
どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
今回紹介するのはなんと名称最強感のある「オリンピア山」です!
この山、ドイツ南部のミュンヘンにあります。なぜ私がそんなところにいるかという…。
じつはヨーロッパの2ヵ国を取材してきて、その最後にドイツのミュンヘンで半日空いたのです。午前中にオーストリアのマイヤーホーフェンというスキーリゾートから乗り合いタクシーで移動してきて、ミュンヘン空港そばのホテルに投宿したのが午後1時。明日の朝にはフィンエアーに乗り、ヘルシンキ経由で羽田に向かうことになっています。
じつはヘルシンキって東京(羽田と成田)からの便があるヨーロッパの都市の中で、距離的にいちばん近いのです!
「ウソつけ!イスタンブールとか東欧の都市のほうが近いだろう!」という声が聞こえてきそうですが、それは「メルカトル図法の罠」にかかってしまっているのです。はい、極地に向かうにしたがって実際よりもずっと面積が大きく形もいびつになるあの地図ですね。
「地理院地図Globe」などの「地球儀サイト」で調べてみていただくと、「東京にいちばん近いヨーロッパの就航都市はヘルシンキ」というのがおわかりいただけると思います。
まあ今はロシア上空を飛べなくなっているので、これまでよりは少し時間がかかってしまうのですが、とにかくヨーロッパのどこかの都市にトランジットで行くとしたらフィンエアー、実は無茶苦茶便利なんです。

ただでさえシートピッチは96.5cm(38インチ)もあるのに、「最前列」を選んだので向こうの壁に足が届かん。笑
帰りはフライトの座席はさらに驚愕ものなのですが…それはまた数ヵ月後の【フィンランド旅】編と【オーストリア旅】編で。


このフライトアテンダントのレベッカさんがとっても気が利く素敵な女性。「取材で来た」と伝えたら以前機内から撮ったというオーロラの写真をSNS経由でくれました。
いよいよ「オリンピア山」の全貌が明らかに!笑
フライトだけに話が飛んでしまいました。笑 話題をミュンヘンにもどします。
調べてみるとミュンヘンというのは、実に観光しやすい街です。「マリエン広場」「新市庁舎」「ミュンヘン大聖堂」「ペーター教会」「レジデンツ」といったこの街を代表する観光名所たちが、市の中心部にある「マリエン広場駅」から500メートル以内に集まっている。いわば「ザ・サクッと観光してくださいシティ」なのです。4時前に仕事を終えてもかなり充実した観光ができそうです。
で~も。今回のヨーロッパ旅の目的は「BE-PAL.net」の記事を書くこと。ミュンヘンでも初志貫徹することにしました。
そして見つけたのが今回紹介する「オリンピア山」!「オリンピア山」、ドイツ語で書くとOlympiaberg。「berg」というのはドイツ語で「山」の意味です。
というわけで「いざオリンピア山」の旅の始まり始まり。…なんか「登山口に到着するまで延々と舗装路を歩く丹沢表尾根」レベルで前置きが長くなっていますが。
オリンピア山は先ほど書いた有名観光地が集まっている「マリエン広場駅」から地下鉄で約12分の「オリンピアツェントラム駅(Olympiazentrum)」が最寄り駅です(他の行き方もありますが)。人口160万人の大都市ミュンヘンの中心部に近い場所です!
標高は564メートル。東京の高尾山が標高599メートルですからそれより少し低いくらいですね。
そのオリンピア山の全貌がこちら!

