アメリカをのんびり歩いたのは初めて!いよいよコネチカット州へ【プロハイカー斉藤のアメリカ東海岸トレイル行状記 vol.13】 | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2024.02.12

    アメリカをのんびり歩いたのは初めて!いよいよコネチカット州へ【プロハイカー斉藤のアメリカ東海岸トレイル行状記 vol.13】

    2023年10月、世界各国のロングトレイルを次々と踏破している日本で唯一のプロハイカー・斉藤正史さんが、アメリカ東海岸にある「ニューイングランドトレイル」に挑みました。マウント・トム・ステート・リザベーションのトレイルヘッドから4マイルだけを、時間をかけて歩く予定で出発したら、思いがけず素晴らしい風景に出会いました。

    マウント・トム・ステート・リザベーション州立公園。

    いざ、コネチカット州へ

    夜中、尋常じゃない汗で目覚めた。3度繰り返すと朝を迎えていたのでした。体調は悪くありませんでしたが、もう少し眠りたい。そんな体の状況でした。

    約束の時間より少し早めにパッキングを終え、ポートレイトを待っていると、時間ピッタリに迎えに来てくれました。ポートレイトの実家前を通り、先へ進む。「買うものは無い?大丈夫?」と何度も確認してくれるポートレイト。トレイルヘッドに着くとまたしばらく会えなくなる。お互いにどこか寂しさを感じていたのかもしれません。(これまでのお話は、記事最後の「あわせてよみたい」をチェック)

    髪を切ったポートレイト、若返ったような。

    「来年、残り半分歩きに来るよ!また、来年会おう!」僕はポートレイトと固い握手を交わした

    そう、今回スルーハイク(一気に歩く方法)で歩く予定でしたが、コロナウィルスの隔離期間もあって、急げず、症状をみながら歩く行程となって、スルーハイクは不可能と判断しました。残りの日数で歩ける範囲を考え、ニューイングランドトレイルのちょうど半分の地点イーストグランビー近くのメタコット・トレイル・トレイルヘッドでトレイルを終えることに決めたのでした。

    今日は、マウント・トム・ステート・リザベーションのトレイルヘッドから4マイルだけ歩くことにしていました。なぜなら、メタコット・トレイル・トレイルヘッドまで残り32マイル(52km)程度です。普通なら2日で歩きますが、今回はフライトに合わせて5日かけて歩く予定を組みました。早く着いて高いホテルに1週間も泊まるほどの予算も無かったですし、たまにはアメリカのトレイルをゆっくり歩くのもいいかなと思ったわけです。

    トレイルヘッドを登り切ると見えるコネチカット川。

    公園内だけあって見晴らし台にはベンチ多めです。

    ゆっくり歩いていたらご褒美が待っていた

    ゆっくり歩いても、僅か4マイル。早い時間にテントを張る予定地に着いたのですが、思いのほか人通りが多く、近くのビジターセンターは閉鎖していて水道もありませんでした。この先のルートを地図で確認すると、尾根沿いを歩くようで、水場はありません。仕方なく近くの小川で水を汲み、歩きながら良い場所を探すことにしました。

    このエリアは、ビューポイントが点在しているからか、多くのデイハイカーを目にしました。細い尾根も続きます。キョロキョロしながら歩くのですが、テントが張れそうな場所はほぼありませんでした。

    ルートを歩く人に邪魔にならない最高の位置でした。

    やがてトレイルは分かりにくいエリアに入り、人気が無くなってきました。完全にノーアイディアでどうしようか考えながら歩いていると、ふと景色のいい少しひらけた場所に着きました。写真を撮ってふと見渡すと?! ここテント張れそうかも?思いました。

    椅子を組み立て、座ってしばらく景色を眺めました。よし、ハイカーは全く通らない。ここしかない。そう思いました。

    何時間こうしてくつろいだのでしょうね。椅子もってきて良かった!

    そして夕暮れ。

    テントを立ててから何時間、椅子に座ってぼーっと景色を眺めていたのでしょう。いつものペースで歩いていたら、こんなにゆっくり景色を見ることはありません。

    コロナにかかったおかげで、美しい1日の終わりに時間を費やせたなと思いました。こんな風に時間をかけて歩くのもいいですね。終わりよければすべてよし。最高の夕暮れでした。

     

    New England Trail公式サイト

    私が書きました!
    プロハイカー
    斉藤正史
    2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。また、BE-PAL.netにて「TOKYO山頂ガイド」を連載中。

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