ニューイングランドトレイルを半分残し、今季は終了!【プロハイカー斉藤のアメリカ東海岸トレイル行状記 vol.16】 | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2024.02.21

    ニューイングランドトレイルを半分残し、今季は終了!【プロハイカー斉藤のアメリカ東海岸トレイル行状記 vol.16】

    ニューヨークやボストンからも近い、アメリカ東海岸にある「ニューイングランドトレイル」。

    2023年10月、世界各国のロングトレイルを次々と踏破している日本で唯一のプロハイカー・斉藤正史さんが、そのニューイングランドトレイルに挑みました。ニューイングランドトレイルは半分の行程を残して、今季のトレイルは終了です。(コレまでの記事は巻末の「あわせて読みたい」をご確認ください)

    コネチカット州ハートフォード近郊の空港へ!

    そして翌日、ちょうど5日間のコロナウィルスのマスク期間も終え、2マイル(3.2km)ほど歩き、今回のニューイングランドトレイルはちょうど半分を残し終わったのでした。

    早朝の通勤ラッシュで賑わう中、空港近くまで歩く事にしました。

    ここからブラットレー国際空港までは、約5マイル(約8kmほど)で着きます。途中からはバスもあるので、とてもアクセスの良い環境です。

    ニューイングランドトレイル、メタコット・トレイル・トレイルヘッド。

    10時ころ空港付近についてしまったので、そのまま少し離れた安い宿まで歩いていきました。

    5日ぶりの町はところどころ色づき始めていました。

    ホテルまで半分くらいの所まで歩くと、住人に声をかけられました。オーストラリアからの移民の方でした。お水をもらって立ち話をしていると、「ホテルまでまだ少しあるから送るよ」と言ってくれたのですが、あまりに早く着くと待たされるので、お礼を言ってホテルまで歩いたのでした。

    色づく町の木々。

    今回、ニューイングランドトレイルを歩いて

    マサチューセッツ州は、アパラチアン・トレイルと同じホワイトブレイズ、アパラチアン・トレイルに似た景色、どれをとっても個人的には好きな道のりでした。ハイカーが少なかったのも、スルーハイク(一気に歩く人)で歩く人よりも、日帰りで歩くセクションハイカーが多いから。そもそもトレイルでテントを張ったり、シェルターを利用する人が少ないのではないかという話でした。個人的には、森や自然を楽しめたので、これくらい人がいないトレイルの方が僕は好きです。

    〇アクセス

    他のトレイルに比べると、圧倒的にアクセスが良いかもしれません。南北にアムトラックの路線がありますし、ブラットレー国際空港から僅か8kmでトレイルの中間地点、南の起点はアムトラックの駅から僅か1km程度です。コネチカット州だけ歩くのであれば、抜群のアクセスです。

    〇トレイル中の宿泊について

    レポートでも触れましたが、トレイル沿線には私有地がかなりあります。ニューイングランドトレイルでは、時々私有地にテントを張って問題になることがあるそうです。人目につかない場所や公共のエリアなどを見つけること、町の宿泊所を利用することで回避できるのではないかと思います。今回のレポートを参考に、詳しくは、ニューイングランドトレイルのコミュニティなどで確認いただけたらと思います。

     〇注意する動物

    日本ではあまり耳にしませんが、アメリカ北東部では、ライム病という病気にかかることが多くあります。以前、アパラチアン・トレイルを歩いた時、僕もライム病の疑いがあって、数日足止めされたことがあります。野ネズミや鳥を吸血することで病原体を獲得したマダニが、ヒトを刺すことにより感染します。そんなこともあり、ダニが付かないように虫よけを使ったり、肌を露出しないことが最も重要です。

    ガラガラヘビもいます。注意してください。

    ガラガラヘビも多く生息しています。ヘビは全般的に外気温に左右されますので、晩秋に入るころには冬眠します。音を出して威嚇しますので、注意していれば危険な動物ではありません。

    ダニ・ヘビ共に、初夏・早秋が最も活発になると言われています。ニューイングランド地方の紅葉が目当てではありましたが、ヘビ・ダニ共に活動が鈍くなるこの時期をあえて選びました。

    また、アメリカ東部のエリアは、アメリカクロクマが生息しています。体長2mほどと大きな熊ですが、日本のツキノワグマと同じで捕食しません。今回も、トレイルを歩いていて熊の痕跡をかなり見つけました。アパラチアン・トレイルでは、ニューヨーク州やニュージャージー州など、比較的都会に近いエリアで熊の被害が多いようですが、十分注意が必要になります。

    ダニ注意の看板がトレイルに設置されるほど、アメリカ北東部では被害が多く見られます。

    〇道具について

    季節などにもよりますが、一般的な道具の他、今回のようにゆっくり歩く場合、軽いイスがあるとより楽しめるかなと思います。また、このトレイルは稜線に出ることは少なく、森歩きが中心になります。雨対策として傘をもっていくのも良いと思います。

    アメリカでは生水はご法度です。必ず浄水器や水を飲めるようにするタブレットや液(アメリカのアウトドアショップで売っています)を使ってください。

    〇ナビゲーション

    トレイルは、ホワイトブレイズがよくマーキングされていて、いちいち地図を広げなくてもよいケースが多くありました。とても歩きやすい道のりだったと思いますし、補給に関してもそこまで難しくありません。しっかり地図とアプリを見て確認できれば、さほど難しくない道のりだと思います。

     アメリカのトレイル体験におすすめの道のり

    今回歩いてみて思ったのは、チャレンジしやすいトレイルだなということ。何より圧倒的にアクセスが良いのが素晴らしい。アメリカのトレイルはどこも起点まで行くのが大変ですから。

    そして程よい距離です。アパラチアン・トレイルと同じ州、同じ地域を歩くうえに、アメリカ連邦政府が指定しているシーニックトレイルです。アメリカのトレイルを体験するには、またとない道のりです。

    いつも持ち歩く折り紙。今回は泊まりの最後にプレゼント。

    普段はマスクをしているのに、油断してマスクをせずコロナウィルスに感染してしまいました。日本で5類になったとはいえ、海外ではやはり感染するとそれなりにルールもあります。海外のトレイルを歩く人だけでなく、海外旅行される方も飛行機の中や建物の中で人が密集するような場合、自己防衛でマスクをした方がいいのかもしれませんね。油断大敵です。皆さんもご注意下さい。

    コネチカット州の水色のマーク。

    さて、今年の秋は、ニューイングランドトレイルの残り半分を歩きます。

    来年の今頃、また皆さんにニューイングランドトレイル・水色のマークのコネチカットエリアのトレイルをご紹介出来たらと思います。

     またお会いしましょう!

    New England Trail公式サイト

    私が書きました!
    プロハイカー
    斉藤正史
    2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。また、BE-PAL.netにて「TOKYO山頂ガイド」を連載中。

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