今回は、シドニー王立植物園の楽しい歩き方を紹介します。
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子ども向け自然教育イベントとシドニー王立植物園
オーストラリアでは学校に行かずに、子どもが家庭で教育を受ける「ホームスクーリング」という制度があります。その選択をする家庭は少数派ではありますが、その数は毎年増加傾向にあります。今回は、ホームスクーリングをしている家庭向けのイベントに小学生の息子と参加しました。
会場となったシドニー王立植物園はオペラハウスのすぐ近くにあります。広さ30ヘクタールの敷地で、世界中から集められた約8000種類の植物を観ることができます。

イベントでは、植物園で過ごしながら、州で定められている教育カリキュラムに沿った内容を実践的に学びます。このイベントは年に4回、定期的に開催されています。
低学年(小学2年生まで)と高学年(3年生以上)のグループに分かれ、園内専属のインストラクターと一緒に園をまわります。私たちが参加したのは低学年のグループです。1グループにつき約20人弱の子どもがいました。

絵本の世界へ パメラ・アレン作「Alexander’s Outing」
まず、大きな木の下に座り、インストラクターに絵本を読んでもらいました。オーストラリアで有名な絵本作家のパメラ・アレンの作品「Alexander’s Outing」(アレクサンダーのおでかけ)。
こちらはシドニーが舞台となっていて、アレクサンダーをはじめとするカルガモの家族がここ、王立植物園の池に住んでいるという設定なのです。算数や理科の概念が学べる絵本としても有名です。


木陰が気持ちよく、ゆったりとした気分でお話を聞くことができました。絵本では、この植物園と同じ風景が登場するので、まるで私たちも絵本の中の世界にいるかのような気分になります。出かける前に、目的地に関連した絵本を読むと、気分が上がるんだなということがよくわかりました。普段の外出にも活かせそうなアイデアです。
絵本が読み終わったので、いざ、カルガモのアレクサンダーが住んでいる世界へ出発です。
算数、理科、チームワーク
カルガモのアレクサンダーが住んでいる池にやってきました。カルガモ以外にも、オーストラリアセキエイやアイビスなどの姿が見えます。
ここでのアクティビティは鳥の数を数えること。グループになり、各グループに鳥の写真が配られ、写真の鳥を池の周りを歩きながら探し数を数えます。その後、自分たちが数えた鳥の数を発表していき、その数をどんどん足して合計を出しました。オーストラリアに住む鳥の種類を知りながら、チームワークで数を数えるという学びです。


大きな木の下に移動してきました。木の幹の太さを測ります。まず、みんなで手を繋いで概算します。次に、メジャーを使って実際にどれくらいか計ります。子どもたちは楽しそうに積極的に参加していました。

次は、公園内で図形探し。円形、三角形、四角形、長方形など、グループごとに担当する形を探します。
インストラクターからは、「人工物と天然物の両方から探してくださいね」との指示が。これが意外と難しかったですね。人工物はすぐに見つかりましたが、天然物を見つけるのが大変でした。目も体も動かして、園内を探します。
木を指差して、「三角形を見つけた!」という子がいました。木のどこが三角形なのかなと思ったら、木の全体が三角形とのこと。確かに、全体を見ると三角形ですね。
変わり種として、みんなで六角形のものを探しました。「ヤシの木の一部が六角形に見える!」ということで、六角形を見つけることができたので大盛り上がりでした。
更に、植物園を歩きます。インストラクターから、「今から、2つの珍しい木を見に行きますよ」と説明が。どんな木があるのでしょうか。ワクワクしてきます。
生きた化石 Wollemi Pine
移動すると、ダイナソーツリーと呼ばれる木がありました。こちらの木は、約2億年前、恐竜が生きていた時代から形を変えることなく存在している種のWollemi Pineです。
この木は絶滅したと思われていたのですが、1994年にオーストラリア国内で自生しているものが発見されました。その後、Wollemi Pineの繁殖にこの植物園が関わったそうです。発見以降、絶滅から守るため、国立公園で厳重に保護されているそうです。
そう聞くとなんかロマンがあるし、特別な木に見えてきます。解説を聞くまでは何気なく通り過ぎていたんですけどね。

ボトルみたいな形のボトルツリー
もう一つの珍しい木。それがボトルツリーです。根元に近い部分がとても太く、名前の通り、ボトルのような形をしています。ボトルツリーは乾燥している地域でも生きていけるように、幹の内部がスポンジのようになっており、水をたくさん貯めています。だから、幹が太いんですね。
園内のボトルツリーは一番古いもので1800年代に植えられたもの。先住民の人々は、乾季になると、ボトルツリーに穴を開け、水源として利用していたのだとか。特徴的な見た目には理由があるんだなという発見でした。大人も勉強になります。

願いが叶うおまじない Norfork Island Pine
イベントでは紹介されていませんでしたが、植物園には、願い事の木というものがあります。木の周りを時計周りで前歩きに3周、反時計周りで後ろ歩きに3周してから、心の中で願い事をすると願いごとが叶うのだとか。縁起のいい木ですね。後日、公園に行った際に、実際にやってみました。


クイズをしながら花を観察
色とりどりの花が植えられているエリアにやってきました。
インストラクターから、「花びらに白い線が入っている理由はなんだ?」というクイズが出されました。ヒントはハチです。

正解は、ハチに花粉の場所を知らせるため。ハチは白い線を目印に、花粉がある花の中心に効率よく辿り着くことができます。白い線があることで、植物は受粉の確率を上げることができているのです。

同じような理由で、こちらは一部が黄色です。これは目立ちますね。赤い部分は花ではなく、葉の一部で、黄色い部分が花だそうです。
私たちが今いる場所は植物園。この後は花を見るたびに、花粉の場所の目印を探しました。実物を見ながら学ぶというのは、より興味深いですし、理解しやすいですね。
っという間にランチタイムになったので、木陰に座ってお昼ご飯を食べました。
先住民に関連した学び
午後は、オーストラリアの先住民に関連した学習を中心としたアクティビティ。オーストラリアの教育カリキュラムでは、先住民の文化や歴史ついて、あらゆる教科と結びつけて学ぶように構成されています。今回は、地図の作成とアートの時間がありました。先住民の絵の中に登場する形や模様は、場所や地形を表しており意味があります。
地図の作成では、2人組になり、一つの地図を完成させます。園内を歩きながら、目印を描いて地図にします。門や噴水などの特徴的な造形物、動物や目立つ植物を記号のように描いていきます。途中、木の上にいるフクロウを見つけました。フクロウの形を地図に加えます。
地図の作成と同時に、アートで使う材料集めも。落ちている木の実や葉っぱを拾います。それらを使い、子どもたちは思い思いにアート作品を作りあげていきました。

アート作品を完成させ、このイベントは終了となりました。1日で様々なことを幅広く学びました。散歩を通して、こんなに沢山のことが学べるのかと目から鱗でした。
一つのアクティビティを取っても、1教科単体ではなく、いくつかの教科を複合的に学べるということがよく分かる体験でした。もちろんインストラクターの解説がなければ、気が付かないことが多いです。でも、日常や自然活動に学びは溢れているんだということを身をもって知ることができて良かったです。
これからは、子どもとの散歩が今までの何倍も楽しくなりそうです。
Royal Botanic Garden Sydney
住所:Mrs.Macquarles Road,Sydney NSW 2000
開園時間:7:00am-日没
今回参加したイベント:
Homeschooling Learning at the gardens
https://www.botanicgardens.org.au/teachers-and-schools/excursions/all-excursions/home-school-learning-gardens




