コンパクトなアウトドアチェアの選び方
コンパクトさを重視してチェアを選ぶときのポイントを4つ解説します。重さだけでなく、使いやすさを両立させるための要素を見ていきましょう。
コンパクトチェア選びのポイント
重量は約0.7~1kgを基準に選ぶ
一般的なコンパクトチェアの重量は、約1~2kgといわれています。携行性を重視するなら、約0.7~1kgのチェアを選びましょう。
中には約0.5kg前後のモデルもありますが、座面が小さかったり脚が細かったりと、座り心地や耐久性が犠牲になっているケースがあります。
携行性と座り心地のバランスが取れているのが、約0.7~1kgのモデルです。この程度の重さであれば、ザックに入れても手に持っても負担を感じにくいでしょう。
耐荷重は自分の体重+10kg以上が目安
耐荷重は、自分の体重+10kg以上を目安にしましょう。一般的なアウトドアチェアの耐荷重は約80~100kgですが、コンパクトチェアは軽量な代わりに、耐荷重が低い傾向にあります。
耐荷重よりも大きい力が加わると、フレームの破損や、それによる転倒などのおそれがあります。耐荷重が大きければ、リュックを抱えながら座ったり、深く腰かけたりできる余裕もあります。
ただし耐荷重が大きいほどチェアの重量も重くなるため、バランスを見ることが重要です。
収納サイズをチェックする
コンパクトチェアの種類は『収束式』『折りたたみ式』『組み立て式』の3つです。想定している収納サイズに合わせて選ぶとよいでしょう。
『収束式』は傘のようにチェアを開閉するタイプで、細くコンパクトに収納したいときに向いています。『折りたたみ式』はフラットに折りたためるため、車の狭いすき間にも入れられる点が便利です。
リュックに入れられるサイズを求めるなら『組み立て式』がおすすめです。チェアがかさばる原因であるフレームを細かく分解できるため、リュックに入れやすくなっています。
収納時のサイズが40×15cm程度に収まるなら、リュックに入れたりかけたりできて便利です。ただし、設営や撤収に少々手間がかかるので、手軽さを重視する人には収束式・折りたたみ式の方がよい場合もあるでしょう。
快適性を重視するなら組み立て式がおすすめ
コンパクトながら快適性も重視するなら『組み立て式』を選びましょう。組み立て式なら背もたれがあるものが多く、特に背もたれが大きいタイプは、座ったときのフィット感も高くなっています。
収束式にはスツール型が多く、背もたれがないこともあります。しかし省スペースには役立つので、ソロキャンプにはおすすめです。
折りたたみ式は設営・撤収には便利ですが、座面が平らなため、いまいちフィット感に欠けることがあります。携行性だけでなく、座り心地も忘れずにチェックしましょう。
軽くて持ち運びやすいコンパクトチェア
まずは、軽くて携行性の高いコンパクトチェアを2つ紹介します。重量や収納方法にも注目しながら見ていきましょう。
モンベル「L.W.トレールチェア 26」
スタッフバッグを含めても総重量はわずか約0.375kg、収納サイズは約7×35cmの超軽量コンパクトチェアです。収束式のスツール型で、設置・撤収はわずか十数秒。リュックのサイドポケットに入れておけば休憩時にサッと取り出して座れます。
別売りの『L.W.トレールローテーブル 36』とちょうどよい高さに設計されており、併せて持っていけば即席で作業机やダイニングテーブルが設営できます。
耐荷重は約80kgのため、大柄の人にはあまり向きませんが、普通体型の人なら余裕を持って座れるでしょう。登山でこまめに休憩したい人におすすめです。
mont-bell(モンベル) L.W.トレールチェア 26
スノーピーク「グランドパネルチェア」
持ち運びが可能な座椅子タイプのチェアです。背面パネルが付いており、長時間座っても疲れにくい仕様になっています。重量は約1.9kg、収納時のサイズは約20×48×11cmとコンパクトで、大きめのリュックになら入れられるサイズです。
ローテーブルを使うときや、テーブルを使わずに食事や作業をするときに便利です。背面パネルは自立するため、立ち上がったときにチェアが後ろに倒れる煩わしさがありません。
座面は扇形になっており、あぐらでも座れます。アウトドアでも地面に座るスタイルを貫きたい人におすすめです。
Snow Peak(スノーピーク) グランドパネルチェア
1kg未満の超軽量コンパクトチェア
1kg未満の超軽量なチェアを2つピックアップして紹介します。とにかく軽量性を重視する人は要チェックです。
ニーモ「ムーンライト リクライニングチェア」
重量約0.83kgと軽量かつ、組み立て式で持ち運びもしやすいチェアです。片手で楽に持ち上げられるため、場所を移動したいときにも便利でしょう。
軽量であるにもかかわらず、フレームの口径は大きく、鍛造アルミ製のハブによって高い耐久性も兼ね備えています。そのため耐荷重は約136kgとほとんどの人が座れるタフさを誇ります。
もう1つの特徴は、リクライニング機能を搭載している点です。好みに合わせてシートの角度を調整できるため、自分がリラックスしやすいポジションを見つけられるでしょう。軽量さと機能性を妥協したくない人におすすめです。
NEMO(ニーモ) ムーンライトリクライニング
