
そんなユタ州に住む筆者の裏庭で、マガモの小さないのちが始まりました。卵があることに気づいたきっかけは、旦那さんが裏庭の草刈り中に、草むらからマガモがバタバタと羽音を立てて飛び立っていったから。
「あー、悪いことしちゃったな」と、少し気持ちがダウンしていたのですが、その日の夕方にはちゃんとお母さんガモが卵の上に座っていました。
それから約1か月間、そっと見守る自然の奇跡。さて、裏庭でマガモのヒナたちに会えるのでしょうか?
マガモがもっと好きになるクイズ4問です!
【第1問】マガモのオスの頭は特徴的な色をしています。それは何色?
a)真っ赤
b)ピンク
c)緑色
d)黄色と黒のしましま
ここ数年、毎年3月から4月頃にかけて、我が家の裏庭にマガモのペアが遊びにくるようになりました。毎年同じペアなのかどうかは分かりませんが、雨降りあとにできた裏庭の水たまりで、気持ちよさそうに泳いだり、芝生の上をちょこちょこと歩く2匹の姿にほっこり。
リビングルームから見るその光景に癒されながら、少しずつマガモの生態について学ぶようになりました。
オスとメスで、羽毛の色がまったく違うマガモですが、オスの頭はどんな特徴があるのでしょうか?


答えは「c)緑色」。オスのマガモは、日差しに当たると光沢のあるエメラルドグリーンの頭!実はこれ、繁殖期のアピールカラーなのです。
ユタ州では主に秋~初夏ごろまで、オスはこの繁殖羽を保ちます。繁殖期のピークに最も鮮やかになり、繁殖が終わると地味な羽色に変わります。
この「オスの羽の変化」を知っていると、「今は恋する時期なんだね」「今はお休み中かな」と、マガモ観察がぐっと深まりますよ。
【第2問】マガモのメスが、オスのような派手な色をしていない理由は?
a)派手だと暑くなるから
b)卵を守るため、目立たないようにしている
c)実は色を自由自在に変えられる
d)オスと喧嘩したくないから
繁殖期のオスのあの美しいエメラルドグリーンの頭と違って、全体的に地味な色をしているメスのマガモ。なぜこんなにも色が違うのでしょうか?

答えは「b)卵を守るため、目立たないようにしている」。地面に巣をつくるマガモのメスは、周囲に溶け込む茶色の模様でカモフラージュして、敵から身を守っているのです。
【第3問】マガモのメスが、卵を守るために巣作りで使うものは?
a)くちばしの先
b)足のつめ
c)背中の羽
d)おなかの羽毛
マガモの産卵シーズンは、地域によって少し差はありますが、ユタ州のようなアメリカ中西部では主に4月~6月がピーク。1日に1個ずつ、10個前後の卵を産んで、約28日間の抱卵をします。
さて、お母さんガモはどうやって卵を守るのでしょうか?

答えは「d)おなかの羽毛」。マガモのメスは巣作りの仕上げに、自分のおなかの羽毛をむしって巣に敷きつめます。これは卵の保温とカモフラージュのため。まさに母のぬくもりですね。
【第4問】マガモのヒナが巣を離れるのは、生後どのくらいでしょうか?
a)生後2週間
b)生後7日
c)生後1日以内
d)生後1か月
ヒナが誕生し、そのあと水辺へと移動して子育て期間がスタートするマガモ。その姿が見られるのを心待ちにしていたのですが…。
残念ながら巣から旅立つ姿を見逃してしまいました。それだけ、生まれてから巣を離れるまでの期間が短いのです。さて答えはどれでしょう?


答えは「c)生後1日以内」。マガモのヒナは、生まれてからたった1日以内に、お母さんのあとをついて巣を離れます。巣で過ごすのはほんのわずかな時間。早朝の静かな時間帯に、水辺へ向かって冒険が始まるのです。
裏庭で卵を発見したときから、お母さんガモのあとを追いかけて、よちよちと歩くあのかわいい姿をワクワクドキドキで待っていたので、からっぽの巣を見たときはかなりのショック(笑)。
無事に水辺までたどり着いたことを祈りながら、約1か月後!なんと、夫婦でウォーキング中に、家の近くの川で泳ぐ姿を発見したのです!
元気に「自分で生きていく準備」をしている子どもたちに会えました。もちろん、我が家の裏庭で生まれたヒナたちかは分かりませんが、そういうことにしておきます(笑)。


ユタ州は、北米大陸を南北に渡る「太平洋フライウェイ」のルート上にある渡り鳥たちの大切な中継地です。もしユタの大地を訪れる機会があれば、空を見上げたり、水辺に耳をすませてみてくださいね。