5 やんばるの森【沖縄県国頭村周辺】
本土と違った動植物があまりにたくさん現われる。
はじめて訪れたときは、100m進むのに1時間以上かかったほど。
(樹木ジャーナリスト/林 将之)
沖縄本島北部に広がるやんばる(山原)の森は、イタジイ(スダジイ)が優占する亜熱帯の照葉樹林。植物だけでも1000種類以上が確認されている。雨が多く、とくに湿度の高い与那覇岳などの山頂周辺は、ランやコケの宝庫。固有生物も多く、日本の鳥類の約半分、在来のカエルの約4分の1が棲息する。「やんばるの森を象徴するのは高木性シダのヒカゲヘゴや、観葉植物にもされるクワズイモなどです。やんばるでも海辺はサンゴ石灰岩が土壌の森も多く、長い気根を垂らすガジュマルやアコウなど、南国的な風景が見られます。山頂の森とどちらも好きです」(林さん)。●交通/沖縄自動車道許田ICより車で75分。問い合わせ先:やんばる学びの森TEL:0980(41)7979