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兵庫県でハイキングが楽しめる山
ここでは日本百名山の一つである六甲山をアウトドアライターのmahoさんが実際に登ったレポートとともにご紹介する。
六甲山/神戸市

関西で有名な六甲山は、無数にルートがあり、初心者の方から上級者の方まで楽しむことができる山だ。
今回は、そんな六甲山のルートの中でも、初心者の方におすすめな登山コースを紹介する。紹介したルートを参考に、お近くの方はぜひ六甲山を楽しんでもらえればと思う。
六甲山は遠くて行けないという方も、記事を読んで登山気分を味わってほしい。
六甲山とは?
六甲山は、兵庫県南東部・神戸市街地の西から北にかけて位置する山で、標高は931mだ。新日本百名山、日本三百名山の1つでもある。
一般的に六甲山域のことを言い、六甲山域には鉢伏山・横尾山・高取山・菊水山・再度山・摩耶山・六甲山・甲山などが連なっている。
六甲全山縦走として、兵庫県神戸市須磨浦公園から宝塚までの全長56kmを1日で歩く大会などもある。
登山ルートのバリエーションが豊富
六甲山には無数にルートがあり、六甲山ビジターサイトに載っているルートだけでも22ルートある。
登山口も、人気の高い高座ノ滝のほか、東おたふく山登山口、有馬温泉登山口など複数ある。気軽なハイキングからがっつり登山まで、自分のレベルに合ったルートを選ぶことができるのは六甲山の魅力の1つだ。
ルートが多いので、毎回違うルートで新しい発見を期待しながら登るのも楽しみ方の1つである。
初心者におすすめの六甲山登山ルート
今回は、登る方が多い高座ノ滝登山口からのルートを紹介する。当ルートの所要時間は約5時間だ。
このルートは交通の便が良く、ロックガーデンや風吹岩など写真スポットもたくさんあるため人気を集めている。また、下山を有馬温泉口にすることで、日帰り温泉も楽しむことができる。

阪急芦屋川駅から30分かけて登山口へ
高座ノ滝登山口へは、阪急芦屋川駅から行く。休日の駅前広場は、登山客でにぎわっている。
六甲山はお手洗いスポットがあまりないので、駅付近でお手洗いに行ってからスタートすることをおすすめする。

登山口までは駅から30分程度、市街地を進んでいく。歩道がないため、車やバイクに気を付けながら歩こう。登山客も多いので道に迷うことは少ないと思うが、分岐などではしっかりと標識を確認しながら進もう。
「滝の茶屋」を目印に登山スタート

「滝の茶屋」を目印に、本格的な登山がスタートだ。ここでは、軽食などを食べることができるので、気になる方は寄ってみてもいいだろう。

「滝の茶屋」から少し登ると、最初の写真スポット・高座ノ滝が見えてくる。滝をバックに写真を撮ることもできるので、ぜひみなさんも記念に撮ってみてはいかがだろうか。
そして、ここからはロックガーデンの始まりだ。岩を乗り越えたり、簡単な鎖場を進んだりするので、安全に気を付けながら登っていこう。


ツツジを見ながら登るのも楽しい六甲山

六甲山には、多様なツツジが咲いている。お花に注目しながら登るのも楽しみ方の1つだ。
今回のルートでよく見かけるツツジは「コバノミツバツツジ」と言い、3月から5月が見頃である。その他にも、ヤマツツジや、シロバナウンゼンツツジ、バイカツツジ、ホツツジなど、様々なツツジが咲いているのでぜひ探してみてほしい。

ツツジを眺めながら、岩に気をつけて歩くこと40分。
六甲山の有名スポット「風吹岩」に到着
二番目の写真スポットであり、六甲山の中でも有名な「風吹岩」に到着だ。

風吹岩(かざふきいわ)は、花崗岩(かこうがん)の岩だ。岩の上からは、街並みが一望でき、休憩スポットとしても人気である。
岩の上で写真を撮る場合や、休憩をする場合には、ほかの登山客の邪魔にならないよう気をつけよう。
また、油断していると落ちる危険もあるので、安全に気を付けながらゆっくり登ってほしい。
最高峰の絶景を楽しんだ後は有馬温泉へ!

