とはいえ、何でも減らせばいいというわけでもありません。日々の生活に欠かせない消耗品や、いざというときに役立つものは、やっぱりある程度備えておきたいところです。
今回は、3年半以上にわたる車中泊生活のなかで、「これは切らしたくない」「常備しておいてよかった」と実感したストック品をご紹介します。これからバンライフを始めたい方はもちろん、普段の暮らしや防災の備えを見直したい方にも、参考にしていただけたらうれしいです。
CONTENTS
バンライフの荷物は最小限が大事!でも、なくなると困るものがある

キャンピングカーの収納は、家の収納とは違って限りがあります。洋服やキッチン用品、食材、日用品、アウトドア用品など、生活に必要なものを積み込むだけでも、収納はすぐにいっぱいに。家のように、必要になりそうなものを多めに買って、ストックするというわけにはいきません。

そのため、私たちはできるだけ荷物を増やさず、本当に必要なものを厳選して持つようにしています。とはいえ、3年半以上にわたって車で暮らしながらヨーロッパ各地を旅していると、必要なものが手元になく、いざというときに困ったことも何度かありました。
旅の途中で買い物をしようと思っても、山の中や小さな田舎町にいて近くにスーパーが見つからなかったり、ようやくたどり着いたお店が閉まっていたり。お店に着いても、お目当ての商品が見つからないこともあります。ヨーロッパには、日本のように、日用品から食料まで幅広くそろうコンビニがなく、土日にお店が閉まっていることも多いです。いつでも好きなときに買い足せるとは限らないのが、常に移動しながら暮らすバンライフのリアルです。

とはいえ、限られた収納スペースに何でも多めに備えておくわけにもいきません。使う頻度や保存のしやすさ、収納場所なども考えながら、必要なものを必要な分だけストックすることが大切です。
以前の記事では、長期の車中泊旅を支えるポータブル電源やソーラーパネルなど、電源を確保するためのアイテムを紹介しました。今回は、3年半以上の車中泊生活を通して、日々の暮らしに欠かせない消耗品や、狭い車内でも常備しておきたいと感じたストック品をご紹介します。
狭い車内でも手放せない、わが家の常備品
①カセットトイレの薬剤

カセットトイレやポータブルトイレを装備している場合は、タンクの処理やにおい対策のため、専用の薬剤を使う必要があります。さまざまなメーカーから商品が販売されていますが、私たちが愛用しているのは、THETFORD(セットフォード)の「Aqua Kem Blue Sachets(アクアケムブルーサシェ)」。水に溶ける小袋タイプの薬剤で、使用量を量る手間が少なく、扱いやすいのが特徴です。

ただ、この薬剤はどこでも簡単に手に入るわけではなく、販売しているお店が限られています。価格もお店によって差があり、安いときで13ユーロ(約2,200円)、高いときには28ユーロ(約5,000円)ほど。できるだけ安く購入できるタイミングを狙って、まとめ買いするようにしています。
そのため、わが家では4~6か月分を目安にストック。残りが少なくなってから買い足すのではなく、価格が安く手に入るタイミングでまとめ買いするのが、出費を抑えながら長く車暮らしを続けるための工夫のひとつです。
②キッチンペーパーやゴミ袋などの消耗品

車中泊生活では水が貴重。生活用水を確保するだけでなく、皿洗いやシャワーなどで使った排水(グレーウォーター)も、専用の場所で適切に処理する必要があります。そのため、私たちは普段から節水を心がけています。
そんなときに活躍するのがキッチンペーパーです。皿洗いでは、食べ残しや油汚れをキッチンペーパーで拭き取ってから洗うようにし、洗い物に使う水を減らせるだけでなく、排水タンクに流れ込む汚れも少なくできます。

そして、車暮らしでも、ゴミの分別は欠かせません。ただ、旅先ではゴミを捨てられる場所が見つからなかったり、分別のルールが違ったりすることも。そんなときに困らないよう、わが家ではサイズの異なるゴミ袋をいくつかストックしています。ゴミを入れる以外にも、濡れた衣類や汚れた靴を入れたり、水に濡らしたくない荷物を保護したりとゴミ袋はいろいろな用途に使えます。

どちらも身近なお店で買えるものですが、常に移動しているバンライフでは、必要なときにすぐ手に入るとは限りません。自然の中で過ごしているときに「なくなった!」と慌てないよう、残量を確認しながら早めに補充しています。
③ 節水にも役立つウェットシート類

