪が積もることがあるけれども、その際に道迷いしないように立ててある標識」とのこと。道路の工事現場なんかに置かれている三角コーンの雪道版といったところですね。

こんな雪道用の標識があるくらいですから通年通行可能とのこと。ちなみに利用者がほとんどいない冬場は双方向通行だそうですが、幅30センチもない木道が延々と続く箇所などもあるため夏場は北から南への一方通行だそうです。

絶景ポイントでテンション爆上がりも……まさかの雪!

さてそうこうしているうちに、6日間の「クレイドル・マウンテン・シグネチャー・ウォーク」でいちばんの急登である鎖場にいきなりやってきました。それを超えると「マリオンズルックアウト」という360度の絶景ポイント。

進行方向左手の山並み。

こちらは来た道を振り返ったところ。画面右側に道が見えますね。

そんなテンション爆上がりのまま進んだのですが…。

なんと木道のまわりに雪が積もっていました。

行ったのは10月終わりで、北半球の日本でいうと4月の終わりにあたります。標高は1000メートルくらいで、南緯41.4度くらい。日本でいうと青森県の下北半島くらいでしょうか。雪が残っていても仕方がないかなと思います。なんて余裕をかましていたら…。

木道の階段が雪で覆われた場所も。

さらにはエスケープしようがない場所も出てきて、そのままズボズボと歩いていきます。

だけどこんなに見渡しのいい広大な高原を歩いた経験は私にはありません。しかもこのツアー、「固まって一列縦隊に歩く」のではなく、「次の休憩地点まで各自のペースで」というスタンス。

前後にほぼ誰もいなくなったりして、大自然を独り占めした気分になれます。

さてトレックの左にずっと見えるのが、この国立公園の名称にもなっているクレイドル山。登頂もできるようですが今回のツアーの目的はピークハントではなく「65キロメートル歩きとおすこと」。

というわけで横目に見ながら歩きつづけます。

正面に見える山はバーンブラフ。

なんだかお菓子のような形だと思ったのは、そろそろおやつどきだったからかもしれません。

本当にパーッと開けた景色。

なんだか知らないけれども縄文時代の多摩丘陵を歩いてるような気分になりました。

そうこうしているうちに5時ごろ私たちが泊まる山小屋に到着。ちょっと遅いと感じられるかもしれませんが、緯度が高いこともあり夜8時くらいまでは普通に明るいです。

山小屋。小さそうに見えますが30畳くらいはあるリビング&ダイニングスペースもあってなかなか広いです。

部屋はすべてツインの個室。この配置以外に2段ベッドの部屋もあります。ちなみに右側のベッドの下は食料貯蔵庫。

翌朝起きるとまさかの吹雪! 

そうなんです。まさかの吹雪。

写真だとわかりづらいのですが、それなりの大きさの雪が落ちてくるときも。

そんな中、8時45分に出発です。日帰りや1泊程度の登山なら引き返すとか、そもそも最初から断念するというオプションもありますが、6泊7日のルートなのでとりあえず前に進むしかありません。

こんな景色の中を進んでいきます。

まあ、季節的にそこまでひどくならないだろうという読みもあるのだと思います。ちなみに避難小屋もところどころにあります。

でも歩き始めて15分、高度が下がると雪は止み、トラックのまわりにも雪もなくなりました。ただ相変わらず天気は悪いです。

ところがしばらくするとこんな青空が。

「山間部」ではないですが高地の天気は変わりやすいのでしょうね。

だけどそのあと雨。そして午後2時過ぎになると青空が広がりました。そして3時ごろ山小屋に到着。初日を除き、荷物をデポしてのピストンなどをしない場合の歩行時間は6時間以内に抑えられているので、スケジュール的には余裕があります。

実質6日のトレッキングの3分の1が終わりました。でもまだまだ続きます。

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

グレート・ウォークス・オブ・オーストラリア(Great Walks of Australia)
オーストラリア各地のとびきりの場所13ヵ所で、数日間のトレッキングツアーを実施。
https://greatwalksofaustralia.com.au/

タスマニアン・ウォーキング・カンパニー(Tasmanian Walking Company)
今回の「クレイドル・マウンテン・シグネチャー・ウォーク」を催行。
https://www.taswalkingco.com.au/

ジェットスター
日本からブリスベンでの乗り継ぎ1回でローンセストンへ。しかも燃油サーチャージは不要!
https://www.jetstar.com/jp/ja/Fly-Australia

私が書きました!
オーストラリア在住ライター
(海外書き人クラブ)
柳沢有紀夫
1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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