オーストリアのホーエンザルツブルク城を…不完全制覇!?【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2024.08.24

オーストリアのホーエンザルツブルク城を…不完全制覇!?【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

オーストリアのホーエンザルツブルク城を…不完全制覇!?【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
ドイツのシュトゥットガルトからオーストリアの中都市ザルツブルクのホテルに到着したのが、列車の遅れもあって午後3時。もともとこの日は取材の予定もなく、オーストリア政府観光局の担当者からも「シュティーグルビールの醸造所の見学ツアーに行かれたらどうですか? 最後の試飲が最高ですよ~」と勧められていました。

はい、おすすめ観光地に「ビールの試飲」をイチオシする素敵な女性です。笑

もともとお酒には目がなく、素敵な女性には弱い私です。気持ちは完全にビール工場に向かっていたのですが…朝からずっと雨模様の曇り空だったのに、晴れ間が見えたのです。

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そして青空に囲まれた太陽さんが旅人のコートをそっと脱がせるように、やさしく語りかけてくるのです。

「ねえ、柳沢有紀夫くん。キミはBE-PALなどの取材でザルツブルクに来てるんだよね? ビールは一仕事終えてからのほうがずっとおいしいかもしれないね」

太陽の理路整然とした説得にあい…はい、ビールではなくBE-PALをとりましたよ。どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。

というわけでザルツブルクの丘の上にそびえたつ11世紀の要塞「ホーエンザルツブルク城」を攻略することと相成りました。

ホテルから出てまずはザルツァッハ川沿いの遊歩道を歩きます。はい、無茶苦茶気持ちいい風景です。

太陽よ、ありがとう。思わずそんな気持ちになりましたよ。

そして街の中心部から南西方向に歩道のみのマカルト橋を渡ります。

橋の金網には無数の南京錠。

「ここに南京錠をかけた2人は永遠に結ばれる」みたいな言い伝えを勝手に誰かが作って始めたものだと思います。はい、だいじょうぶです。もういいオッサンなんで、リア充のみなさんを呪ったりしませんから。

…つうか私、大好きな奥さん、いたわ。笑

その橋の上から眺めると…。

丘の上になんとなく見えるのがこの日の本丸へと急遽昇格した「ホーエンザルツブルク城」。お日様のおかげです。

橋をわたったところから対岸を眺めます。

ザルツブルクという街、どこを切り取っても絵になります。

このザルツブルク、オーストリアの都市としてはたぶん首都のウィーンに次いで有名だと思うのですが、人口は約15万人。「モーツアルトの生家」とか「ミラベル宮殿」とか、見どころのほとんどを徒歩でも回れてしまうというすごく観光しやすい街です。

橋を渡った「ザルツブルク市街の歴史地区」は世界遺産に登録されています。

レジデンツ広場から眺めたザルツブルク大聖堂。このあたりも世界遺産です。

ザルツブルク大聖堂を左手に見て登っていく石畳の坂道。それが左に折れたところに登ったところにロープウェイの入口があります。

ちょっとわかりにくい入口ですけど、街並みに溶け込んでいるとも言えますね。

または「通りの脇の小道に入ったらそこは異世界だった」みたいな。

今日の本丸「ホーエンザルツブルク城」へ

その後普通にロープウェイに乗って、山頂側の駅で下車します。そして散策。途中の展望台や城のてっぺんなどあちこちから山側や市街地の景色を見ることができます。

ヨーロピアンアルプスの山並み。

こうやって見るとザルツブルクという街は山に囲まれていますね。

もちろんそこからの「景色」だけでなく、「要塞」感たっぷりの城そのものも見どころ山盛りです。

敵が殺到しないようにわざと狭く作った階段でしょうか。

なんだか異世界に迷い込む感じ。

このあたりは日本の城とは違った独特なものですね。

11世紀につくられ始めて12世紀にはほぼ完成したものだというから驚き。

城の内部にも入れます。

いつも思うんですけど、日本の観光地だとこういうところに大砲をディスプレイしないで、何もない「砲台跡」にしてしまいますよね。

戦争を嫌うのはわかりますし、私も平和を愛しています。だけどかつてそこで使われていた大砲などを置いておくことで、兵士たちの恐怖もより深く理解できて、それが本当に反戦につながる気がしています。「臭いものに蓋」をするのではなく。

予定外の大正解!

