ヨーロッパ最後の秘境!?アルバニアと北マケドニアの最高峰「コラブ山」は想像以上にワイルドだった! | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

山・ハイキング・クライミング

2026.03.11

ヨーロッパ最後の秘境!?アルバニアと北マケドニアの最高峰「コラブ山」は想像以上にワイルドだった!

ヨーロッパ最後の秘境!?アルバニアと北マケドニアの最高峰「コラブ山」は想像以上にワイルドだった!
ヨーロッパ各国をキャンピングカーで巡りながら、訪れた国の最高峰に登る、という少しユニークな挑戦を続けている私たち夫婦。これまでに20カ国の“てっぺん”に立つことができ、次に目指したのはアルバニアと北マケドニアの国境にそびえるコラブ山です。

標高2,764mのコラブ山は、両国の最高峰であり、かつては年に一度しか登れなかったという特別な存在。

これまで登ってきた整備されたアルプスの山々とはまったく違う、観光地化されていないこの場所に広がっていたのは、静けさと荒々しさがそのまま残る、まさに“秘境”と呼びたくなるような世界でした。

2つの国の最高峰「コラブ山」とは?

現地では「ゴレム・コラブ(Golem Korab)“大きなコラブ”」と呼ばれ、両国の最高峰として知られています。

Mount Korab(コラブ山)は、アルバニアと北マケドニアの国境上にそびえる標高2,764mの山で、両国の最高峰でもあります。山頂に立てば、“一度に2つの国のてっぺん”に立てるという、なんとも特別な一座です。バルカン半島を縦断するディナル・アルプス山系の一部で、険しい岩稜と広大な草原が織りなす、手つかずの自然が広がる風景です。

アルバニアは1990年頃まで鎖国体制が続き、外国人の入国は厳しく制限されていました。そのため、国外からの登山者はほとんどいませんでした。さらに、国境地帯に位置することもあり、登山規制が厳しく、かつては年に一度の解禁日だけしか登ることができませんでした。そのため、登頂できるのはほんの一握りの「レアな山」として知られていました。

現在では規制もなくなり、アルバニア側・北マケドニア側のどちらからも自由に登山が可能となっています。それでも観光地化はほとんどされておらず、山本来の静けさを残す、まさに“秘境”と呼ぶにふさわしい存在感を放っています。

登山口はアルバニア奥地の小さな秘境村

ラドミレの村は、時間がゆっくり流れているような、素朴な暮らしの風景が残っていました。

コラブ山へのスタート地点は、アルバニア北東部の山あいにひっそりと佇む小さな村、Radomirë(ラドミレ)です。これまで訪れてきたヨーロッパの山々との大きな違いは、圧倒的な情報の少なさでした。登山ルートや登山口までのアクセス情報はインターネットにもほとんど見当たらず、未知の世界に飛び込むような、ワクワクと緊張が入り混じる感覚でした。

【海外登山初心者必見】100本以上の海外トレイルを歩いてわかった!現地ルートの探し方とおすすめ便利アプリを紹介

キャンピングカーで本当にたどり着けるのか?、駐車できる場所はあるのか?、これまで以上に情報収集に時間と手間がかかり、訪れる人もごくわずか、という雰囲気が漂っていました。

山あいの道を進んでいくと、少しずつ秘境の雰囲気が濃くなっていきます。

村へ向かう道中の山道は、曲がりくねった道が続き、奥に進むたび「この先に本当に最高峰へと続く村があるのだろうか…」というドキドキでいっぱいでした。

ラドミレの村に到着すると、そこは小さな集落のようで、地元の人たちがひっそりと暮らし、日常生活の気配だけがそっと残る場所でした。専用の駐車場などないため、事前にホテル・ラドミレに連絡を取り、ホテルの駐車場での車中泊の許可をいただきました。オーナーの方はとても親切で、この地域のことを教えてくれたり、トイレを自由に使っていいと声をかけてくれたりと、温かく迎えてくれました。

ホテル・ラドミレは、宿泊や食事もでき、コラブ山への拠点としてとても便利です。

コラブ山の頂上を目指して登山スタート

登山の序盤は、木々に囲まれたトレイルをゆっくり登っていきます。
下に見えるのはラドミレ村。秋色に染まった谷の風景が広がります。

翌朝、私たちはコラブ山の頂上を目指して歩き出しました。スタート地点のラドミレからのルートは、往復約16km、標高差約1,400m、所要時間はおよそ7時間とされています。危険な箇所はほとんどなく、比較的登りやすいルートで、登山初心者でもチャレンジしやすい山です。

森を抜けると一気に視界が開けて、見晴らしのいい草原の斜面をひたすら登っていきます。

序盤は緩やかな登りが続く登山道で、人工物が一切ない、手付かずの自然の中を進んでいきます。

私たちが訪れたのは10月下旬。灰色の岩肌と、秋色に染まり始めた草原のコントラストが印象的で、整備されたアルプスの山々とはまた違う、どこか野性味のある風景が広がっていました。

秋枯れの草原と荒々しい岩山。ワイルドな風景の中を進みます。

これまでヨーロッパ各地の山を登ってきましたが、国や地域が変わると、出会う動植物や広がる風景も驚くほど違います。そんな自然の違いを観察するのも、各国の最高峰を巡る旅の楽しみのひとつです。

登山道のあちこちで見かけたサラマンダー。足元をゆっくり横切っていきました。

登山道では、黒い体に黄色い斑点が特徴のファイアサラマンダーを何度も見かけました。この地域特有のイモリの仲間で、皮膚から弱い毒を出すので触れないように要注意!

