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2025.11.03

ロサンゼルス屈指の高級住宅地パロス・ベルデスで太平洋の眺望と楽しむ「絶景サイクリング」

ロサンゼルス屈指の高級住宅地パロス・ベルデスで太平洋の眺望と楽しむ「絶景サイクリング」
ロサンゼルス近郊で海を眺めながらサイクリングを楽しみたい。でもあまり時間がないから遠出はしたくない。上級者ではないから、きつくて苦しいコースは勘弁してほしい。

そんな人におススメしたいのがパロス・ベルデス(Palos Verdes)半島の海岸線を巡るコースです。ロサンゼルスのダウンタウンから車で50分ほど、ロサンゼルス国際空港(LAX)からも40分ほどの距離にあります。それでいて、都会の喧騒からは離れていますし、太平洋につながる絶景を眺めることができます。

どれだけ走るかは人それぞれですが、2025年9月に私が行ったのは往復約28㎞、休憩を含めて2時間半ほどの観光サイクリングでした。
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海を見下ろす「緑の丘」

断崖絶壁の海岸線に沿って道が走る。
断崖絶壁の海岸線に沿って道が走る。

アメリカ西部地方にはスペイン語由来の地名が多く、パロス・ベルデスもそのひとつです。「ベルデス」はスペイン語風の読み方で、アメリカ人たちの発音は「ヴァーディズ」に近い気がします。

それはともかく、Palos は木の枝を示す単語の複数形、Verdesは緑を示す単語の複数形です。つまり、Palos Verdesとは「緑の木々」とか「緑の丘」というような意味になります。

現在のカリフォルニア州がスペインの領土だった時代、この地は探検隊の航海日誌などに「緑に覆われた丘陵地」として記録されていたのだそうです。それが地名の由来になったと思われます。

現在でもパロス・ベルデス半島の斜面には草木が生い茂り、季節によっては丘一面が緑に染まります。この半島は太平洋に突き出すように広がっていて、西側の海岸線は断崖絶壁の下にあります。緑の丘と青い海が織りなす、思わず息を止めてしまう広大な風景もあちこちで眺めることができます。

南カリフォルニアらしく、気候は一年を通じて温暖かつ乾燥しています。海に近いこともあって、晴天であっても気温はやや低め。ロサンゼルス近辺は少し内陸に入ると摂氏40度前後の酷暑に見舞われる日が年に必ず何回かやってきますが、そんなときでもパロス・ベルデスの気温は5度から10度以上も低いことがよくあります。

丘の中腹にある住宅地からの眺め。
丘の中腹にある住宅地からの眺め。

容易に想像がつくでしょうが、そんな風に風光明媚で快適な気候に恵まれた土地を、世の中のお金持ちが見逃すわけはありません。現在のパロス・ベルデスはロサンゼルスでも屈指の高級住宅地になっています。

広い庭園をもつ邸宅や静かな公園、そしてゴルフ場などが点在しています。とくに海を眺めることができる丘の斜面は、これでもか~というほどの豪邸で埋め尽くされています。

アメリカの高級住宅地にはよくあることですが、パロス・ベルデスは交通の便はあまりよくありません。鉄道や地下鉄は近くを通っていませんし、高速道路の出口からも離れています。日本人が多く住むトーランス市は半島の付け根あたりにありますが、そこからパロス・ベルデスへは高い丘をくねくねと曲がりながら登る道路を走らなければなりません。

とは言え、別によそ者をブロックするゲートがあるわけではありませんので、誰でも公道を通ってパロス・ベルデスへ行くことはできます。海岸線に沿って走る「Palos Verdes Drive」と呼ばれる道を行けば、片側に広がる海の景色と、反対側の丘に連なる住宅や緑地が調和し、走っているだけで贅沢な気分を味わえます。

むろん自動車でドライブしてもよいですし、実際にフェラーリやらテスラやらの高級車がブイブイ言わしている道路なのですけど、景色をゆっくりと眺めるならサイクリングの方がずっと良いに決まっています。

 Garmin Connectに保存されたサイクリングの記録。

この日の私は半島の北側から海岸に沿って南下するルートを取りました。とくに理由はなかったのですが、結果としてこの選択は最適でした。理由は後述します。

なるべくメインのPalos Verdes Driveを外れ、より海に近い小さな道路を選んで走りました。所々で道が途切れて、大きく迂回を余儀なくされる局面もありましたが、海と断崖の織りなす絶景が次から次へと目の前に現れます。潮風を感じながらのサイクリングはたとえようもなく快適でした。

こんなに美しい風景がとくに国立公園などに指定されることなく、住宅地の中に溶け込んでいる。誰でもタダで見ることができる。アメリカという国が蓄積している豊かさは、やはり奥が深いなと感心します。

Point Vicente Lighthouse

私のこの日のサイクリングは半島の西端にある灯台(Point Vicente Lighthouse)を過ぎたところで引き返すことになりました。出発してから1時間半ほどしか経っていませんでしたし、脚もまだまだ元気だったのですが、それ以上先に進むことができなかったのです。

その理由は、ここ近年パロス・ベルデス半島で問題になっている「がけ崩れ」です。パロス・ベルデス半島の地質は比較的もろいのです。前述しましたように、海を見下ろす景色のよい斜面には豪邸が建ち並んでいるのですが、そういう場所ほど風雨や潮風によって浸食が進みやすい特徴があります。

家が滑り落ちたり、道路が陥没したり、そんな事例がいくつか発生しています。その日も崩落事故のあとの道路工事により、自転車や歩行者の通行が禁止されていた区域があったのです。

がけ崩れの現場付近。

ここから先の南側はずっと工事中でした。自動車は辛うじて通行できていましたが、片側1車線に制限され、路面はガタガタ、路肩は閉鎖されていました。もし私が半島の反対側から出発していたとしたら、さぞかし不快で苦痛に満ちたサイクリングになっていたことでしょう。

この状況がいつまで続くかは分かりませんが、しばらくの間はパロス・ベルデス半島のサイクリングは北側から反時計回りに南下し、途中で引き返すコースをお勧めします。ロサンゼルスという大都会のすぐそばにありながら、太平洋の絶景を心行くまで楽しめる穴場です。自転車を降りて、海に近づけるトレイルもあります。

Palos Verdes Coastline Trail 入口。

角谷剛さん

米国在住ライター(海外書き人クラブ)

日本生まれ米国在住。米国で高校、日本で大学を卒業し、日米両国でIT系会社員生活を25年過ごしたのちに、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。日本のメディア多数で執筆。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」(https://www.kaigaikakibito.com/)会員

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