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    2025.04.15

    アメリカ州立公園“初”のアウトドア・サウナへ!ユタ州北部の湖畔で“ととのう”体験

    アメリカ州立公園“初”のアウトドア・サウナへ!ユタ州北部の湖畔で“ととのう”体験
    木造のサウナ小屋で温まり、外に出ればワサッチ山脈(ロッキー山脈の西の端側)を目の前に湖のほとりで深呼吸——。

    そんなぜいたくなサウナ体験が、ユタ州北部で気軽に楽しめるようになりました。昨年、フィンランドの伝統的なサウナをモデルにした「北欧式サウナ」が、アメリカの州立公園内に初めてオープンしたのです。

    ということで、今回は乾燥地帯ユタ州の湖畔にある「ウィラード湾州立公園」に誕生したサウナをご紹介します。

    自然とともに生きる知恵「アウトドア・サウナ」

    ロケーションはグレートソルト湖の一部を囲った湖畔

    サウナのルーツは、約2千年前のフィンランドだと言われています。起源については諸説ありますが、当時の人々は森の中に穴をほって、石を熱して蒸気を発生させ、身体を温めていたとか。

    ただの「お風呂」ではなく浄化や癒やし、社交の場として親しまれ、まさに自然とともに生きる暮らしの一部だったそうです。

    ということは、アメリカの大自然を安全な環境で満喫できる、州立公園とサウナの組み合わせはバッチリじゃないですか!

    アメリカ州立公園“初”のサウナがある場所は、ウィラード湾州立公園。ユタ州ワサッチ山脈の麓にあり、夏は水上スキーやジェットスキー、カヤックなどを楽しむウォータースポーツ愛好家でにぎわう公園です。ユタ州の州都・ソルトレイクシティから北へ、車でおよそ50分の場所にあります。

    夏の水遊びがメインだった場所に、寒い冬でも楽しめるサウナが加わり「ととのう」体験を求める人たちの間で人気が高まっています。

    ウィラード湾州立公園の入口を示す看板。

    ワサッチ山脈の麓にある、ウィラード湾州立公園のゲートブース。

    ウィラード湾は、グレートソルト湖の一部を堤防で囲って造られた、人造の淡水湖です。もともとは塩水だったエリアに、淡水を引き入れて造られた貯水池。

    釣りやウォータースポーツができるレクリエーション湖として、地元の人たちに親しまれています。訪れた3月はまだオフシーズンで、ゲートブースは無人でした。

    まずはサウナ小屋の周辺をチェック

    私たち夫婦が訪れたのは、日曜日の昼下がり。青空の下、風も穏やかで気温は10℃。暑すぎず寒すぎず、アウトドア・サウナ初体験にはもってこいの天気でした。

    駐車場から見える木造のサウナ小屋。

    スポーツジムに設置されているサウナしか経験したことのない私たち夫婦。まずは小屋のまわりを歩いてみることに。

    本場フィンランドでは今でも湖畔や森の中の小屋で、家族や友人といっしょに静かに汗を流すのが定番だそうです。そしてサウナで温まったあとは、そのまま湖や雪の中へ行くとか。

    この温冷交代浴が「ととのう」感覚の原点だとしたら、ウィラード湾州立公園のサウナは、まさに「ととのう」を気軽に楽しみながら体験できる「北欧式サウナ」でした。

    木造のサウナ小屋の外壁に取り付けられたバケツシャワー。

    サウナ小屋のフロントに設置された、木製の蓋がついた水風呂。

    外気浴を楽しむ湖畔エリアからの景色。

    木のぬくもりに包まれてロウリュを楽しむ時間

    セッション当日に、サウナのスタッフ・ダニエルさんからスマホに送られてきたコード番号を使って、いよいよサウナ小屋の中へ入ります!

    入ってすぐの部屋は更衣室。

    「砂は落としてから入ってください」という看板が、更衣室の壁にありました。ビーチで遊んでから、サウナへ入る人たちもいることが分かりますね。

    更衣室の棚にはサウナの利用者用に、リラックス効果を高めてくれる本やエッセンシャル・オイルも!個人的にはエッセンシャル・オイルはうれしい!

