北タイの小さな街ナーンで出会った、絶品料理ゲーン・ハンレーに言葉を失う
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    2023.06.16

    北タイの小さな街ナーンで出会った、絶品料理ゲーン・ハンレーに言葉を失う

    のどかな雰囲気が漂う、ナーンの街。
    ©Takaki Yamamoto

    著述家、編集者、写真家・山本高樹のタイ辛旨縦断紀行④

    のどかな雰囲気の地方都市、ナーン

    チェンマイでの取材を終えた僕は、同じくタイ北部にある小さな街、ナーンにバスで移動しました。地理的にはチェンマイから真東に200キロほどの位置にあるのですが、間にある山々を避けるためか、チェンマイからの道路は、いったん南下してからぐるりと回って北上していく形になっていて、かなりの長旅でした。

    ナーンの街は、16世紀頃に当時のビルマに支配されていた時期に荒廃してしまったため、復興したのは19世紀以降のことになるそうです。街並は比較的新しい印象ですが、目立った高層建築はなく、のどかな雰囲気が漂っていました。街で会う人々にはあまり英語が通じないのですが、みんなとても親切で、取材の時はもちろん、買い物や食事の際にもあれこれと気遣ってもらいました。

    何もかもが金色に覆われている、ワット・シーパントン。
    ©Takaki Yamamoto

    ナーンの街には大小の寺院がいくつもあって、かつては荒れ果てていたという寺院も見事に再建されています。ワット・シーパントンという寺院は、屋根や壁から装飾まで、すべてが金色に覆われていて、眩いほどの豪華絢爛さでした。

    ワット・プーミンの本堂にある有名な壁画。
    ©Takaki Yamamoto

    16世紀末に建立されたワット・プーミンという寺院の内部には、仏伝や地元の伝承、当時の人々の風俗などを描いた壁画が残されています。男性が女性の耳元にささやきかけている壁画は特に有名で、「ラーンナーのモナ・リザ」とも称されているそうです。この壁画を題材にしたポスターやグッズなどを、ナーンでは至るところで見かけます。

    ワット・プラタート・カオ・ノーイからの眺望。
    ©Takaki Yamamoto

    街の郊外の山上にある寺院、ワット・プラタート・カオ・ノーイには、金色の仏陀像が立つ見晴台があり、ナーンの街をぐるりと一望することができます。世界は広いのだなあ……と、取材の合間に、しばし感慨に耽りました。

    カオニャオとゲーン・ハンレー。
    ©Takaki Yamamoto

    ゲーン・ハンレーの旨さに言葉を失う

    ナーンでは、フアン・プーカーというレストランを取材しました。地元出身のオーナーシェフが、ナーンの郷土料理を提供するために開業したレストランなのだそうです。おひるごはんも兼ねていただいたのは、カオニャオ(もち米)とゲーン・ハンレー。ビルマにルーツがある料理とも言われるゲーン・ハンレーは、豚の塊肉をたっぷりの生姜などと一緒に煮込んだカレーです。この店のゲーン・ハンレーは、豚肉がふっくら柔らかくて脂に甘味があって、生姜などの味加減も絶妙で……ちょっと言葉が出なくなるほどのおいしさでした。ナーンを訪れる機会があれば、ぜひ食べていただきたい一皿です。

    夕暮れ時になると屋台が出現する、プレーの街の中心部。
    ©Takaki Yamamoto

    一番人気のメニューは、イェンタフォー。
    ©Takaki Yamamoto

    行列のできる屋台で食べた、イェンタフォー

    ナーンでの取材を終えた翌日、僕は再びバスで南下して、プレーという街に移動しました。この街では、毎日夕方頃になると、街の中心部にずらりと屋台が出没する区画があります。他に手頃な食堂の心当たりもなかったので、その屋台街に行ってみると、ひときわ長い行列ができている屋台を発見。見ると、イェンタフォーと呼ばれる麺料理を出している屋台でした。

    イェンタフォーとは紅腐乳で作ったスープを使った汁麺のことで、ピンク色をしていることから、ピンクヌードルなどとも呼ばれています。運ばれてきたイェンタフォーをすすり込むと、ほんのりすっぱい中に旨みもあって、くせになりそうな味。がやがやとした喧噪の中、暮れていく空を眺めながら、この街にまた来ることはあるのかな、と、ふと考えたりしました。

    タイを南下して縦断する旅は、さらに続きます。

    ———

    取材協力:
    『地球の歩き方タイ 2024〜2025』
    (地球の歩き方 2023年6月8日発売)

    私が書きました!
    著述家・編集者・写真家
    山本高樹
    1969年岡山県生まれ、早稲田大学第一文学部卒。2007年から約1年半の間、インド北部の山岳地帯、ラダックとザンスカールに長期滞在して取材を敢行。以来、この地方での取材をライフワークとしながら、世界各地を取材で飛び回る日々を送っている。著書『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)で第6回「斎藤茂太賞」を受賞。

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