辺境で生きる少数民族の日常。村巡りのトレッキングを終えて
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    2018.07.11

    辺境で生きる少数民族の日常。村巡りのトレッキングを終えて

    ラオスの旅10

    ナムデート・マイでの一夜は、昼間歩き疲れていたからか、夜が明けるまでぐっすり眠ることができました。泊めてもらった家の人が用意してくれた朝ごはんを食べ、暑くならないうちに、出発です。

    この日最初に訪れたのは、ヤオ族の村、ナムマイ。左の道端に座っていたおばあさんが、「おみやげを買っていかないかい?」と声をかけてくれたので、いくつか見せてもらって、民族柄のポーチを1つ購入。ついでに「おばあさんの写真を1枚撮らせてもらっていいですか?」と聞くと、おばあさん、急にそわそわしはじめて、「ちょっと着替えてくるから!」と家の中に飛び込んで……。

    ……やがて姿を現したおばあさんは、藍染の衣装に真紅のマフラーという、ヤオ族特有の盛装をしてくれていました。民族の誇りを胸の奥に抱いたまま、長い歳月を生き抜いてきた1人の女性の姿が、そこにありました。

    ナムマイの集落を離れると、表面がビニールで覆われた広大な畑に出ました。これはサトウキビ畑。切った茎を地面に埋めて、上をビニールで覆っているそうです。ほどなく、埋めた茎の節から芽が出るのだとか。

    地元の村人たちが、収穫後のサトウキビを大きなトラックに積み込んでいる場面に遭遇しました。なかなかの重労働。これらのサトウキビは、中国に輸出されていくそうです。

    しばらく歩いていくと、陸稲の畑らしきものが広々と広がっている場所に出ました。その先には、うっすらとムアン・シンの町の姿が見えます。村巡りのトレッキングのゴールはもうすぐです。

    最後に訪れたのは、パトイという村。ラオ・ラーオと呼ばれるラオス特有の焼酎の産地として有名な村だそうです。ラオ・ラーオは米を原料にして作られるものが多いそうですが、この村で使われているのはトウモロコシ。米のものより安いそうで、飲んでみると、ガツッとくるアルコールの中に、ほんのりと甘みがありました。

    1泊2日のトレッキングを滞りなく終え、ムアン・シンの町の宿に帰還。この写真は、前の日に泊まったナムデート・マイの家の人からもらったおみやげで、ゆで玉子のネックレス。このまま首にぶらさげて日本に戻るわけにもいかないので、酒の肴に殻をむいて食べようとしたのですが……残念、あまりちゃんとゆでられておらず、ぐちゃぐちゃになってしまいました(笑)

    ——

    ◎文/写真=山本高樹 Takaki Yamamoto
    著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。著書『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(雷鳥社)『ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット[増補改訂版]』ほか多数。
    http://ymtk.jp/ladakh/

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