    熱したサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させるロウリュ。利用者が自分たちで水をかけて調整します。

    この先は超高温多湿でスマホは持っていけないので、更衣室に置こうと思ったのですが…。更衣室でも、沖縄の梅雨明け以上のジメジメ感があってちょっと不安。

    ということで、記事用に写真をササっとスマホで撮ったあとは、外のベンチの上へ置いてきました。あっ、でも持ち物の管理は、もちろん自己責任ですよ。

    人とのつながりを大切にするコミュニティの場でもあるサウナ

    ウィラード湾州立公園の有料サウナは予約制です。1時間15分のセッションで、1人35米ドル(1ドル150円で計算すると、5250円)。数回分のセッションをまとめて購入すると割引きもあります。

    予約したあとになって気づいたのですが、プライベートの貸し切りではなく、6人が利用できるコミュニティサウナでした。夫婦2人で予約をすると、知らない人たちといっしょになる可能性もあります。

    もしプライベートで貸し切りたいときは、担当の方へメールをしてアレンジすることもできるそうです。

    さて、記事の最初の写真、覚えていますか?そう、笑顔のステキな二組のカップル!実は彼らとサウナ小屋の中でいっしょになったのです。

    4人はソルトレイクシティに住むお友達同士だと話してくれました。きっとこの日はダブルデート中だったのかな?

    ちょっと緊張しながら「日本のアウトドアWebメディア用に、写真を撮っても良いですか?」とたずねると、快く笑顔でOKしてくれました!

    今年はこの仲良し4人組で、東京と大阪への旅を計画しているとか。ますます会話がもりあがって、楽しい時間を過ごすことができました。

    小屋の中で15分ほど汗を流したあと、水風呂に入るために外へ移動する一組のカップルを追いかけて(笑)私も外へ。

    水風呂につかる2人の姿がかわいすぎ!

    このあともありがたいことに、ツーショット写真を何枚か撮らせてもらいました。人見知りの私ですが、勇気をもって話しかけて良かった!まさに一期一会でした。

    水風呂のあとはバケツシャワーの冷水でもクールダウン。

    山頂に雪が残るワサッチ山脈を背景に、外気浴でリラックスする姿がほほえましい!

    ちなみに、私たち夫婦にとって水風呂は冷たすぎて、ギブアップでした(笑)。氷点下の天気が続いていたユタ州北部で、晴天の気温10℃は暖かいのですが、さすがに水は冷たかった…。

    でもバケツシャワーは、一度覚悟を決めれば、バケツに取り付けられているロープを引っぱる一瞬なので楽しく挑戦できました。

    夫がバケツシャワーを浴びた直後に、尻尾をふってうれしそうにトコトコと走って来たワンちゃん。

    「あれ、このワンちゃん、いったいどこから?」と思っていたら、2匹の犬と散歩中の男性が、夫の後ろで手をふっていました。ここは地元の人たちにとって憩いの場なのですね。

    自然のサウナをデジタルデトックスの時間に

    スポーツジムの中にあるサウナも便利ですが、アウトドアでのサウナは心と体をリセットするのに最高でした!

    今回は取材が目的だったのでスマホをもっていきましたが、デジタルデトックスをして、自分と静かに向き合う時間にしても良いですね。

    サウナのあとは、公園内をドライブ。もうすぐ園内のRVパークは、夏の水遊びを楽しむ人たちでにぎわう季節。

    ウィラード湾州立公園の看板。

    雄大なワサッチ山脈と水のある景色、そして冷たい風や自然のかおり。そのすべてが、心と体をととのえる力になるのかもしれませんね。

    ユタ州ウィラード湾州立公園サウナの公式サイト
    https://www.willardbaysauna.com/

    私が書きました!
    アメリカ・ユタ州ライター
    トロリオ牧

    2001年渡米、ユタ州ウチナー民間大使。パンデミックをきっかけに「いつ死んでもOK!な生き方」を意識するようになり、17年間務めたアメリカ政府の仕事を2023年に辞職。現在はNHKラジオ出演や日本のWebメディア執筆など幅広く活動中。編著に電子書籍『型の中に答えはある』がある。夫婦でRVキャンプを楽しむのが最高の癒し時間。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。「海外書き人クラブアウォーズ2025」最優秀新人賞受賞

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