
私たち夫婦は、2年半以上にわたってフルタイムでキャンピングカー暮らしをしており、これまでさまざまなトラブルを経験してきました。
しかし、旅先でそんなトラブルに遭遇したときに限って、近くに整備工場やホームセンターがないこともしばしば。そんな時に「これがあって本当によかった!」と私たちを助けてくれた修理工具やアイテムを今回はご紹介します。
車に常備しておくことで、日々のメンテナンスをしたり、小さなトラブルを解決したりと便利なアイテムばかり。車中泊旅を安全、快適に続けるために、ぜひ参考にしてください。
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キャンピングカー生活で起きがちな不調・故障とは?

私たち夫婦は、キャンピングカー暮らしを始めて2年9カ月が経過し、自由で魅力的な日々を送っています。しかし、その自由の裏側には、想像以上に多くの「不調」や「故障」との付き合いが待っていました。
キャンピングカーは「家と車」がひとつになった特殊な構造。そのため、走行中の振動や気温・湿度の変化、経年劣化などの影響を受けやすく、小さな不具合が、やがて大きな故障につながることも少なくありません。
キャンピングカーでよく起こるトラブル
日々の振動によるネジのゆるみ
キャンピングカーは走るたびに振動が加わり、棚や家具、照明などの装備のネジが少しずつ緩んできます。たまに、ふと床を見るとどこのかもわからないネジや部品が転がっていることもあり、ヒヤッとすることも。今では定期的にドライバー片手に「ネジ点検日」を設けています。
水回りトラブル
蛇口の根元やシンク下の配管から水漏れ。気温差や湿気、乾燥などが原因で、ゴムパッキンやプラスチック部分が劣化し、気づかないうちに亀裂が入り、破損してしまうこともあります。
水道ポンプの故障・不調
水道ポンプは本当に故障しやすい部分で、これまでに3回も交換しました。定期的なメンテナンスも欠かせません。
車体や窓まわりのコーキング
雨風や紫外線などで劣化が進むと知らないうちに雨漏りが発生して、車内の壁や床が水浸しになることも。定期的なコーキングの張り替えが必要になります。
電気系トラブル
振動や湿気による配線の不具合でサブバッテリーや照明、家電などが突然使えなくなることも。
こうした不具合は、どれも突然起こるのが困りもの。旅先ではすぐに修理できる場所が見つからなかったり、あっても高額な修理費がかかったり…。だからこそ、時には自分で積極的に修理に挑戦し、“できるものは自分で直す”というスタンスで、修理道具や予備パーツを常に車に積んでいます。

プロの専門技術が求められるトラブルもありますが、自分でなんとかできるケースも少なくありません。そんなトラブルを乗り越えてきた私たちが、「持っててよかった!」と実感したおすすめ修理アイテム10選をご紹介していきます。
キャンピングカー旅で持ってて助かった修理道具10選
1.ドライバーセット

車中泊旅での救世主で、一番使用頻度の高い修理工具です。ネジのゆるみを締め直すのはもちろん、水道ポンプの交換やDIY修理にもオールマイティーに活躍します。プラス・マイナス、サイズ違いのものを揃えておくと、いざという時も安心です。
2.ペンチ/ラジオペンチ

配線の処理や金属パーツの取り外し、曲げ加工など、細かい作業に欠かせません。針金や配線を切ったり、壊れた金具を応急処置する時にも重宝します。
3.レンチ

車体のボルトやナットなどのパーツを緩めたり、締めたりに使います。替え特にガスボンベの取り替えや水道設備のパーツ交換など、力のいる作業には欠かせません。サイズ違いで何本か持っておくと対応の幅が広がります。
4.結束バンド

結束バンドは車中泊の大きな味方!配線をまとめたり、棚や備品の仮固定、壊れた箇所の応急処置まで用途は無限。軽くてかさばらないので、多めにストックしておくと良いです。
5.WD-40(潤滑スプレー)

キャンピングカーは古いので、錆びている箇所も多く、窓や扉が「キィキィ」鳴ったり、鍵穴が固くなって開かなかったりが多々あります。そんな時に頼れるのが、潤滑スプレーです。シューと吹きかけるだけで、動きがスムーズになり、ストレスも解消!潤滑だけでなく、防サビ・防湿の効果もあり、金属パーツのメンテナンスに大活躍するので、1本あると本当に重宝します。
6.接着剤/テープ類

小さな破損や応急補修に強力接着剤や防水性のある粘着テープがあるととても便利です。私たちも、冷蔵庫の扉を閉じるプラスチックのパーツが壊れた時に接着剤でくっつけたり、シャワーホースの水漏れには漏水補修用テープで応急対応したことがあります。ダクトテープや、防水テープ、両面テープなど用途や場面に合わせていくつか揃えておくと安心です。
7.コーキング剤

コーキング剤は、すき間やひび割れを埋めて、防水・気密・防塵などの効果を持たせるためのペースト状の材料です。キャンピングカーでは、シャワールームやシンクの水まわり、屋根の接合部、外壁パネルのつなぎ目、窓枠、ソーラーパネルまわりなど、さまざまな場所で使われています。しかし、劣化しやすいので、定期的な打ち替えが必要になります。旅先でもちょっとした補修ができるように、常備していると安心です。
8.予備品(ネジ・ナット・ヒューズなど)

「これさえあれば直せるのに…!」という事態を防ぐために、小さなパーツ類もいくつか常備しています。ネジやナット、ヒューズなどは、旅の中で必要性を感じて少しずつ揃えていきました。また、消耗品の車内照明や故障しやすい水回りのパーツや水道ポンプは、キャンピングカー専用の物でなかなか入手しにくいので、予備を持ち歩くようにしています。
9.懐中電灯(ヘッドライト)

車の修理や点検は、車体の下や棚の中、シンク下など暗い場所で行うことが多いです。そんな時、ヘッドライトがあるととても便利。両手が空くので作業がしやすく、細かい部分もよく見えるので、作業がグッと楽になります。
10.折りたたみ式ハシゴ

屋根の点検やソーラーパネルの掃除、コーキングのメンテナンスなど、想像以上に“上の方”の作業が多いキャンピングカー。しかし、高さが2m70cmもあるので、作業がなかなか大変。そこで助かるのが、折りたたみ式のハシゴです。小さくたためるので、狭い車内にも収納でき、旅先でも急な屋根の修理に対応できとても助かっています。旅の初めは「いらないかな」と思っていましたが、後からその必要性を実感して追加した、大正解アイテムです。
車旅をもっと安心に、快適に

車のトラブルはいつ・どこで・何が起きるかわかりません。だからこそ、いざという時に備えて、今回ご紹介したような修理アイテムや予備パーツを常備しておくことで、私たちの旅は何度も助けられてきました。
自分で修理に挑戦して新たなスキルを身につけながら、常に愛車を大切に扱い、手間を惜しまずメンテナンスを行うことで、キャンピングカーライフはもっと快適で楽しいものになります。
これからキャンピングカー旅を始める方、バンライフにチャレンジする方、そして車中泊や長距離ドライブを安全・快適に楽しみたい方にも、少しでも参考になればうれしいです。