コーヒー好きがこだわるポイントといえば、「豆」「ハンドミル」「ハンドドリップ」の3点セット。実際豆にこだわれば、キャンプの時間以外も豆探しや自家焙煎などが楽しい時間になりますし、ミルとドリップの一連の所作と、豆を挽いたり抽出したりすることに要する時間自体が幸せです。
でも、忘れていませんか?キャンプのコーヒータイムにはもうひとつ楽しい道具があります。そう、「パーコレーター」です。今回は、ハンドドリップに押されて忘れられつつあるコーヒー道具「パーコレーター」の魅力をお伝えします!
1:パーコレーターって何?
既にご存じの方もいるかと思いますが、せっかくなのでパーコレーターってどんな道具なのかを紹介させてください。
①アメリカの家庭に普及しているコーヒー道具
パーコレーターは、フィルターやケトルなどは不要で、豆と水、火力さえあれば簡単にコーヒーを淹れられる道具です。
フランス生まれでアメリカ育ちといわれていて、カウボーイ映画でおなじみの西部開拓時代から、焚き火の上に置いておけば簡単にコーヒーが作れていつでもコーヒーを飲める手軽な道具として愛用されてきました。
②セミオートマチックなのでズボラさんにも使いやすい
パーコレーターは、「ヤカン(本体)」、「バスケット」、「蓋(バスケットの蓋)」、「ストレーナー」という4つのパーツでできています。
本体の大きな特徴は、上部の持ち手が透明になっていることです。バスケットにコーヒー豆を入れ蓋をして、水が沸騰すればお湯がストロー状のストレーナーを通って上に行き、豆にお湯がまわるという仕組みです。
つまり、沸騰後、弱火にかけておけば勝手にコーヒーが入ってくれる「セミオートマチックな道具」なんですね。なので、ズボラさんにも簡単に扱うことができるんです。
2:パーコレーターの使い方
ズボラさんにも簡単に使える構造なだけに、非常にシンプルです。ザックリいうと次の4工程になります。
①バスケットに豆を入れる
バスケット、ストレーナーを合体させた後、バスケット部分にコーヒー豆を入れます。豆の量は、飲みたいコーヒーの量で調整をします。
②ヤカンにお水を入れる
飲みたい量に合わせてヤカンに水を入れます。この時唯一の注意点は、注ぎ口の内側にある穴よりも必ず下のラインまでにすることです。もしもお水を多く入れすぎると、沸騰時に吹き出してしまうことも…。
③火にかける
バスケットなどをヤカンにセットし、蓋をしたら、火にかけます。沸騰してくると、ヤカンの持ち手の透明部分にお湯が当たってきます。そうなったら、あとは「音」で調整します。
この音が重要で、火力が強いと「ボコボコボコボコ…」と早い連続音がします。ちょうどいいのは、弱火で「ポコッ。ポコッ。」というゆっくり軽快なリズムです。このへんは何度かつくりながら感覚をつかんでいくと楽しいです。
④お好みの色(=味)になったら完成
パーコレーター本体上部の持ち手部分が透明なので、そこからコーヒーの色を確認します。
好みの色になったら味見をして、いい具合の濃さであれば完成です。
3:パーコレーターの魅力は何?
パーコレーターの説明と使い方のお話しをしましたが、いったいどんな魅力があるのか? 最後にパーコレーターの魅力を紹介します。
①焚き火に放り投げておけばコーヒーができる
焚き火の熾火やバーナーの弱火にかけておけば、簡単にコーヒーが入ります。
ペーパーフィルターを用いたハンドドリップのように細かく時間や火力調節をすることで極上の一杯を淹れる、なんてことは苦手ですが、それより、テキトーやっても毎回勝手に美味しくできてくれるというのは、なんとも素敵だと思いませんか?
③一度にたっぷりつくれる
できたてのコーヒーをストックができるので、一度つくればいつでもコーヒーを飲むことができます。
数名でのキャンプのときや、ソロキャンプで自分用にまとめて作り保温ポットに入れておくなど、いろいろと便利です。
③目と耳と鼻が楽しい
使い方の項目でも記載しましたが、パーコレーターは目でコーヒーの色を見て、耳で沸騰したお湯の循環スピードを聴いて、最後に周囲に漂う香りを感じながら淹れます。
目、耳、鼻すべてで楽しみながら淹れられるのが魅力なのです。
④ヤカンとしても使える
本体自体はヤカンそのもの。中をしっかりと洗えばそのままヤカンとしても活用することができます。たまに洗い方がイマイチでほんのりコーヒーの味がするのはご愛敬です。
いかがだったでしょうか?一滴一滴を楽しむペーパードリップも楽しみつつ、ぜひパーコレーターで淹れるコーヒーも楽しんでみてください!