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オガワ「グラムチェア」
重量約0.64kgの軽量チェアです。背もたれが付いているので、スツール型よりもリラックスしやすいでしょう。耐荷重は約100kgと重さのわりにタフさも申し分ありません。
収納時のサイズは約40×10×10cmとコンパクトで、リュックにも入れられる大きさです。リュックに入れておけば、好きなときにサッと取り出してすぐにリラックスタイムに入れるでしょう。
カラーは落ち着いたブラックで、周囲のアイテムと合わせやすいのもポイントです。
ogawa(オガワ) グラムチェア
コンパクトでも座り心地のよいチェア
コンパクトさは追求しつつも、座り心地を妥協したくない人も多いでしょう。そんな人におすすめのチェアを3つ紹介します。
キャプテンスタッグ「CSブラックラベル リラックスクッションチェア」
クッション素材を使用することで、座り心地を高めた組み立て式チェアです。背面にはポケットが付いており、小物を入れるのに便利です。
収納サイズは約16×16×106cmとリュックに入れるのは難しいですが、収納袋はハンドル付きなので持ち運びやすくなっています。
耐荷重は約80kgと普通体型であれば問題なく座れます。座るシーンが多い人や、他のチェアではフィット感や快適性に欠けると思っている人は、ぜひ手に取ってみましょう。
CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ) CSブラックラベル リラックスクッションチェア
DOD「スゴイッス」
大きい背もたれをはじめ、座り心地を高める機能を多く搭載したチェアです。シーンに合わせて4段階で高さを調節でき、焚き火を囲むときからハイテーブルで食事をするときまで1脚で担えます。
さらに脚の角度を調節すれば、座面の角度も変えられます。食事をするときはもちろん、昼寝をするときにもリラックスできる姿勢を演出可能です。耐荷重は約100kgと、リュックを抱えながら座っても問題ありません。
収納方法は組み立て式で、約46×39×11cmのカバン型に片づけられます。重量は約2.3kgとコンパクトチェアの中では少々重めですが、座り心地を追求したい人にはバランスのよいモデルです。
DOD (ディーオーディー) スゴイッス
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コールマン「ヒーリングチェアNX」
ボア素材を使用しており、秋から春にかけて活躍するチェアです。
冬場のキャンプでは、チェアの背中からの冷気が意外と寒く感じるものです。しかし『ヒーリングチェアNX』なら背中を温めてくれるため、食事や焚き火をするときも寒い思いをしなくて済むでしょう。
さらにボトルや小物を入れられるサイドポケットが付いており、体をすっぽり包み込むような形状をしているので、チェアから離れたくなくなるはずです。収納方法は開閉がしやすい収束型で、収納サイズは約25×14×65cmです。耐荷重は約100kg、重量は約2.5kgと機能のわりには軽量なモデルです。
Coleman(コールマン) ヒーリングチェアNX (チャコール)
軽量&高機能を両立したおすすめチェア
軽量性に加え、メンテナンスのしやすさや、大きめサイズなど機能性も両立したおすすめのチェアを2つ紹介します。自分の求める性能を持っているものがあれば、ぜひ手に取ってみましょう。
ロゴス「エアライトテスリンバケットチェア」
テスリンメッシュを全面に使用した、水や汚れに強いチェアです。水遊びをした後、濡れたまま座っても濡れをあまり気にせず、快適に座れます。
丸洗いも可能なため、布製のチェアに比べ汗の臭いや汚れも落としやすいでしょう。総重量は約1.2kgと軽量な組み立て式で、収納時は約13×32×13cmに収まるので、持ち運びのしやすさも十分です。
さらに7001アルミ合金を採用することで耐久性を高めており、耐荷重は約120kgの高い耐久性も実現しています。
LOGOS(ロゴス) エアライトテスリンバケットチェア
ヘリノックス「タクティカルチェア」
コンパクトチェアで有名なヘリノックスのチェアです。吊り下げ式の座面は、座ると重力に任せてお尻が最適な位置に来るため、しっくりくる座り心地を体感できます。
収納袋が小物入れを兼ねており、パーツを無駄にしない工夫がなされています。収納時のサイズは約11×37.2×10cmとリュックに入れられる小回りのよさも魅力です。重量約1.034kgと軽量で、片手で楽に持ち上げられます。
耐荷重は約145kgと余裕があるため、大柄の人も使用しやすいでしょう。
Helinox(ヘリノックス) タクティカルチェア
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まとめ
コンパクトなチェアがあれば、休憩時にすぐ取り出して体力を回復させられます。昨今は重量が約1kgを下回る超軽量のモデルも出てきており、リュックにも入れられる小ぶりさを持ち合わせたモデルもあります。
チェアを選ぶときは、重量だけでなく、耐荷重や収納方法も忘れずにチェックしましょう。一般的に重量と快適性は比例する傾向にあるので、自分が求める性能とのバランスを見るのが重要です。