「全然思ってたのと違う!」「全然標高564メートルないじゃん!」という罵声が聞こえてきそうですが…。
じつはこの山、「1972ミュンヘンオリンピック」の会場跡地である「オリンピアハレミュンヘン(「ミュンヘンオリンピック公園」の意味)」の中にあるのです。
その成り立ちについてはおいおい話すとして、まずは最寄り駅の「オリンピアツェントラム駅」から公園のメインの入口に向かいます。ちなみに「ツェントラム」は「中央」という意味ですが、「オリンピアツェントラム駅」は「オリンピック中央駅」ですね。
公園に入るとすぐに案内所がありました。
「すみません。持ち運べる無料の英語の地図はありますか?」と受付にいた女性に聞いてみると。
「ありません」
「じゃあドイツ語でもいいんですけど」
「それもないです」
不屈のゲルマン魂も萎えそうなくらいのつれない返事。すごすごと案内所を出ると、ただっ広い通路の斜め向こうにこんなものが。

携帯できるものは手に入りませんでしたが、地図にありつけて一安心です。よかった。


つまりは「オリンピック周遊道」ですね。一瞬5つの輪っかが「知恵の輪」みたいに入り乱れている「五輪マーク」を想像して「道迷いしないかな」と不安になりましたが、普通の周回路のようです。
今回は基本的にこの「オリループ」に沿って進むことにします。「オリループ」の地図だと右上からスタートして池の上側を左下に向かい、そこから池の反対側を通って「オリンピア山」に登頂し、出発地点に戻ります。
ちなみに3つ上の地図だと左下がスタート地点で右上に向かいます。なぜ隣り合った地図で上下が逆になっているのかは不明。「ドイツ人意外と雑」説。笑
オリンピア山以外にも見どころ山盛り!

ぽかぽか陽気で半袖の人も多いです。つい昨日までオーストリアのチロルのツィラータール地方のマイヤーホーヘェンというスノーリゾートで雪遊びを楽しんでいたのがウソのよう。

しかし!


形的にシュトゥットガルトのテレビ塔を思い出しますね。
シュトゥットガルトのものをコピーしたテレビ塔があちこちにつくられたという話でしたから、これもその一つなのでしょうね。
このオリンピックパークには「メインスタジアム」だけでなく様々な競技場があります。競泳が行われたプールでは、泳ぐ人たちを見ながらのカフェ。

「オリンピアハレ(オリンピックホール)」は体操とハンドボールの会場になったところ。その後改装されて座席数は1万5500。



山というか丘。というか「古墳みたいだな」と感じました。
「標高564メートル」もあると全然感じられないことの種明かしをすると…じつはドイツ南部に位置するミュンヘン市、ヨーロピアンアルプスにもほど近いので標高は海抜520メートルもあるのです。よってオリンピア山の麓から山頂までの高低差もあまりないのでしょうね。
ちなみにこのオリンピック公園。もとはドイツ軍の飛行場だったところで、戦後はアメリカ軍がそのまま使用していたとのこと。つまりは真っ平らだったところに池を掘って、その土でオリンピア山をつくったのでしょうね。「古墳みたいだな」という感想、あながち的外れでもなかったです。
せっかくだからメインスタジアムにも入ってみます。



「ここでやるヤツいねえよ!」と思いながら、結構「頭は5歳」の私の同類も多いのかもしれません。
そしてオリンピア山登頂開始です!

でもすぐに少し急な坂に。



登り始めてほんの2~3分で頂上に到着しました。



360度の眺望があるので「日の出」も楽しめそうです。
オリンピア山から下りて、池を一周するような形で遊歩道を進んで駅に向かいます。プチハイキングはもちろん、様々な歴史と今に思いを馳せたり、ミュンヘン市民の生活に触れたりできて、とても素晴らしい2時間でした。
日本語で書かれた「ミュンヘンのオススメ観光地○選」みたいなサイトでこの「オリンピアハレミュンヘン」が紹介されることはほとんどありません。もちろん歴史的な名所旧跡が素晴らしすぎるからでもあるのでしょう。
【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら!
ドイツ観光局
http://www.germany.travel/ (英語サイト)
https://www.germany.travel/en/campaign/german-local-culture-jp/taste.html(日本語サイトですが英語サイトよりも情報が少ないです)
フィンエアー
https://www.finnair.com/jp-ja
「日本から一番近いヨーロッパ」であるヘルシンキ経由で、欧州約70都市へ。羽田・成田・中部・関空の4空港就航。