道中に人の姿はほとんどなく、静寂の中ほぼ貸切状態で歩くことができました。周りには岩稜や草原の風景がどこまでも続き、後ろを振り返ると遠くに見える山並みが息をのむほど美しく、歩きながら何度も立ち止まって景色を眺めてしまいました。

静けさに包まれた山道を、景色を楽しみながら進んでいきます。
前方にも後方にも、雄大な山々の景色が広がります。

登山の中盤に差しかかると、晴天だったのに天気が徐々に変わり始め、周囲は深い霧に覆われてしまいました。視界はあたり一面、真っ白な世界に変わってしまい、神秘的で少し緊張感のある雰囲気です。地図アプリで現在地をしっかり確認していきながら、迷わないように一歩一歩慎重に進んでいきました。

霧が濃くなり、足元には雪も現れ始めました。

アルバニア&北マケドニア、2つの国のてっぺんへ

終盤に差しかかると、やがてアルバニアと北マケドニアの国境にあたる稜線へと出ました。右手には北マケドニア、そして左手はアルバニア。2つの国の間を歩いていると思うと、なんとも不思議な気分です。

技術的には難しくないものの、霧に包まれているので少し緊張します。

ここからは、頂上に向かってなだらかな尾根道を進んでいきます。ところが、稜線に出た途端、風は一気に強まり、みぞれまで振り始めました。体に叩きつける冷たい風とみぞれに、思わず身をすくめてしまうほどの寒さです。それでも頂上はもうすぐそこ。

コラブ山の頂上まであと少し!

風に飛ばされそうになりながらも足を早め、最後のひと登りを越えると、ついにコラブ山の頂上に到着です。

標高2,764mのコラブ山の頂上に着いたぞー!

頂上に立った瞬間、さっきまでの吹雪が嘘かのようにぴたりと風が止み、周囲は驚くほど穏やかな空気に包まれました。残念ながら、あたり一面は濃い霧に覆われていて、頂上からの景色を見ることはできませんでした。それでも、派手な絶景はなくても、この山に登り切ったという深い達成感が胸に広がります。

霧に包まれたコラブ山の山頂標識。周囲は真っ白で、静かな空気に包まれていました。

ここはアルバニアと北マケドニア、2つの国の最高地点。2カ国の“てっぺん”に同時に立っていると思うと、なんとも不思議な感覚です。静かな頂上でしばらくその余韻を味わいながら、私たちは2つの国のてっぺんに立った喜びをかみしめていました。

一度に2つの国の最高峰への登頂に成功!

ヨーロッパ最後の秘境で感じた、大自然のスケール

コラブ山は、2つの国の最高峰ではありますが、ヨーロッパの山としてはまだ知名度が高いとは言えず、登山者も多くありません。だからこそ、観光地化されていない静けさと、手つかずの自然がそのまま残されており、「ああ、まだこんなヨーロッパが残っていたんだ」と感じられました。

ダイナミックな山々に野性的でスケールの大きな自然。その空気を全身で感じながら歩く時間は、とても貴重な体験となりました。

キャンピングカーでヨーロッパを巡りながら、各国の最高峰に登る私たちの旅はまだまだ続きます。次はどの国の“てっぺん”に立てるのか。次回の旅もお楽しみに。

ルアナさん

トラベルライター

2023年1月から夫婦でキャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを周遊中!登山、キャンプなどのアウトドアが大好きで、ヨーロッパでもアルプスや色んな地域の山を登っています。夫婦の長年の夢だったキャンピングカー暮らしで旅をして、有名観光地だけでなく、ガイドブックにも載っていないような秘境スポットをどんどん巡り、キャンピングカーライフや海外登山などリアルな体験談をお届けします。

あわせて読みたい

【ヨーロッパ名峰登山記】神々の住処にしてギリシャ最高峰の「オリンポス山」で実感した荘厳さ

【ヨーロッパ名峰登山記】神々の住処にしてギリシャ最高峰の「オリンポス山」で実感した荘厳さ

ヨーロッパ・チェコ最高峰「スニェシュカ山」の大パノラマ体験!足での登山ならではの景色

ヨーロッパ・チェコ最高峰「スニェシュカ山」の大パノラマ体験!足での登山ならではの景色

キャンピングカーに登山・キャンプギアから日用品まで全部入れてみた!旅する夫婦の収納術

キャンピングカーに登山・キャンプギアから日用品まで全部入れてみた!旅する夫婦の収納術

NEW ARTICLES

『 山・ハイキング・クライミング 』新着編集部記事

【2026】全国おすすめ低山59選!初心者も楽しめる人気の山へ低山ハイクに出かけよう

2026.03.07

【ヨーロッパ名峰登山記】神々の住処にしてギリシャ最高峰の「オリンポス山」で実感した荘厳さ

2026.02.28

北海道でトレッキングするなら?初心者にもおすすめの山歩きスポット11選

2026.02.24

関東のハイキングスポット45選!初心者でも楽しめるコツやおすすめの山を厳選

2026.02.16

笑顔は世界共通語! セルビアの最高峰「ミジョル山」で待っていた心あたたまる“乾杯”

2026.02.09

四国の山登りスポットを厳選!初心者にもおすすめの絶景を楽しめる13選

2026.02.06

静岡県のおすすめ登山ルート8選!難易度と絶景ポイントも紹介

2026.02.02

温泉や絶景を楽しめる!栃木県のおすすめ山登りスポット7選

2026.01.31