罰金も!? キャンピングカーで3年間ヨーロッパを走り続けてわかった国境を越える際の注意点まとめ | キャンピングカー・車中泊 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.10.24

    罰金も!? キャンピングカーで3年間ヨーロッパを走り続けてわかった国境を越える際の注意点まとめ

    罰金も!? キャンピングカーで3年間ヨーロッパを走り続けてわかった国境を越える際の注意点まとめ
    陸続きのヨーロッパでは、日本の県境を超えるような感覚で、比較的簡単に次々と国を移動できるのが魅力です。車を走らせて国境を越えると、景色や町並み、建物の造りや色使いまでガラリと変わり、数キロしか走っていないのに「ここはもう別の国なんだ!」と実感させられます。そんな風に文化の違いを肌で感じられるのも、ヨーロッパを車で旅する醍醐味のひとつ。

    しかし、国が変われば当然ルールも文化も変わってくるので、ちょっとした“注意”や”事前のチェック”は欠かせません。今回は、キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを旅している私たち夫婦が、「国境を越える前に必ず確認していること」をご紹介します。お得に旅する情報もあるので、これからヨーロッパを車旅してみたい方や、バンライフに興味がある方の参考になれば嬉しいです。

    “走る家”と共に旅をして気がつけば3年。訪れた国は27カ国に

    キャンピングカーで旅をしながら、これまでさまざまな国を訪れてきました。

    私たちはキャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを周遊している夫婦で、気がつけばもうすぐ3年が経とうとしています。車内には、コンパクトながらトイレやシャワー、キッチン、ベッドなども完備。バンライフを楽しみながら、これまで南欧から北欧まで、27カ国を巡ってきました。

    時には陸路だけでなく、キャンピングカーごとフェリーに乗せてデンマークからノルウェーへ渡ったり、フィンランドからドイツへと海を越えることも。こんな風に、陸路も海路も自由自在に旅できるのがヨーロッパ周遊の大きな魅力です。

    【キャンピングカーでヨーロッパ周遊旅行】夢のためにすべてを手放し夫婦で人生最大の冒険へ

    簡単に国を行き来できるとはいえ、国が変わればルールも変わり、知らずに入国してしまうと、「知らなかった…」では済まないことも実際にあります。私たちが国境を越える前にいつも確認しているポイントを、リアルな体験をもとにまとめてご紹介します。

    1. 各国の道路ルール・交通標識の違いに注意!

    国が違えば交通ルールも違う!標識の違いに戸惑わないよう、事前チェックで安心ドライブを。
    • 右側通行と左側通行の国:ヨーロッパのほとんどの国が右側通行ですが、イギリスやアイルランドなどは左側通行なので、注意が必要です。
    • スピードの制限値:高速道路は多くの国で120〜130km/hが上限ですが、ドイツのアウトバーンには速度無制限の区間もあります。市街地では50km/h以下、住宅街では30km/hなどが一般的。国境を越えるとき、速度制限標識がまとめて表示されることが多いので、見落とさないようにしましょう。
    • 有料高速道路:日本のように料金所で通行料を払う国もあれば、ヴィニエットと呼ばれる通行許可ステッカーを事前に購入して、フロントガラスに貼らなければならない国もあります。高速道路の入り口にゲートなどなく、知らずにステッカーなしで走行してしまうと、あとで高額な罰金を請求されるので注意が必要です。最近では、ナンバープレートを登録する電子システムも増加中。ヴィニエット(ステッカー)・電子登録制度がある国:オーストリア、スイス、スロベニア、ブルガリア、ルーマニアなど。通行料金を都度支払う制度の国:フランス、イタリア、スペイン、ギリシャなど。
    • 都市部の環境規制ゾーン(Low Emission Zone):いくつかの都市の中心部では、大気汚染を減らすことを目的に、特定のエリアに対して車両の進入や通行を制限する区域があります。対象となる車両は、古いディーゼル車やガソリン車などです。基準を満たさない車は罰金の対象になるので、自分の車がそのゾーンに入れるか事前に調べる必要あります。環境規制ゾーンがあるエリアは、ドイツのベルリンやフランのパリ、イタリアのミラノ、ローマなど多数。主に観光都市なので注意しましょう。

    このほかにも、各国の細い道路ルールがたくさんあるので、入国する前に毎回チェックするようにしています。

    2. 言葉の違い

    ちょっと走っただけなのに、看板の言葉がガラリと変化!ヨーロッパ旅あるあるに、はじめはビックリ。

    ヨーロッパは陸続きでも、それぞれの国が独自の言語を持っており、「言葉の壁」を感じる瞬間がよくあります。「英語が通じるんじゃない?」と思われがちですが、実際には英語が通じない国や地域も多いです。観光都市などでは比較的通じますが、田舎町などでは現地の言葉しか通じないこともあります。

