キャンピングカーの達人、伴 隆之のニューモデルレビュー
扱いやすさだけでなく未来感のある斬新なデザイン

VANTECHは1986年創業の老舗ビルダーのひとつで、2021年には累計販売台数1万台を突破。1997年には今なお進化し続けるロングセラーキャブコンの元祖「ZiL(ジル)」が誕生。2005年に「CORDE Bunks(コルドバンクス)」が登場し、現在ではZiLシリーズ、CORDEシリーズともに、ブランドの看板モデルとして注目を集めています。
そんなこともあってか、以前BE-PAL.NET紹介した軽キャンピングカー「ルネッタ」やバンコン「NSビアート」などに比べてVANTECHといえばキャブコンのイメージが強いのかもしれません。
今回は最新のコンパクトキャブコン「TRIAS480(トリアス480)」を紹介していこうと思います。
このモデルはVANTECHブランドではなく、NSビアートと同じASTRAREブランドからリリースされたモデルで、革新的なデザインを採用しているのが特徴。それでは車両のほうを見ていきましょう。
ベース車はトヨタのカムロードを採用し、ボディサイズは全長×全幅×全高が4800×1960×2700mmとコンパクト。人気の高級ミニバン、アルファードの全長は4995mm、全幅が1850mmなので、全長で195mm短く、全幅で110mm長い感じです。ちなみに、全長はデリカD:5と同じです。最小回転半径はカムロードが4.9mに対しアルファードだと5.9m、デリカD:5でも5.4m(ともに2WD)と小回り性能が高いので、旅していても取りまわしがしやすいのが魅力となっています。
車両を見て最初に驚いたのはボディ形状で、FRP一体成型ボディは彫りの深い立体的な造形美が魅力的。キャブコンのなかにはボテッと見えたりするモデルもあったりしますが、メリハリの利いたデザイン性の高さはトリアスの見どころのひとつといえます。さらにこのフォルムは空力性能や雨水の流れも考慮されて設計されており、見た目と機能を両立。オプションのリアスポイラーを装着すれば、さらに走行性を高められるようになっています。



ではルームツアーのほうに移りましょう。
随所に工夫を散りばめ、使い勝手を高める

インテリアは一般的なキャブコンとは異なり、セカンドシートに横座りシートを配置。二の字に向き合ったシートは横座座りの3人掛けソファプラス単座シートの組み合わせで、ここがリビングスペース。向き合って4人が着座できるほか、エントランス側と通路にマットをセットすればコの字型でテーブルを囲むことができるようになっているため、大人数にも対応。取材車にはスカイビューウインドウが備わり、採光性もよくコンパクトさを感じさません。
エントランス右手は通路を挟んでキッチンやワードローブを配置。最後部はマルチスペースになっており、標準装備の下段ベッドはマットを組み替えて対面単座モードにできるほか、引き戸が備わっているためトイレルームとしても活用が可能。外部扉も備わっているので荷物置き場としても活用できるなど、それぞれの使い方に合わせ変化させられるよう、工夫が凝らされています。









装備面では家庭用エアコンやFFヒーター、ルーフベントに電子レンジが標準装備。電装システムについては300Ahの鉛バッテリーか同社の「ILiS(イリス)」と呼ばれるリチウムイオンバッテリーシステムから選べ、リチウムイオン電池の場合は6kWhと大容量。
コンパクトなボディでも快適な旅ができるよう、さまざまな独自技術がギュッと詰まった1台。もちろん普通免許で運転も可能。価格は987万8000円〜。
問)VANTECH