風吹岩から、さらに100分ほど登ると六甲最高峰に到着だ。
風吹岩からは、それまでのコースと打って変わって木々の中を歩いたり、沢を渡ったりする道が続く。途中にある雨ヶ峠という場所には、ベンチやあずまやもあるので、お昼休憩などをゆっくり取ることもできる。
雨ヶ峠以降は急な坂が続くので、頑張って登ろう。
六甲最高峰から有馬温泉口までは約1時間程度で降りられるので、六甲最高峰からの絶景を楽しんだら有馬温泉へ下山し、温泉や食べ歩きを楽しむのがおすすめだ。
さらにお手軽なハイキングコースも!
ちなみに、急な坂道などは体力的に不安だけど、絶景を楽しみたい!という方には、以下のようなルートがおすすめだ。
芦屋川駅から先ほど紹介したルートで風吹岩まで登り、そこから阪急岡本駅へ降りるルートだ。このルートの場合、所要時間2時間30分程度で、のんびりハイキングを楽しむことができる。
風吹岩からは、金鳥山を目指して歩いていく。標識があるので、それに従って進んでいこう。

登山道にはツツジも咲いており、お花を見ながらのんびり歩くことができる。

標識に沿って進むと、金鳥山に到着だ。標識は小さいので、見逃さないようにしよう。

金鳥山を過ぎたら、保久良神社へ向かって下山しよう。
途中には、神戸の街並みを見ながら休憩できる場所もあるので、お昼ごはんをここで食べるのもおすすめだ。
そこから阪急岡本駅へ向かって降りるとゴールだ。阪急岡本駅周辺には、カフェなどもあるので下山後に楽しむのもいいだろう。
まだまだ知らない六甲山の魅力
いかがでしたか。六甲山にはまだまだ一般的には知られていないたくさんの魅力がある。ぜひ、いろんなルートを登ってみてほしい。
▼参考記事
京都府でハイキングが楽しめる山
大文字山の正式名称は如意ヶ嶽といい、毎年8月16日に行われる五山送り火の「大」の字が有名であることから「大文字山」と呼ばれている。標高は465mである。
大文字山/京都市

夏の風物詩である「五山の送り火」が行なわれる大文字山は、京都トレッキングの聖地。ルートはいくつかあり、銀閣寺から登ると「大」の火床を通って山頂まで行ける。木々がなく、開けているため、京都を一望できるのが魅力だ。ゆるやかな道が多いが、火床まで最後の道が階段になっているので、少々キツイ。
ルート
銀閣寺の門前→大文字山登山口→火床→山頂→銀閣寺の門前

土産店が並んでいる銀閣寺の参道を通って、向かう。門前を左に曲がり、八神社の近くに登山道の入り口がある。トイレは参道に1か所しかないので注意しよう。

写真提供/maho
(BE-PAL2023年11月号より)
▼参考記事
奈良県でハイキングが楽しめる山
ここでは、フリーライターのナカヤマナツコさんがおすすめする「生駒山」、麓に花スポットがある「二上山」をご紹介する。
奈良県の山
生駒山/生駒市・東大阪市

大阪と奈良の境目にある生駒山(いこまやま)。標高は642メートルほどあるが、登山道は整備されており子どもでも歩きやすいだろう。
生駒山の場合は、山頂に「生駒山上遊園地」がある。ゴールが遊園地だなんて、子どもたちは俄然やる気満々だ!
山の上の遊園地には、子ども用の乗り物やお化け屋敷などたくさんのアトラクションがある。山頂にあるとは思えない、本格的な遊園地。乗り物からの眺めも最高だ。
遊園地で遊び疲れて歩けない…ということにもなりかねないが、ケーブルカーで下山ができるので安心。かわいいケーブルカーに乗ることを目標として、登山をするのもいい。
生駒山のおすすめルート
おすすめルートは枚岡駅から登る「神津嶽コース」。
眺めが良く、途中「なるかわ園地」という広場やレストハウスもある。できるだけ早く遊園地を目指したい方は、奈良側から宝山寺を経由して登る「生駒山上コース」がおすすめだ。
生駒山の情報
標高:642メートル
所在地:奈良県生駒市菜畑町/大阪府東大阪市山手町
アクセス:奈良側から登る際は、近鉄奈良線「生駒駅」(ケーブルカーは生駒駅から徒歩3分の鳥居前駅より発着)、大阪側は同線「石切駅」「枚岡駅」など各所に登山口あり。枚岡駅には無料駐車場も。
▼参考記事
二上山/葛城市・大阪府南河内郡太子町
標高:474m(雌山)、515m(雄山)