    また、同じ国でも地域によって異なる言語や方言が話されていることがよくあります。例えばスイスの公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つ!そのため、訪れる前にその国・地域で使われている言語を調べておくのがおすすめです。

    Google翻訳などの翻訳アプリをスマホに入れておくと、ネット環境がない場所でも使えるので便利です。 さらに「こんにちは」「ありがとう」などの基本的なあいさつを現地語で覚えておくと、現地の人とのコミュニケーションがスムーズになり、旅がもっと楽しくなります。

    3. 通貨と支払い方法

    「これってユーロでいくら?」ユーロ圏から非ユーロ圏に入った途端、物価感覚が迷子に。

    「ヨーロッパ=ユーロ」と思いがちですが、実はすべての国がユーロを使っているわけではありません。スイス(スイスフラン)、デンマーク(クローネ)、ノルウェー(ノルウェー・クローネ)などが非ユーロ圏で、ルーマニアやアルバニアをはじめ、東ヨーロッパの多くの国々もユーロを採用していません。

    とはいえ、近年はクレジットカードなどのキャッシュレス決済も広く普及しており、通貨が違っても支払いに困ることは少なくなってきました。ただし、ローカルな市場や地方や小さな商店、一部のコインランドリーや給水設備などでは、「現金のみ」のところもあります。少額でも現地通貨もしくはユーロを持っておくと、いざというときに安心です。

    4. ビザや滞在可能日数の確認

    シェンゲン圏内なら、拍子抜けするほどあっさり国境越えできちゃう!

    ヨーロッパには「シェンゲン協定」と呼ばれるビザ制度があり、加盟国間では90日以内であれば、国境検査などなく自由に国々を行き来できるようになっています。対象となるのはフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、ベルギーなど、多くの西・中欧諸国です。日本のパスポートで観光として入る場合、最大90日間滞在可能ですが、それを超える場合にはビザの取得が必要になります。

    一方で、アルバニア、セルビア、北マケドニア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナなどは非シェンゲン国で、それぞれ独自のビザルールが存在します。シェンゲン圏とはカウントが別になるため、「シェンゲン圏で90日間を消化したあと、非シェンゲン国に移動して“リセット”期間にあてる」という旅のスタイルも可能です。

    ちなみに、私たちはヨーロッパのパスポートを持っているため、シェンゲン圏内ならビザなしで自由に滞在ができます。ただし、非シェンゲン国に入る際には、国ごとに滞在可能日数や条件を事前に確認するようにしています。うっかりオーバーステイすると罰金や再入国禁止といったリスクもあるので要注意です。

    5. SIMカード・インターネット環境のチェック

    旅にインターネットは欠かせない。でも、意外と無料Wi-Fiは少ないのが現実。

    道順の確認、天気のチェック、キャンプ場の検索や予約、そして翻訳アプリの使用など、旅のあらゆる場面でインターネットは欠かせない存在です。でも、国境を越えた瞬間にネットが突然つながらなくなるというのは、ヨーロッパ旅あるあるのひとつ。

    ヨーロッパではEU圏内での「ローミング化」が進んでおり、EU加盟国で発行されたSIMカードなら、ほとんどのEU加盟国で追加料金なしでインターネットの利用ができます(※プランによってはデータ上限の制限がある場合も)。ただし、スイス、アンドラ、アルバニア、モンテネグロなどのEU非加盟国に入るとローミング対象外になります。ローミングがオンのままだと、気づかぬうちにデータ通信が行われてしまい、思わぬ高額請求につながることもあるので要注意です。

    ヨーロッパを広く旅する場合は、使用するSIMがどの国までカバーしているのか、ローミングの条件はどうなのかを事前に確認することがとても大切。また、国ごとにプリペイドSIMを購入する方法もあります。ネットがつながらないと、ナビが使えなかったり、キャンプ場の情報を調べられなかったりと、想像以上に不便なので、事前に対策しておくと、旅がスムーズでストレスフリーになります。

    6. 車中泊のルールとマナー

    自由とはいえど、キャンピングカー旅でも各国の車中泊ルールやマナーをしっかり守ることが大切です。

    これは、私たちのようにキャンピングカー旅をしている人向けになりますが、事前に各国の車中泊事情を調べておくことはとても重要です。ヨーロッパではキャンピングカー文化が広く浸透していますが、国や地域によってルールが大きく異なります。

