「そこまでして旅行に行く意味はあるの?」と思う方もいるかもしれません。夫の激務もあり、かつてのわが家もそうでした。しかし私たちは、キャンピングカーを「時間を貯金する移動基地」に変えることで、この現実に立ち向かったのです。
今回は、金曜夜に出発する週末旅を実践する、わが家のリアルな時短と準備術を紹介します!
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週末旅の準備は、平日の隙間時間を活用する

出発当日にすべての予定を詰め込むと、疲れが先にきてしまう。それを回避するために、わが家がたどり着いた答えが「タスクの前倒し」です。共働き夫婦で子どもは5歳差の男子ふたり。平日の隙間時間をうまく使い、少しずつ準備を進めていくスタイルに落ち着きました。
以下は、金曜夜の出発をスムーズにするために実践している、6つのやることリストです。
1.ガソリンは旅の帰りに満タンにしておく

趣味が高じて整理収納アドバイザー1級資格を取得した私です。その学びのひとつ「使ったら元の場所に戻す」をキャンピングカーにも応用しています。旅の帰りに、自宅近くのガソリンスタンドで給油して満タンにしておけば、次の旅の出発がスムーズになります。また、キャンピングカーは、非常時にシェルターにもなるので、防災面でも安心です。
2.不便を感じたことの改善と、足りない備品の補充は、なるべくすぐにやる

旅先で「これがあれば便利だったな」と思うものは、旅の最中にノートへメモ。帰宅後、すぐに補充と買い足しをします。出発直前に慌ててやるより、旅の余韻があるうちに片づけておくのがコツです。
3.出発前に給水タンクを満たしておく

夏場なら出発当日、冬場は2日前を目安に、自宅にあるキャンピングカーに給水します。わが家のキャンピングカーの水タンクは60L。1回給水しておけば、2泊3日程度なら十分もちます。この水は、海遊びが多い季節には、足に付いた砂や潮を落とすのにも重宝します。
4.サブバッテリーをフル充電しておく

わが家のキャンピングカーはサブバッテリーを3基搭載。出発前にしっかり充電しておけば、出先でも電子レンジやドライヤーを安心して使えます。
5.子どもの準備は分担制で

アクティビティ用品(海、雪遊びなどの道具)は、夫が数日前から準備を開始します。最近は子ども自身が着替えや本、カードゲームを用意してくれるようになり、ずいぶん楽になりました。キャンピングカーを降りたら、そこは外。寝るときもパジャマではなく、翌朝そのまま外に出てもおかしくない、リラックスした服装で就寝するようにしています。

子どもたちに持たせているスマートウォッチは、「放課後に先生と話していたからちょっと遅れる」など、子どもからの連絡で、事前に出発時間を調整したり、「え、いまどこ?」と、居場所を確認したりするのに便利です。
6.土曜の昼までに必要な食品は事前に揃えておく

旅に行くときだけはちょっと贅沢して、普段より少し高いスーパーやデパ地下でお惣菜などを買います。それでも家族4人で外食するよりずっと経済的。生鮮品だけは、旅の途中で購入します。


冷蔵庫のほかに、折りたためるソフトクーラーバッグも旅の必需品。常温保存可能な食料品の保管や、自宅からクルマまでの運搬用としても重宝します。
事前準備を実践して、出発から余裕ある旅を
これら6つの準備を済ませておけば、金曜の夜はシャワーを浴びて、クルマに乗るだけ。家族全員が余裕をもって出発できます。
「やること」を徹底的に減らす3つのルール

- ルール1: 風呂は自宅で済ませる
旅先での風呂探しをやめるだけで、時間にも心にもゆとりが生まれます。 - ルール2: 子どもの習いごとは金曜に入れない
月曜から木曜まで放課後の予定がギッシリな息子たち。週末は完全オフにして旅を優先。今のところ運動は個人競技中心なので、この作戦は続行中(笑)。 - ルール3:食器は使い捨てを活用
旅先での家事、帰宅後の片付けを徹底的にカット。その時間を家族との団らんにあてられます。
金曜夜の定番メニューは鍋料理

旅先でいただく夕食のメインディッシュは鍋が多いです。あらかじめカットされている野菜や肉、そして鍋の素を入れて火にかけるだけ。夜のうちは炭水化物を控え(子どもにはレンチンご飯などを食べさせています)、パッと行動したい翌朝の軽食はおにぎりやパンで。残った鍋の出汁は、土曜の昼にうどんを入れていただくのがわが家流です。

この日はタコの刺身、アジのたたき、オクラのおかか和え、洗わなくてOKなサラダ菜の上に、ベビーホタテを載せていただきました。

紙皿を利用すれば、洗い物はほぼなし。旅の時間を有効に使えます。
心のゆとりが、人生の新しい選択肢を生んだ

キャンピングカーは、単なる移動手段ではなく、心のゆとりを生み出す空間です。
事前準備を平日の空き時間に分散し、料理しないないグルメを中心にいただくなど、小さな工夫を積み重ねたことで、金曜夜の慌ただしさが消え、週末の笑顔が増えました。この“ゆとり”がきっかけで、働きマンだった夫も変化。いまでは夫婦で起業し、時間も場所もより柔軟に選べるようになりました(決して自慢ではありません)。
かつての私たちのように「キャンピングカーなんて夢のまた夢…」と感じている家族に、「一歩踏み出せば、こんな選択肢もある」と思ってもらえたらうれしいです。