二上山は、雄岳と雌岳が寄り添って並ぶ山。花スポットは麓にある「二上山ふるさと公園」。また、花の寺として有名な當麻寺もある。

(BE-PAL 2025年4月号より)
▼参考記事
大阪府でハイキングが楽しめる山
ここでは、アウトドアライターのmahoさんがおすすめする「交野山」、フリーライターのナカヤマナツコさんがおすすめする「五月山」をご紹介する。
大阪府の山
交野山/交野市

交野山は、大阪府の交野市に位置する標高341mの山だ。JR津田駅からアクセスが可能。
コースタイムは2時間程度で、山頂まで整備された道が続く。
途中に林道や池、ベンチなどもあり、また、山頂にある観音岩からは景色を一望できる。のんびりハイキングをして絶景を楽しむことができる山だ。
なお、山頂付近まで車で登ることもできる。
▼参考記事
五月山/池田市

大阪府池田市の北に位置する五月山(さつきやま)。
標高は315メートルほどの低山だが、ハイキングコースはバリエーションに富み、子どもも大人も満足なハイクができる山である。
この山を親子登山におすすめしたい何よりの理由は、麓にある「五月山動物園」。
小さな動物園だが、ふれあいコーナーも用意されており、楽しめること間違いなし!山登りのあとのお楽しみにしてもいいだろう。
五月山のおすすめルート
初めての子連れハイキングにおすすめなのは「大文字コース」だ。
30分ほどで往復できるが、展望台からの見晴らしがとても良いので、しっかり山登り気分を味わえる。
もう少し歩けるという家族は、足をのばして五月台まで登ってみたり、ぐるっと周遊するコースにチャレンジしてみたりするといいだろう。
五月山の情報
標高:314.9メートル
所在地:大阪府池田市綾羽
アクセス:電車の場合の最寄り駅は、阪急宝塚線「池田駅」。周辺に有料駐車場有り。
▼参考記事
滋賀県でハイキングが楽しめる山
ここでは、ケーブルカーでワープハイクできる「比叡山」、山頂から琵琶湖が一望できる「伊吹山」をご紹介する。
滋賀県の山
比叡山/大津市・京都市左京区

ルート
叡山ケーブルケーブル比叡駅→つつじヶ丘→大比叡山→智証大師廟→根本中堂→坂本ケーブルケーブル延暦寺駅
山全体が世界遺産・延暦寺の境内。古来、修行の場として知られる。比叡山は総称で三角点は大比叡にある。厳かな雰囲気とともに京都の町並みと琵琶湖の自然美、両方を楽しめる。

ワープ標高差 561m
叡山ケーブル(京福電気鉄道株式会社)
電話:075(781)4338
料金:大人(中学生以上)片道600円・往復1,200円
営業時間:上り始発9:00、下り最終18:15
運行:平日毎時30分間隔、休日毎時15分間隔

ワープ標高差 484m
坂本ケーブル
電話:077(578)0531
料金:大人(中学生以上)片道870円・往復1,660円
営業時間:上り始発8:00、下り最終17:30
運行:毎時30分間隔
(BE-PAL 2024年6月号より)
▼参考記事
伊吹山/米原市・岐阜県揖斐郡揖斐川町
標高:1,377m

山頂からは琵琶湖、比叡の山々などが一望できる。高山植物の最盛期である初夏から秋にかけては、お花畑を歩いているような気分に。麓からの登山道は現在通行止め。山頂駐車場から山頂へ。

(BE-PAL 2025年4月号より)
▼参考記事
和歌山県でハイキングが楽しめる山
ここでは、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部としてユネスコ世界遺産に登録された「高野山」、アウトドアスタイル・クリエイターの四角友里さんがおすすめする「ひき岩群」をご紹介する。
和歌山県の山
高野山/伊都郡高野町
明治初期まで女人禁制の山だった。弘法大師空海の御廟を拝みたい女人信者のためにできた道を「女人道」といい、魔尼山・楊柳山・転軸山の高野三山を回るコースとなっている。
(BE-PAL 2024年6月号より)
▼参考記事
ひき岩群/田辺市

標高:127m
「街から10分、登山口から20分で360度見渡せる絶景あり。絶壁の不思議な巨岩群も見もの。みかん畑が見られるのも和歌山ならではの景色です」
(BE-PAL 2023年11月号より)
▼参考記事
三重県でハイキングが楽しめる山
ここではアウトドアライターのmahoさんがおすすめする「御在所岳」を実際に登ったレポートとともにご紹介する。
御在所岳(三重郡菰野町・滋賀県東近江市)