    公共の駐車場での車中泊がOK、あるいは比較的寛容な国もあれば、スイスやオランダのように、公共スペースでの車中泊が法律で禁止されている国もあります。違反すると罰金を取られるケースもあるので注意が必要です。

    私たちは事前に、無料で利用できるRVパークや車中泊スポット、もしくは有料のキャンプ場をチェックするようにしています。その際に使っているのが、「Park4Night」というアプリ。ユーザーが実際に泊まった場所の情報を共有していて、無料・有料、設備の有無、周囲の環境などを確認できるので、初めての土地でも安心して車中泊スポットを見つけられます。

    キャンピングカー旅の本場・ヨーロッパでの車中泊スポットの見つけ方!便利なアプリや治安事情も

    7. 燃料価格とスーパーマーケット事情

    安い国で給油して、燃料代を節約。小さな工夫が長旅の助けになっています。

    ヨーロッパを車旅していると、特に出費がかさみやすいのが「燃料費」と「食費」です。国によってガソリンやディーゼルの価格に大きな差があるため、知らずに移動して「え、隣の国の方が全然安かった…!」と後悔することもしばしば。例えば、スイスのディーゼル価格が約CHF 1.77/リットル(約334円)に対し、スペインでは約€1.40/リットル(約245円)と、かなりの差があります。(※2025年10月現在価格。)そのため、国境付近で「どっちの国で給油する方がお得か?」を事前にチェックしておくだけで、意外と大きな節約につながります。

    そして、スーパーマーケットも国によって物価や品揃えに大きな違いがあります。北欧や西ヨーロッパでは食材の物価が全体的に高めなのに対し、スペインやポルトガル、東欧やバルカン半島の国々では驚くほどリーズナブルです。

    安い国で食材をまとめ買いすることも。

    私たちのお気に入りは、「Lidl(リドル)」というドイツ発のディスカウントスーパー。ヨーロッパ各地で見かけることができ、価格もリーズナブルで品揃えも良く、食材から日用品まで一通り揃うのでとても便利です。お財布にも優しい旅をするために、こうした各国の価格差やお得情報をちょっと意識しておくのがおすすめです。

    8. 各国の祝日・サマータイム・時差

    国ごとに祝日や時差、サマータイムもバラバラなので、「せっかく訪れたのにお店がやっていない!」「集合時間を間違えた!」といったことがないよう、事前のチェックが重要です。ドイツなどでは、祝日や日曜日は大型スーパーやガソリンスタンドも完全に閉まっているため、買い物のタイミングには注意が必要です。また、スペインやイタリアでは“シエスタ”の文化が今も根強く、午後1時~4時ごろまで商店や役所が一時的に閉まることがあります。

    そして意外にややこしいのが、ヨーロッパ内の時差。例えば、ポルトガルはお隣のスペインより1時間遅かったり、フィンランド、ギリシャ、ブルガリア、ルーマニアは中央ヨーロッパより1時間進んでいたりと注意が必要です。実際にギリシャからアルバニアに入ったとき、1時間遅れているので、「あれ?時間が巻き戻った??」とびっくりしたことがあります。

    さらに、3月下旬~10月下旬はサマータイム(夏時間)が導入されるため、時差がさらに1時間変動することもあります。フェリーの出港時間を間違えたり、予約に遅れたりというトラブルを防ぐためにも各国の時差や祝日などしっかり把握しときましょう。

    車でめぐるヨーロッパ、国境を越えるたび、新しい旅が始まる

    ヨーロッパでの車旅は国境を超えるたびに、まるで違う世界に入り込んだような感覚になり、ひと味違った楽しみがあります。各国の言葉や、通貨、ルールの違いに少し戸惑いますが、事前にポイントをしっかり確認しておけば、トラブルなく快適な旅が続けられます。

    また、今回ご紹介した内容以外にも、国境を越える際にはパスポートや運転免許証、車両の登録証(車検証)、車の保険証書などの必要書類を携帯しておくことが基本です。国によっては提示を求められることもあるので、忘れずに準備しておきましょう。

    自分たちのペースで、自由気ままに国境を越えていく車旅、きっと最高の思い出になること間違いなしです!

    ルアナさん

    トラベルライター

    2023年1月から夫婦でキャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを周遊中!登山、キャンプなどのアウトドアが大好きで、ヨーロッパでもアルプスや色んな地域の山を登っています。夫婦の長年の夢だったキャンピングカー暮らしで旅をして、有名観光地だけでなく、ガイドブックにも載っていないような秘境スポットをどんどん巡り、キャンピングカーライフや海外登山などリアルな体験談をお届けします。

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