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    2025.08.19

    加水分解は対策が重要!方法や加水分解後の対策も

    加水分解は対策が重要!方法や加水分解後の対策も
    本記事では加水分解の原因や仕組み、劣化を防ぐための具体的な対策、加水分解が起こってしまった際の応急処置方法について詳しくお伝えします。

    アウトドアギアを長く快適に使い続けるために欠かせない、日常的なメンテナンスのポイントや製品選びのコツもご紹介。大切なギアを長く使い続けるために、ぜひご一読ください。
    (サムネイル・メイン写真:photoAC)

    加水分解について知ろう

    ゴム製品のベタつきは加水分解が原因

    登山靴のソールがベタついたり、レインウェアの裏地がポロポロと剥がれたりした経験はありませんか?これは、空気中の水分と化学素材が反応して、素材が劣化する現象、「加水分解」が原因です。加水分解は、靴、ザック、テントのコーティング、レインギアなど、アウトドア用品に広く影響を及ぼします。

    とくに、テントやレインウェアなどは撥水性が損なわれ、アウトドアでの安全性に関わるため、早めの対処が必要です。

    加水分解の仕組み

    加水分解は、ポリウレタンやエステル系の高分子素材が、水分と反応して分解される化学反応です。日本の夏のような、高温多湿の環境下で進行が早くなります。テントのフライシートやシュラフカバー、バックパックの防水裏地などに多く使われており、保管時の管理や使用後のメンテナンスの有無が劣化の進行を左右します。

    ウレタンゴムはとくに注意

    ウレタンゴムは、軽くてクッション性があり、トレッキングシューズやザックのショルダーパッド、クーラーボックスのパッキン部などに使われています。

    アウトドアギアに多用されている素材ですが、加水分解に非常に弱い点がデメリット。未使用・未開封でも、数年間屋内で保管していると劣化することもあります。使用する機会が少なくても、こまめに道具の状態を確認するようにしましょう。

    加水分解への対策

    撥水スプレーで保護

    レインウェアやバックパック、テントの外幕など、加水分解の影響を受けやすい素材には、定期的に撥水スプレーをかけることで保護できます。水分の浸透を防ぐことで加水分解の進行を遅らせ、表面の傷みを軽減できるからです。

    製品は清潔に保つ

    泥や汗、皮脂などの汚れが残ったままだと、化学反応が起きやすくなり加水分解の原因になります。レインウェアやシュラフカバーなどは使用後にきれいに洗い流し、乾かしてから収納することで劣化を防げます。細かな砂や葉も劣化を促すため、払い落とす習慣をつけましょう。

    使用後などはしっかりと乾かす

    加水分解の大敵は「湿気」です。キャンプ帰りに濡れたまま収納されたテントやタープ、汗を吸ったザックの背面パッドなどは、放置すると短期間で加水分解が進行します。風通しのよい場所でしっかりと乾かし、完全に水分を抜いてから保管しましょう。

    保管は直射日光を避ける

    紫外線と高温は加水分解を加速させます。ガレージやベランダに置きっぱなしのキャンプチェアやクーラーボックスのパーツも、知らぬ間に劣化していることがあります。風通しのよい日陰で保管し、可能であれば通気性のある収納袋などに入れると安心です。

    乾燥材を使用する

    アウトドアギアの保管時には、衣類ケースや収納ボックスに乾燥剤を一緒に入れておくのがおすすめ。シリカゲルなどを入れておけば、湿度を軽減し、加水分解の進行を抑制できるからです。乾燥剤は100円ショップでも手に入り、十分な効果が期待できます。

    加水分解後の対策は?

    ベビーパウダーを使う

    加水分解でベタついてしまった素材の応急処置として有効なのがベビーパウダーです。ベタつきを落とすのではなく、粉でコーティングして表面をさらさらに仕上げます。ベタベタになっている箇所に重点的にパウダーで覆うように塗り込むと、ベタつきが改善され、収納や設営・撤収が格段に楽になります。

    パウダーを塗り込む際は、軍手を活用しましょう。軍手に直接ベピーパウダーをつけて塗布すると、効率よく作業が進みます。

    ただし、この方法は一度塗るだけではベタつきを完全に解消できません。使用しているうちに再びベタつきが出てくることがあるため、その都度、再発した箇所にベビーパウダーを塗り込む必要があります。

    また、防水性は回復しないため、必要に応じて、ベピーパウダーを塗った後に、撥水スプレーやシリコーン系保護剤を塗布しましょう。あくまで応急処置として使い、定期的なメンテナンスと組み合わせて活用するのがおすすめです。

    重曹で洗う

    机の上に重曹がのっている。
    参考記事:「焚き火台のメンテナンスしてる?日頃のケアからピカピカにする方法まで解説

    加水分解によってベタつきや白化が進んだテントのフライ部分は、まず重曹を使って古いコーティングを取り除くと、その後のケアがしやすくなります。

    重曹は弱アルカリ性で、劣化したポリウレタンコーティングをやわらかく分解し、ベタつきや粉状になった層を浮かせて落とす働きがあるからです。

    具体的には、ぬるま湯に重曹を溶かしたバケツや浴槽にテントのフライを1時間ほど漬け込みながら、手でやさしく揉み洗いを行います。加水分解で剥がれかかっているコーティングがこの過程で生地から剥がれ、ベタつきや不快な臭いも軽減されます。長時間漬けすぎると生地が痛む原因にもなります。

    洗浄後は流水でしっかりとすすぎ、残った重曹を完全に洗い流すことが重要です。

    ただし、重曹による洗浄はコーティングを完全に剥がすため、元の防水性は失われます。防水性を回復させたい場合は、乾燥後に撥水スプレーやポロンTなどで追加処理が必要です。

    加水分解対策は製品選びも重要

    アウトドア用品を選ぶときは、価格だけでなく素材にも注目しましょう。たとえばシルナイロンなどの、シリコンコーティングされた素材を使ったテントや、EVA素材のサンダルなどは加水分解に対して強い傾向があります。

    また、交換部品が充実しているメーカー製品も安心です。長期使用を見据えて、商品を選ぶ目を養いましょう。

    加水分解は対策で防ぐ!気持ちよくアウトドアを楽しもう!

    加水分解はアウトドアギアの避けがたい老化ですが、正しい使い方と保管方法を知っていれば、十分に予防できます。日常的なメンテナンスと製品選びに少しの工夫を加え、お気に入りのギアを長く使い続けましょう。

    のまどうさん

    アウトドアライター

    行く先のあてもないバックパッキング、ソロキャンプ、登山が大好物です。とはいえフラフラは出来ず、最近は子供とのキャンプと自宅に並べたギアを眺めての想像の旅に夢中です。千葉の最南端在住。田舎暮らし満喫中。

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