マデイラ島ハイキング!「天国への階段」と「今だけの絶景」へ | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2026.07.29

マデイラ島ハイキング!「天国への階段」と「今だけの絶景」へ

マデイラ島ハイキング!「天国への階段」と「今だけの絶景」へ
アフリカの西に浮かぶ「大西洋の真珠」ことポルトガル領マデイラ島。ここには世界のハイキング/トレッキング好きを魅了してやまない名物コースがいくつかあります。

今回はその中から「PR1」と「PR3」と呼ばれる2つのコースを紹介します。

どうも、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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↓前回の記事はこちら

「大西洋の真珠」マデイラで人生初のキャニオニングに挑戦してみた! | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

【柳沢有紀夫の世界は愉快!ポルトガル・マデイラ島旅編3】

最初に紹介するのは「ピコドアリエイロ山」(標高1818メートル)から「ピコルイヴォ山」(標高1862メートル)へのPR1と呼ばれるルート。マデイラ島の国立公園や自然保護区にあるトレッキングコースには「PRのあとに数字」がつく名称がつけられているのですが、その栄えある第一番です。

「ピコ」はおそらく英語のpeakと同じ語源で「山頂」という意味です。

今日のガイドの名前はルーベンさん。みんなからベンと呼ばれているそう。

中心地であるフンシャルから車でどんどん標高を上げていき、30分でハイキングスタート地点に到着。

その駐車場。向こうに雲海が広がりすでに絶景!

ここにはちょっとしたレストランや土産物店、インフォメーションセンターやトイレ(1回1ユーロ=約185円)があります。

駐車場の裏手に広場と高台があります。
そしてこの高台が「ピコドアリエイロ山」の山頂みたいです。登頂成功!笑

でも意外とここに来る人は少なくて、みんな「PR1」のハイキングコースを一目散に目指していました。

丸い建物はレーダーステーションで空軍のもの。

そしてその手前に「Pico do Arieiro 海抜1810メートル」の石碑が見えます。でも正しい綴りは「Pico do Areeiro」で標高は「1818メートル」みたいです。笑

いざ雲海のPR1へ

さていよいよ「PR1」に向かいます。

地図の右下がスタート地点です。

ただしここで重要なお知らせが!

マデイラ島では「PRの何番」という名称がついたトレッキングコースはウェブ上での事前予約と入山料の支払いをしなければなりません。

特にこのピコドアリエイロからピコルイヴォまでのPR1はマデイラ島の三大人気コースの一つで、訪れたのは5月下旬なのですがガイドのベンによると「6月まですでに予約がいっぱい」とのこと。ちなみにこのPR1は10ユーロ(約1850円)で、他のコースはだいたい4.5ユーロ(約830円)なのだとか。

ハイカーの数を制限して山の美しさを堪能してもらうためであり、徴収した費用は登山道などのメンテナンスのために使われたりするそう。「オーバーツーリズム対策」の一つですね。

でもこの「予約と入山料が必要」ということを知らなくてトレッキングコースの入口で係員に止められている人が何人もいました。規定人数に達していなければその場でウェブ予約と入山料の支払いはできるのでしょうが、先ほどお伝えしたようにここは1ヵ月後まで予約いっぱいの大人気コース。泣く泣く諦めている人たちも。

もちろんベンのようなガイドといっしょのツアーの場合は彼らが手配してくれるはずです。

右側の安全ベストを着ている人が予約確認をする係員です。

とにかくスタートしましょう!

スタート地点から見える峰々。
そして雲海。たまらん。

ベンによるとマデイラ島の約70パーセントが国立公園とか自然保護区なのだとか。

そしてこの島は火山の活動により560万年前に作られたそう。地球の歴史から見たら若い島なので雨風による浸食があまりなく、こうした急峻な地形が保たれているのです。

入り江に入り込んでくるような雲海もたまらん

絶景についつい見とれてしまいますが、足元を見ればきれいな花もあれこれ咲いています。

ここだけで咲く蘭だそうです。
こちらはバターカップ。

黄色くてかてかに光った花びらがまるでバターを塗ったかのようだからこの名前がついたのだとか。

なんて話をしていたのですが、ベンが急に顔をしかめます。

視線の先にはトレッキングコース外れてくつろいでいる人がいました。

「自分だけの場所」でこの風景を満喫楽したい気持ちはわからないでもないですが、やはり山はルールは守ってみんなで楽しむためのもの。ちなみにレンジャーに見つけられると50ユーロ(約9300円)の罰金が科せられるそうです。