登山を始めたばかりだけど、標高の高い山にチャレンジしてみたい。
高い山に登るのは不安だけど、綺麗な景色を観たい。
そんな方におすすめの山「御在所岳(ございしょだけ)」をご紹介する。
御在所岳が遠くて行けない方も、読めばどのような山が初心者も登りやすい山なのかわかると思うので、ぜひ参考にしてほしい。
御在所岳とは?
御在所岳は、三重県と滋賀県の境に位置する標高1,212mの山だ。鈴鹿山脈の主峰として知っている、という方も多いと思う。
ロッククライミングで有名な岩場がたくさんあり、地蔵岩・鷹見岩・恵比寿岩・大黒岩などの不思議な形をした岩も有名である。
なお、麓から頂上までロープウェイも出ており、そちらを活用して観光目的で登る方も多い。
御在所岳の魅力
バリエーション豊富なコース
御在所岳は、「裏登山道」「中登山道」「峠登山道」「一ノ谷新道」「表登山道」の5つのコースが用意されており、体力や経験に合わせてコースを選択することができるのが魅力だ。
中でも、地蔵岩がある場所を通る中登山道はとくに有名だが、登山が初めての方や、家族で登山を楽しみたい方には後述する裏登山道がおすすめだ。
綺麗な景色とゆったりできる頂上
御在所岳の頂上に広がる御在所山上公園には、レストランなどの施設や展望台が整備されている。
頑張って頂上まで行ったら、整った設備でゆったり過ごすことができる。これは、御在所岳の魅力の一つである。
また、ロープウェイの到着駅である山上公園駅からは観光リフトがでているため、それに乗れば約8分で御在所岳の頂上まで行くことができる。
ロープウェイとリフトで頂上まで行けるので、景色を観てみたいだけの方にもおすすめ。これも初心者の方には魅力的なポイントだ。
温泉など充実した周辺施設も
御在所岳の麓には、湯の山温泉がある。
また、御在所ロープウェイから車で約10分のところにスイーツや石窯パン、イタリアンなどのお店や温泉が楽しめる複合施設「アクアイグニス」がある。
下山後に温泉と美味しいご飯を楽しむことができるのも、御在所岳の魅力なのだ。
おすすめの御在所岳登山ルート
今回は、最も初心者向けである「裏登山道」という登山ルートをピックアップして紹介する。
裏登山道をおすすめする理由は、次のとおりだ。
- 車からアクセスしやすい場所に登山口がある
- 途中に山小屋があり、トイレ休憩をすることができる
- 沢の上を渡る橋や鎖場などがあり、飽きない
- 登り約3.5時間、下り2.5時間の所要時間で楽しめる
裏登山道のルート紹介
駐車場は 「御在所岳ロープウェイ駐車場」を利用するのがおすすめだ。
この駐車場は、ロープウェイ乗り場と裏登山道の登山口に近い有料駐車場で、1回1000円で24時間利用可能。収容台数は約250台でいっぱいになることも少ないため、朝ゆっくりと出発したい初心者の方にもおすすめなのだ。
駐車場からロープウェイ乗り場まで歩き、ロープウェイ乗り場の左側を抜けて先に進んでいくと、裏登山道の入り口がある。そこから、登山スタートだ。

少し歩くと、最初の写真スポットである堰堤が見えてくる。少ししゃがんで写真を撮ると、堰堤の迫力が伝わるのでおすすめだ。

堰堤を過ぎると、次は七渡しがある。橋を渡っている姿を、下を流れる川も入れて撮ると臨場感が出る。

裏登山道は途中に橋や鎖場があり、楽しみながら登ることができる。途中、道がわかりにくいポイントがあるので、しっかりと地図を確認しながら登るようにしよう。

途中にある藤内小屋には売店やトイレがあり、休憩ポイントとして活用できる。眺めもよく、ベンチもあるので、景色を見ながら休憩することができる。

登山道から見える岩壁は、クライミング用の登山道になっている。初心者の方にとっては、珍しい景色だと思うのでここもおすすめポイントだ。
8合目につくと国見峠という峠がある。ここで休憩しても良いだろう。

国見峠からは少し急な登り坂になるが、ここを過ぎればゴールまであと少しだ。
ロープウェイ山上公園駅についたら、そこから観光リフト沿いに登っていくと御在所岳頂上につく。
観光リフトはロープウェイ山上公園駅から御在所岳頂上を結んでいるので、疲れた方は観光リフトに乗って登ることもできる。

頂上にはベンチがたくさんあり、トイレも整備されている。美味しい山ご飯を食べながら休憩しよう。

帰りはロープウェイに乗ると、また違った御在所岳の姿を見ることができる。
▼参考記事
















