笑顔は世界共通語! セルビアの最高峰「ミジョル山」で待っていた心あたたまる“乾杯” | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2026.02.09

笑顔は世界共通語! セルビアの最高峰「ミジョル山」で待っていた心あたたまる“乾杯”

笑顔は世界共通語! セルビアの最高峰「ミジョル山」で待っていた心あたたまる“乾杯”
私たち夫婦は、キャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを旅し、「各国の最高峰に登る」というチャレンジを続けています。これまで、20カ国のてっぺんに立つことができました。

今回の目的地は、セルビアの最高峰・Midžor(ミジョル)です。観光地としてはまだあまり馴染みがなく、正直なところ、訪れる前は情報の少なさに少しドキドキしていました。実際に登ってみると、登山者もほとんどいない、静かな山。ところが標高2,000m近く、霧の中からまさかの山道を下ってくる車が…!

今回はそんな、セルビアのてっぺんで出会った、あたたかくて、少しおかしな山の体験談をお届けします。

セルビア最高峰Midžorとは?

バルカン山脈の端にあたり、山頂からは国境を越えてブルガリア側の山並みも望むことができます。

セルビア最高峰のMidžor(ミジョル)は、標高2,169mの山で、セルビア東部、ブルガリアとの国境沿いに位置しています。

登山ルートはいくつかありますが、私たちは一般的なスタート地点である、セルビア側の「Babin Zub(バビン・ズブ)」からのルートを選びました。距離は往復約20km、標高差約1,200m、6〜7時間ほどの行程です。

標高はアルプス山脈の山々に比べれば控えめですが、観光客が少なく、静けさと自然の豊かさ、そしてセルビアらしい素朴な風景を楽しめる山です。

セルビアのてっぺんへ向けて登山開始!

誰もいないスキー場。けれどそんな静けさもなんだかワクワクします。

登山のスタート地点は、Stara Planina ski resort(スターラ・プラニナ・スキーリゾート)。敷地内には広い駐車場があり、私たちはそこにキャンピングカーを停めました。冬季にはスキーやスノーボードで賑わうスキー場ですが、この時期は9月下旬のオフシーズンでゲレンデもリフトもすべて静まり返り、どこかゴーストタウンみたいな雰囲気が漂っていました。

霧に包まれた広い駐車場に、私たちのキャンピングカーが一台だけ。静かな冒険の始まりです。

天気予報では晴天だったのですが、徐々に雲行きが怪しくなり、出発する頃には霧が濃く立ち込めていて、一歩先も見えないほど真っ白な世界に。山の天気は変わりやすいと言いますが、まさかこんなスタートになるとは…。それでも、気を取り直して霧の中を進んでいきます。

真っ白な世界で何も見えなくて残念…。
頭上には、オフシーズンで止まったままのリフト。踏み込んではいけない世界のようでちょっとドキドキ。

序盤は霧で周りが見えないが、どうやら広々としたスキー場のゲレンデコースを進みながらの登山道のようです。たくさんの分岐ルートがあるようで、霧のせいで迷いそうになるため要注意。スマホのGPSアプリで現在地と地図をこまめに確認しながら慎重に進んでいきます。

途中にあるレストランはオフシーズンのため閉まっていました。

歩き始めて約1時間半で、ゲレンデルートを抜けて本格的な登山道へ入っていきます。ここから傾斜がぐっと増し、息が上がるような急登が続きました。

危険な箇所こそはありませんが、一歩一歩頑張って登っていく感じです。

標高2000m近く、山道に現れたのはまさかの一台の車?!

やっと霧が晴れて山の景色が見えてきました。

標高2000m近くまで登ると稜線上に出て、これまでの霧が少しずつ晴れはじめました。視界が開けると、そこにはいくつもの山々がどこまでも連なり、思わず足を止めて見入ってしまうような絶景です。

やっぱり景色が見えると、自然と足も前に進みます。

そんな感動に浸りながら進んでいくと、前方からまさかの一台の車が、ガタガタと音を立てながら山道を下ってくるではありませんか!

「え?ここ、車通る道だっけ?」かなり凸凹した山道をどうやってここまで?そして、いったいどこからやって来た…?と、驚きを隠せません。

しかもその車、私たちのすぐ横で急停車。中にはにこやかな表情のおじさん2人組が乗っていました。何やらセルビア語で楽しそうに話しかけてくれましたが、まったく理解できずフリーズする私たち。すると次の瞬間、彼らがゴソゴソと取り出したのは、小さなショットグラスと一本のビン。

「え、まさか…?」差し出されたのは、どうやらセルビアの地酒のようでした。ジェスチャーを交えながら「一杯飲んで体を温めてくれ」と言っている様子。山の上で、初対面の人にお酒をすすめられるとは、まったく想像していませんでした。せっかくなので、その場で一緒に乾杯。

標高2000mの山道で、知らない人と乾杯する日が来るなんて…。(笑)

口に含むと、体がじんわり温まり、思わず笑ってしまいます。言葉こそは通じませんでしたが、彼らの笑顔は「山登り頑張れよ!」と言ってくれているような気がしました。体も心もすっかり温まったところで、お別れし、車はまたガタガタと音を立てながら山を下っていきました。

ほんの数分の出来事でしたが、不思議と心に残る出会いとなりました。

標高2,169mのミジョル山頂に到着!

こんな山道を車が通るとは!目で確認していなければ信じられなかった光景です。

山を下っていく不思議な車と別れたあとも、私たちの山登りは続きます。歩きながら、「こんな荒れた道を車が通っていたなんて、まさにあっぱれ!」と改めて感心してしまいました。

山頂までまだまだ続きます。

残りは比較的なだらかな登りになりました。風も強く冷たくなり、山頂はもうすぐそこです。

そして、登りはじめてから約4時間。ついに、セルビアの最高峰・標高2,169mのミジョル山頂に到着です。

セルビアのてっぺん、ミジョル山についたぞー!

山頂は他に人はおらず、驚くほど静かで、広がるのは風の音と自分たちの声だけ。観光地化された山とは違い、山頂にはポツンと標識があるだけで、あとは広大な大自然が広がっています。

片方にはセルビアの穏やかな山並みが見え、もう片方には国境を越えてブルガリア側の山々も望むことができました。ひとつの山頂に立ちながら、ふたつの国の景色を同時に眺められるのは、国境の山ならではの特別な体験です。

ブルガリアとセルビアの両国の国旗がある頂上。

セルビアのてっぺんに立ち、ただ静かに景色を眺める。そんな贅沢な時間を、ミジョル山頂で過ごすことができました。

セルビア最高峰で出会った、観光スポットでは味わえない体験

セルビアのてっぺんで感じたのは、山そのものの魅力だけではありませんでした。静かな山道、手付かずの自然、そして何よりも現地の人々の温かさです。観光地としてはまだあまり知られていないセルビアですが、こうして山を歩くと、観光スポットでは味わえない新しい発見や出会いにあふれています。

キャンピングカーで巡りながら、各国の最高峰を目指す旅は続きます。次はどの国のてっぺんに立てるのか、どんな自然や人との出会いが待っているのか、次回の旅もお楽しみに。

ルアナさん

トラベルライター

2023年1月から夫婦でキャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを周遊中!登山、キャンプなどのアウトドアが大好きで、ヨーロッパでもアルプスや色んな地域の山を登っています。夫婦の長年の夢だったキャンピングカー暮らしで旅をして、有名観光地だけでなく、ガイドブックにも載っていないような秘境スポットをどんどん巡り、キャンピングカーライフや海外登山などリアルな体験談をお届けします。

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