そして「天国への階段」へ

気を取り直して先に進みます。

向こう側も手前も断崖絶壁!
かなりアップダウンがあります。
画面中央が見晴らし台。折り返して左側に進みます。

そしていよいよ、この「ピコドアリエイロ山」のハイキングを有名にした「天国への階段」へ。ところが…。

細尾根なのですが下りなので「天国への階段」感はあまりありません。笑 で~も。
下り終えて振り返って撮影するとかなり「天国への階段」感が出てきます。

欲を言えば、太陽が真正面に来て、細尾根の右側も雲海であってほしかったです。…はい、欲張りすぎです。

トレッキングスタートから約30分、ちょっと広いスペースがあるところに到着。

休憩している人がそれなりにいました。

ここで残念なお知らせを。私たちはここで折り返さなければなりません。

本当はマデイラ島最高峰であるピコルイヴォ(標高1862メートル)まで行く「PR1」コースを全踏破したかったのです。でも現在この先のトレッキングルートを修繕中で、通れるのは金土日の週3日。そしてこの日は残念ながら月曜日。片道1.2キロメートルの地点で引き返します。

写真の細い道がピコルイヴォへのトレッキングルート。

写真では見えにくいのですが中央上部の影の部分にトンネルがあって、山の反対側に行くのだとか。

とにかく戻ります。

行きには気づかなかった絶景が!

このPR1コース。ベンによると「1年中トレッキングが楽しめるけど春と夏が晴れが多くてやっぱりベストシーズン」とのこと。雲海が見られる確率は半々ぐらいだそう。

さらにベンが「行きと帰りで違う方向で景色を眺められるから周回じゃない往復ルートもいいよね」とポツンとひとこと。「そうかなあ。周遊コースとかのほうがおもしろいけど」とそのときは半信半疑だったのですが…。

相変わらず雲海もたっぷり。
確かに振り返って景色を見ることってあまりないですからね。ベンの言う通りでした!

ここでベンがおもしろい花を見せてくれました。

黄色いけれども名前は「バイオレットオフマデイラ」、つまり「マデイラの紫」。

当然紫の花もありますが、山の上でだけ黄色いのが咲くのだそうです。

写真左上のドームが出発地点です。

今しか会えない絶景!「PR3」も歩いてみた

さて出発から1時間ほどで最初の駐車場に戻ってきました。「ピコルイヴォ山」への「PR1」を踏破できなかった分、時間は余っています。

ということで「ピコドアリエイロ山」の駐車場から始まる「PR3」というコースも歩いてみたので、そこもサクッと紹介しましょう。

こちらがマップ。長さ7.2キロメートルで高低差275メートルです。
一部を除いてほぼほぼ下りの、こちらも見晴らしのいい道です。
18世紀に建てられたイーグルビルディングという名前の建物でランチ休憩。

かつて冬場に雪を集めて中で氷を作ったのだとか。その氷は医療などに使われたそうです。雲海を眺めながらのランチも最高です。

ちなみにベンが腰かけた隣に座っている女性はたまたまそこにいたハイカー。

…なあ、ベン。そこに座るか?笑

本当に見晴らしのいいルートです。

このPR3のほぼ中間地点で道路を横断。

そこに「GR1」と書かれた標識がありました。

ん? 今までのルートは「PR」だったような? 

ベンによるとこれは2026年中に開通予定の島を横断する長距離ルートとのこと。総延長は63.5キロメートル。オープンしたら絶対に来たいです!

その後も見晴らしのいいルートが続きます。

ただここで疑問が。急峻な崖に挟まれ尾根筋のPR1は風の強さもあり木々が生えないのはわかります。ただここはそこから標高も下がった「大地」。それなのに腰の高さくらいの灌木しか生えていません。

その理由はベンによると「山火事で森林が焼けてしまったから」とのこと。

こちらは焼け残った林です。

このあたり全域がいつかはこんな姿にもどるとのこと。早く元の姿になってほしいものですが…逆に言えばこの見晴らし最高のトレッキングが楽しめるは今だけということになります。それもまた愛おしい。

マデイラブルーベリーの花。実は一般的なブルーベリーよりも小さく酸味が強いのだとか。
こちらはプライドオブマデイラ。

しかしマデイラ島はきれいな花が多いです。

山を覆うような黄色い花の名前はブルームです。

出発から2時間半で駐車場に到着。送迎車にピックアップしてもらいました。

さてこのマデイラ島の公共交通機関といえばバスのみ。で、最初に紹介したピコドアリエイロ山の駐車場までの便もあるにはあるのですが一日2往復だけ。

さらにはこの記事の前半で紹介したPR1を全踏破した場合や、後半のPR3を「片道」だけ歩く場合、トレッキングを終えた場所の近くにバス停がなかったり便数が少なかったりすることもあるので、観光局の人も「ガイド付きのツアーへの参加がオススメ」とのことでした。

最初のほうに書いたトレッキングコースへのウェブ上での事前予約と入山料の支払いの心配もないですし、何より様々な説明が聞けますし。

細尾根からの絶景が楽しめるPR1。山火事という災害で生まれた今しか味わえない見晴らしのPR3。ヨーロッパのハイキング好きがマデイラ島に集うのもわかりますね。

次回はもう1つ、この島を有名にした絶景ルートを紹介します。

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

マデイラ観光局(英語サイト)
https://visitmadeira.com/en

ポルトガル政府観光局(日本語サイト)
https://www.visitportugal.com/ja

著者画像

柳沢有紀夫さん

オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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