散策しているうちに登頂していた北区・若宮八幡神社の八幡山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.104】
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    2024.11.26

    散策しているうちに登頂していた北区・若宮八幡神社の八幡山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.104】

    散策しているうちに登頂していた北区・若宮八幡神社の八幡山【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.104】
    東京23区内、特に山手線の内側はビル街や飲食店街、住宅街ばかり。そう思っている人が多いかもしれません。でも、目を凝らせば東京都心にも「山」はあります。そんな東京の山の世界を、日本で唯一のプロハイカーである斉藤正史さんが案内します。

    FILE.104は、北区の八幡山です。

    第104座目「八幡山

    今回の登山口は、JR十条駅です

    今回の登山口は、JR十条駅北口。

    今回の登山口(最寄り駅)も、前回の十条冨士塚に引き続きJR十条駅北口です。今回は、北区にある「八幡山」を目指します。

    十条駅北口のすぐ脇に、ひっそりと動輪碑が飾られています。これは、1980年建立の十条駅開業70周年記念碑です。

    十条駅がある赤羽線は、日本鉄道により現在の東北本線と東海道本線を結ぶ連絡線として1885年に線路が作られたそうです。当時、付近には東京砲兵工場があり、初代の十条駅は連絡線が開通した20年後の1905年6月10日に貨物駅として開業したそうです。この貨物駅は8カ月後の1906年2月に廃止となり、1910年になって改めて旅客用の十条駅が開業しました。

    十条駅開業70周年記念碑。

    ちなみに、十条駅はホームの両端に踏切があり、ホームの延長が出来ません。このため埼京線の編成両数は十条駅のホームの長さに規制されているそうです。どおりで踏切で通過電車を待っているとホームにいる駅員さんと目が合うわけですね。

    前回は線路沿いを行きましたが、今回はローターリー北側のプチロードから進みます。前回は十条中央商店街を通ったので、今回はあえてネタの豊富そうな商店街を通らず、線路沿いに進みます。2回続けて商店街に頼るのは何となく気が引けました。

    まさにプチな細いロードを進みます。

    すると、一瞬だけ十条銀座商店街に入るのですが、ここでも気になるお店が視界に入りました。プチロードと十条銀座商店街の合流地点にある、マレーシアマーケットどんちゃんというお店です。

    マレーシア料理が気になり、ちょっと調べてみました。マレーシア国民は、マレー系が約60%弱、中国系が約30%、そして残り約10%がインド系や少数の原住民族などで構成されています。

    マレー系の多くはイスラム教徒なので、豚肉やハラールでない食材を食べず、酒を飲まないなどの食のタブーがあります。調理する食材は同じでも、民族によって、あるいは地域によって異なる調理法や調味料が使われ、多様な料理のバリエーションがあるそうです。

    なお、どんちゃんは中国系の方向けの料理のようで、バクテーという代表的なマレーシア料理とお酒が楽しめるお店なんだとか。それにしても、前回もいくつかのお店を紹介しましたが、十条にくればいろいろなアジア料理が食べれますね。

    マレーシアマーケットどんちゃん。

    ここまでは順調だったのですが、ここから裏路地を通ると全くと言っていいほどネタの無い住宅街へと引き込まれていきました。、フジサンロードを渡り、若干後悔しつつ再び狭い線路沿いの道を歩きます。名もない踏切を渡り、通りの名前も不明な道路を歩き、住宅街の路地へと迷い込みます。あぁ商店街を通っておけばよかったと思っても後の祭り。もう後には引けません。

    何とも不安になる何もない線路沿いの道。

    2度と同じ道をたどれないような住宅街を抜けると、ようやく環状7号線に着きました。ここまで来ると目的地まであと少しです。歩道橋を渡ろうとして、ふと工事中の敷地を見ると何やら石碑が乱雑に置いてありました。ボク石(溶岩)に見えなくないです。

    調べると工事前には庚申塔(中国より伝来した道教に由来する信仰に基づいて建てられた石塔のこと)があったようです。ふと、この庚申塔は残されるからひとまとめになっているのだろうか?何処かに持っていくためにまとめてあるのだろうか?と思いました。

    道路工事で石碑などを移動する場合、近くにある碑なども含め一か所にまとめられることがあります。こうなると何処の何の碑かよくわからなくなったりします。きっと文化財だったら残されるのでしょうが…。

    崩された庚申塔。これからどうなるのでしょう…。

    環状7号線の歩道橋を渡り、さらに住宅街を進んでいきます。もう、目的地まで何もないだろうと諦めてかけたそのとき、まさかの遭遇。

    マジックバー、マジックスタジオ、マジックショップと記された、変わったフォルムの看板が目に止まりました。「マジックファンタジア」という、国内最大級の品ぞろえのマジック関連のショップです。

    オリジナルマジック用品もリーズナブルで、国内外のマジックのタネなどを販売しているそうです。もちろん、店頭でもマジックグッズの販売していて、実際に目で見てご購入出来るそうですよ。ホームページにはマジックのYouTube画像などもありますので、興味のある方はぜひアクセスしてみてください。

    住宅街に突如あらわれた「マジックファンタジア」。

    マジックショップから住宅街をさらに道なりに進むと、若宮八幡神社の入り口付近に着きました。

    神社に到着したけれど山は…?

    今回の目的地の八幡山は、この若宮八幡神社境内にあるはず。近くには若宮八幡山、下ると八幡山児童公園があります。さて、八幡山はどこだろうと辺りを見渡すと、神社参道入り口に看板があり、近づくと八幡山の痕跡が見つかりました。

    若宮八幡神社の入り口。

    「ここは八幡山と呼ばれております」と記された看板。

    神社の入口に設置された看板によると、この辺りは地元の人達に「八幡山」と呼ばれているとのこと。山頂付近に、鎌倉の鶴岡八幡宮から分祀して享保年間(1716〜1736年)に創建された神社が鎮座しているそうです。

    僕はフラットな道をきたつもりでしたが、実は駅から縦走するように台地の上を歩いてきたようです。それでここが山だと気付かなかったのかもしれません。ちなみに、八幡山児童遊園の方から神社に来れば、そこそこ段数のある階段坂を登ることになったようです。

    あらためて、白い石で敷き詰められた参道をとおり神社へ向かいます。小規模な殿舎と古い大きな銀杏の木がありました。もしかしたら神社入り口の方が高い位置にあるのかもしれません。登らず着いた山頂は、物凄い数の蚊が生息していて、瞬く間に10カ所ほど蚊に刺されました。都内でも夏山は虫よけが必要ですね。

    若宮八幡神社の細長い参道。

    若宮八幡神社。先述の看板によると、この辺りが山頂なのでしょう。

    久々の富士塚ではない「山」。山頂でゆっくり楽しめれば良かったのですが、大量の蚊に戦意喪失。そそくさと退散しました。蚊さえいなければなかなか味わい深い山行でした。

    次回は北区のちんちん山です。

     ※今回紹介したルートを登った(歩いた)様子は、動画でもご覧いただけます。

    私が書きました!
    プロハイカー
    斉藤正史
    2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。

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