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小さなミスから大きなアクシデントにつながる忘れ物

日常生活でもよくある忘れ物。かくいう私はよく忘れ物をするタイプで、仕事場でさえも周囲から「またか」と思われています。しかし、キャンプにおいては致命的になってしまうことがあります。テントの骨組みを忘れてテントが設営できない、ガス缶を忘れて調理できない、寝袋を忘れて凍える夜を過ごす、キンキンに冷やした食糧を玄関に置き忘れた……。このうちの幾つかは実際にやらかしてしまい、現地で汗がスーッと引くことが何度かありました。時期によってはキャンプの中止にも発展する忘れ物。ここでは、道具を忘れないための対策をご紹介します。
なぜ忘れてしまう?
前日や当日に準備する

高確率で忘れ物を発生させてしまうのが、前日の夜や、当日の早朝に急いで準備するケースです。「あと2週間もあるし」は、「もうあと1週間か」となり、前日には「まずい、何も準備してない(というより何が必要なんだ)」へと移行することになります。とりあえず目についた道具を手に取り「これだけあれば大丈夫かな」と感覚で出発すると「鍋は持ってきたけどカトラリー(フォークや箸など)がない」ことに現地で気づきます。
感覚で荷物を突っ込む
キャンプ経験を積んでくると、必要な道具の一部を感覚で把握できるようになります。しかし、「夏のキャンプならこれかな」と思い道具を入れていくと、現地で「入れたと思ったんだけど」となりがちです。また、キャンプは季節やフィールドによって必要な道具が変わってくるため「あっ、これも必要だった」と、忘れる以前に必要な道具に気付けない事もよくあります。
入れたと思っていた

先述のように感覚で道具を入れていくと「入れたと思ったんだけど」と後々忘れ物が発覚することになりますが、入れたかどうかの確認を怠ると、忘れ物が発生する可能性が高まります。たとえば「バーナー本体はあるのにガス缶がない(入れたと思ったのに)」この経験がある方は多いのではないでしょうか。バーナー本体を入れた際に、無意識にガス缶も入れたと勘違いし、冷たい食事を摂った記憶が筆者にはあります。
積み込む際に忘れる
道具を準備したまでは良かったのに、現地に着いたら「あれ?ない……」「確かに準備したのに」となります。キャンプから帰ったら、玄関に待ちわびたかのように置かれた道具が。時間に余裕がないときや積み込む荷物が多いとき、出発時の確認を怠ると、このような事態が起こります。きれいな状態で棚に戻すとき、「次は忘れないぞ」と心に誓います。
忘れ物をしないための対策
数日前から準備しておく

基本でありながらとても大切なのが、数日前からの準備です。時間に余裕を持ちながら準備することで、入れ忘れに気づいたり、道具をどこに収納したのかなどを記憶できたりと、余裕を持つことは忘れ物の防止につながります。また、道具が不足していたと気づいても、事前に入手する時間も確保されているので安心です。
体調管理を万全に
極端に言えば、多少具合が優れなくても準備はできますが、準備が捗らず集中力も大きく落ちるので、忘れ物をするリスクも高まります。当日まで余裕がある場合は、焦らず体調が良い時に準備をしましょう。
リストを作る
以下のような例を参考にリストを作ってチェックしておけば、より確実に忘れ物を防止できます。持ち物は季節やキャンプ場などで変わるので、基本的な道具リスト・季節ごとに必要なリストで使い分けていくと良いです。
| 道具名 | チェック | 道具名 | チェック | 道具名 | チェック |
| テント一式 | 調理器具一式 | チェア | |||
| 寝袋 | カトラリー | テーブル | |||
| マット | ヘッドライト | ゴミ袋 | |||
| ガス缶 | ランタン | ペーパー | |||
| バーナー | レインウェア | 洗剤 | |||
| 焚き火台 | ウォーターボトル | 着替え | |||
| 炭 | ナイフ | 防寒着 | |||
| 薪 | ライター | ||||
| 火消し壺 | モバイルバッテリー |
積み込む際は周りを確認
積み込んだら周辺に忘れ物がないか確認しましょう。これをするだけで、せっかく準備した道具を忘れるというリスクが格段に減ります。これは現地でも同様で、サイトから撤収するとき、キャンプ場で荷物を積み込んだときなど、要所要所で確認を行うことで、遠く離れたキャンプ場に取りに戻らずに済みます。実際、私はそうして数日後に取りに戻ったことがあります。
セットを作っておく

常に使う道具がある場合は、セットを作っておくのもアリです。「必ず入っている」のであれば、忘れる心配もなくなります。私はデイキャンプ用でセットを用意しており、宿泊時はこれにテントや寝袋を足せば大丈夫という内容にしています。
もし忘れてしまったら
日用品と食糧はコンビニで入手できる場合も

ライターやペーパーなどの小物や日用品、食糧はコンビニで入手することができます。テントなどのキャンプ道具の入手は困難ですが、ちょっとした忘れ物ならコンビニで解決できます。市街地から離れた場所でもコンビニは点在しているので、とても頼りになる存在です。
ガス缶などの燃料はキャンプ場で入手できるか確認を

全てではありませんが、キャンプ場には炭や薪のほか、カセットボンベやOD缶を取り扱っているところがあります。キャンプにおいてとても重要な焚き火や調理ができなくなる事態を防ぐためにも、燃料の入手が可能かは事前に調べておくと良いです。キャンプ場到着前なら移動中に入手も可能ですが、万が一のために把握しておくのがおすすめです。
ホームセンターとスーパーは救世主
万が一アウトドア用品を忘れても、ホームセンターなら入手できる可能性があります。燃料・ウェアなど、キャンプに必要な道具は一通り揃えることが可能です。ホームセンターがあるだけで安心感や現地での対処が大きく変わります。
また、コンビニでも入手可能な食糧ですが、スーパーがあれば現地でより豊富な食材を入手できます。焚き火での調理を楽しみにキャンプをする場合は、最寄りのスーパーがどこにあるか把握しておくと安心です。
テントなどのアウトドア用品はレンタルできる可能性が
ホームセンターも近くにない状況で、テントや寝袋などを忘れた場合は、キャンプ場でのレンタルという方法もあります。しかし、本来は事前予約が必要のキャンプ場が大半です。空きがあればレンタル可能な場合があるので、本当に万が一のときと認識しておきましょう。
万全の準備で安心キャンプを

キャンプ道具を忘れるということは誰にでも起こり得る事態です。忘れないような対策と、忘れてしまった時の対処を心得ておけば、万全を期してキャンプを楽しむことができます。余裕を持った準備と確認を心がけて、安心してキャンプ場に向かいましょう。







