キャンプの夜をまったり味わいたい人は…キャンドルランタンを使ってみませんか?
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    2024.11.03

    キャンプの夜をまったり味わいたい人は…キャンドルランタンを使ってみませんか?

    キャンプの夜をまったり味わいたい人は…キャンドルランタンを使ってみませんか?
    キャンプのランタンといえば、安全性や使い勝手、抜群の明るさなどからLED系が主流となりつつあります。でも、せっかく自然の中に身を置いているのに、電気の明かりだけで過ごすのはちょっともったいなくないですか?

    夜をゆっくり楽しめるこの季節のキャンプにオススメなのは、キャンドルランタンです!使い方にちょっと癖があって、明るさも弱い…。

    ずっと昔はメインランタンでしたが、今となっては超レトロな領域。70'sから姿形も機能もそのまま。だけど今、あえてレトロなキャンドルランタンを使うのが楽しいんですよ!その理由を紹介します。

    キャンドルランタンって何?

    キャンドルランタンは、その名の通り光源にキャンドルを使ったランタンです。

    形やサイズはいろいろありますが、小さな炎を手軽に持ち歩けるようにしたランタンで、弱点である風から炎を守り、そして空気と熱の循環をうまく使ってランタン内が酸欠になって火が消えない構造になっているのが特徴です。

    キャンドルの炎と、周りのガラス(ホヤ)の反射光だけなので、決して今のランタンと比べたら明るいとはいえません。

    「暗いのになんでわざわざそんなの使うの?」と言われてしまいそうですが、キャンドルランタンにしかない愛おしさと魅力がたくさんあります。語り尽くせぬその魅力を大きく4つに絞って紹介します!

    1:ほどよい明るさと揺らぎ

    周囲全てを明るく照らすLEDランタンなどとは違い、キャンドルランタンが照らせる範囲は有効範囲で考えると周囲1mがギリギリといったところです。また、光源の近くもクッキリ照らされるというよりも、ぼんやり明るいといったイメージです。

    本を読むならヘッドライトが必要ですし、食べ物の色をしっかり認識するには不向きです。ですが、照射範囲がキャンドルの揺らぎに合わせて揺れ、炎特有の色がぼんやりと照らされることで生まれる光と影とのやわらかなコントラストには、ほかのどのランタンにもない風情があります。

    また、照射範囲が狭いぶん、自分をつつむ光のテリトリーとその外の自然界の夜との境目があいまいで心地良く、いつもよりも本当の夜を味わうことができます。

    燃焼音もしないので、川のせせらぎや虫の鳴き声もクリアに聞こえます。自然の音にひたりながら、静かな夜の時間を楽しむことができるランタンなのです。

    2:光源と燃料が一緒になったキャンドル

    ガソリンやケロシンランタンは、燃料が液体で光源はマントルや芯部分になります。また、LEDランタンは電気を使ってLEDを光らせます。それに対してキャンドルランタンは光源も燃料もキャンドルなので、とてもシンプルです。

    代表的なキャンドルのサイズは2つ。テーブルキャンドルなどにも使われている「タブキャンドル」とも呼ばれている小さなタイプと、ランタン専用にデザインされた太くて長めのタイプになります。前者のタイプは入手がしやすいのに対して、後者は長持ちする特徴があります。

    キャンドルの芯部分に着火したら、あとは蝋の部分が蒸発して無くなったら終了というシンプルなもので、この構造がなんともいえないはかなさと安心感を与えてくれます。何よりも、この時代にあえてキャンドルを使うっていうのが風情があって素敵だと思いませんか?

    3:見た目も使い方もクラシカルで使っていて楽しい

    構造がシンプルで機能美そのものというのもキャンドルランタンの素敵なところです。

    基本はキャンドルに火を灯すだけという構造。あとは風で炎が消えないためのホヤ(ガラス)や、キャンドルが常に安定した状態になる台があるだけ。

    それだけに使い方も直感的、かつどこを気をつければいいのかすぐに分かります。

    使い方はおおまかに次の2種類があります。

    ①タブキャンドル形式

    上部とホヤを外してキャンドルに火を灯します。火が着いたらホヤと上部を戻せばスタンバイ状態です。タブキャンドルタイプは燃焼時間が短い代わりに、あとどのくらいでキャンドルが無くなるのかがひと目で分かるのが特徴です。

    ②専用キャンドル形式

    専用キャンドルの構造は、キャンドルが長いためキャンドルをケースに入れます。ケース底にはバネが入っていて、火を灯したキャンドルが短くなっても上に押し上げてくれるので炎が下の方に下がっていってしまうのを防いでくれます。

    LEDランタンのようにスイッチを押すだけといったタイプと違い、どちらも明かりを灯すためには数ステップ必要になりますが、この所作自体が明かりを得るための儀式のようで使っていて楽しいのです。

    4:キャンドルランタン特有のデメリット

    キャンドルランタンには、特有の注意点があります。それを面倒だと考えると、デメリットといえるかもしれません。

    とはいえ、このデメリットさえ「面倒くさい=愛おしい」となれれば、素敵なキャンプナイトがあなたを待っているはずです!

    ①使用中のランタン傾け厳禁

    キャンドルランタン使用中にランタンを傾けてしまうと、溶けた蝋が横に流れ出てしまったり、ホヤにくっついてしまいます。こうなるとメンテナンスが面倒なので、注意が必要です。

    使用中にランタンを傾けない、使用後も蝋が固まってから動かすようにしましょう。

    ②ホヤの破損に注意

    キャンドルランタンはガラスのホヤがついています。ですので強い衝撃が加えられると破損して使用できなくなってしまいます。使用中はもちろんのこと、収納、輸送中はホヤを保護するケースに収納する必要があります。

    専用キャンドルを使用するタイプは金属製の本体にホヤを収納する機構があるのでソフトケースで大丈夫ですが、タブキャンドルタイプは本体自体がコンパクトな分ホヤにそのまま衝撃が加わるためハードケースに収納する必要があります。タブキャンドルタイプのランタンは通常購入時についているケースがハードタイプであることが多いので、専用ケースに入れて保護するようにしましょう。

    扱う際に注意が必要で少々デリケートなキャンドルランタン。でも、だからこそ、「道具を使っている感」が高まるんです。

    いかがだったでしょうか?時代を逆行しているといっても過言ではないくらいレトロなキャンドルランタン。楽しく、正しく使ってキャンプの夜を楽しんでみてください!

    長谷部雅一さん

    アウトドアプロデューサー/ネイチャーインタープリター

    1977年4月5日生まれ。株式会社ビーコン代表取締役。家族がいるのにもかかわらず、ソロキャンプ、ソロ登山、ソロ旅などなど、お一人様遊びをこよなく愛する風来坊。仕事の範囲は広く、アウトドアに関するプロジェクトの企画・コーディネート・運営の他、研修講師、ネイチャーインタープリター、場作りの仕掛け人も務める。著書『ネイチャーエデュケーション』(ミクニ出版)、『ブッシュクラフト読本 自然を愉しむ基本スキルとノウハウ』(メイツ出版)など多数。その他雑誌連載、テレビやラジオなど、アウトドア、幼児教育を主として多数のメディアにて活躍中。

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