さてこのホーエンザルツブルク城、こんなふうにとても見どころ満載な場所なのですが、ドイツと同様で案内の地図などがあまりなくて、しかもその「順路」がわかりづらいのが難点。で、いつしかたどりついたのがこんな場所。

なんか絶対に「誘われている感」があるじゃないですか。

この扉のむこうにはなにがあるんだろう、と。そして進んでいくと…。

右の壁に貼られた案内板に「Footpath to Town(街への歩道)」。

順路通りに歩くとケーブルカーの山頂駅のほうに戻れるはずなのですが、道迷いですね。はい、完全に想定外というか、当初の計画通りではないことからすると「失敗」です。

でもどこにたどりつくのか不明ならまだしも「街への歩道」なら問題ないかとそのまま進むことにしました。はい、ちゃらんぽらんです。

ところが結果的にこれが大正解でした! 一気にケーブルカーで降りたのでは出会えなかったなかなかいい景色がそこにはありました。

城壁の上で読書する美少女。

…すみません、顔も見えてないのに勝手に想像。というかここで本を読んでいるだけで好感度は5割増しというか、「ボーイミーツガール」系の小説の冒頭、「不思議少女との出会い」でありそうな設定ですね。

「ねえ、キミ。なにしてるの?」

「見てのとおり。本を読んでるのがあなたにはわからないの?」

「なんでこんなところで本を読んでるの?」

「ここで読みたいから」

みたいな。「ザ・ぶっきらぼう少女」にムカッとするけどなぜか離れられない男の子。

その城壁から見える風景。中央がザルツブルク大聖堂です。

そしてあの黄緑色のドーム型の屋根になにかが落ちて、そこから一気に物語が急展開するんです、きっと。私の妄想ワールドでは。

さらに下に降りていくと、こんなものがありました。

ケーブルカーの交差する場所が乗降できるようになっていました。

でも登りでは停まらなかったから、普段は使われていないのかな?

そして場内から出て一般道へ。つきあたりをそこを左に曲がったら市街地なのですが、7時のディナーの予約までまだまだ時間があるので、道標に誘われるままに右へ進みます。

居心地のいい教会がありました

小さな展望台がありました。

そして観光客の人込みとは無縁のベネディクト派修道院の小さな教会。

このゲートを入っていきます。

するとこんな扉が。

すべての教会がというわけではないですが、多くは扉の鍵がかかっていません。お祈りに来る人のために開けているのです。

私はクリスチャンなのでお祈りをしますが、見学だけでもだいじょうぶ。

たいていの礼拝堂では入ってすぐのところに「献金箱」が置かれていますから、「見学代」のつもりでたとえば2ユーロコインくらい入れていくといいかと思います。

荘厳な大聖堂もいいのですが、こうしたさほど大きくない教会もなんだか落ち着きます。なんでかなあと考えたら…古民家の囲炉裏を囲んだ時の心地よさと似ている気がしました。長年人々が集まってきたところが醸し出す独特のぬくもりというのでしょうか。

…あっ、「神様に見守られているから」と言うべきでしたね、クリスチャンなんだから。まあ、その両方なのでしょう。笑

そしてレストランへと向かいます。

もう午後7時近いのにまだまだこの空の色。このあたりの6月中旬は9時くらいまで明るいです。

6月中旬から7月上旬は毎年ヨーロッパで過ごしたい。これが私の長年の夢です。明るい中でのディナーは最高ですし。

そしてレストランへ。工場見学に行きそこなったシュティーグルビールがメニューにあったので、迷わず注文。というかオーストリア最大のビール会社なのでたいていどこでもあるみたいです。

どうです、この色!

味もくせがなく、とはいえ淡白なのではなく、ビールのうまみがすべて凝縮された「ザ・ビールと呼びたくなるビール」でした。

工場見学のあとできたてのものを飲むのも魅力的ですが、個人的にはこの日のようにしっかり歩いてきてからのビールが最高においしいと思います。ふうっ。

今日たどったのは道を間違えずケーブルカーでそのまま降りていたら出会えなかった風景。まさに「失敗は成功のもと」! …ちょっと違うか。笑

でも「旅は寄り道」です。

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

ザルツブルク市観光局

https://www.salzburg.info/ja

オーストリア政府観光局

https://www.austria.info/jp/

私が書きました!
オーストラリア在住ライター
(海外書き人クラブ)
柳沢有紀夫
1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係。

 

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