キッチンペーパーと同じく、ウェットシート類も車内にいくつかストックしています。なるべく水を使わずに済むよう、おしりふきシートや除菌シート、お掃除シートなど、用途に合わせて使い分けられるように、さまざまなタイプを常備しています。
車中泊生活では、いつでも好きなときにシャワーを浴びられるとは限りません。近くにシャワー施設がなかったり、水を節約したいときには、おしりふきシートで体を拭いて済ませることもあります。また、テーブルやキッチン周りの掃除、手が汚れたときなどにもウェットシートがあると便利です。
おしりふきシートは体用。メイク落としシートは顔用。除菌シートは手指・身の回り用。お掃除シートは車内外のお掃除用などと、車内にいくつかの種類のシートを常備しておくと便利です。
もちろん、使い捨てなのでゴミは出てしまいますが、水を使う量を減らせるうえ、さっと取り出して使える手軽さも魅力。
④ パスタや缶詰などの保存食

パスタや缶詰、レトルト食品など、常温で長期保存できる食材は少し多めにストックしています。冷蔵庫のスペースを使わずに保管でき、食事のベースになる食材として何かと重宝しています。
バンライフでは、いつでも好きなときにスーパーへ買い出しに行けるとは限りません。山の中や自然豊かな場所で数日間過ごすこともあれば、近くにお店がなかったり、週末でスーパーが閉まっていたりすることもあります。また、車の電源トラブルなどで冷蔵庫が使えなくなってしまう可能性もあるため、冷蔵保存が必要な食材ばかりに頼るわけにはいきません。
そんなときに役立つのが、常温で長期保存できる食材です。例えば、パスタとトマト缶があれば、パパッと簡単にスパゲッティを作ることができます。

もちろん、車内の収納スペースには限りがあるので、何でも大量に買い込めるわけではありません。それでも、パスタやトマト缶、コーン缶、ツナ缶詰などは少し余裕を持たせてストックするようにしています。いざというときの非常食としても役立つので、日常の食事と防災の備えを兼ねた、わが家に欠かせない常備品です。

⑤飲料水

私たちのキャンピングカーには150Lの水タンクがありますが、そこの水は皿洗いやシャワー、トイレなどに使用し、飲み水にはスーパーで購入したミネラルウォーターを使っています。
水道水をそのまま飲める国や地域もありますが、ヨーロッパ各地を移動しながら暮らしていると、訪れる場所によって水道水の水質や飲用の可否が異なります。毎回その場所の水道水が飲めるかどうかを確認するのも大変なので、私たちは安全面を考えて、飲み水は基本的にミネラルウォーターを購入するようにしています。

ペットボトルの水は重く、かさばるので、限られた車内の収納スペースを使ってしまうのが難点。それでも、わが家では2Lのペットボトルを18〜24本ほど常備しています。山の中や人里離れた自然の中でワイルドキャンプをすることも多く、1週間ほど近くにお店がない場所で過ごすこともあるからです。そんなときに飲み水がなくなってしまったら大変。買い出しに行けない期間も安心して過ごせるよう、余裕を持ってまとめ買いするようにしています。
また、いざというときのために、アウトドア用の浄水器も車内に備えています。私たちが持っているのは、SAWYER(ソーヤー)の「MINI SP128」。自然の中で過ごすことが多いので、万が一、手持ちの飲料水が足りなくなったときのための備えです。

もちろん、浄水器があればどんな水でも飲めるというわけではありませんが、非常時の選択肢がひとつ増えるだけでも安心感があります。
重くて収納場所も必要な飲料水ですが、毎日の生活に欠かせないものだからこそ、わが家ではほかの荷物よりも優先してストックしています。何かあったときも、まず飲み水さえ確保できていれば、ひとまず安心。そう考えて、普段から少し多めに備えるようにしています。
バンライフでも必要なものを見極めて、無理なく備えることが大切
キャンピングカーでの暮らしは、収納スペースが限られているからこそ、自分たちの暮らしに何が必要なのかを見極め、必要なものを必要な分だけ備えておくことが大切です。
3年半以上にわたるバンライフを通して実感したのは、必要なものがいつでも手に入るとは限らないということ。停電や断水、交通機関の乱れなど、災害時にも同じような状況が起こる可能性があります。普段の暮らしのなかで少し多めに備えておくことが、いざというときの安心につながると思います。
今回は私たちが普段からストックしているものを紹介しましたが、車の大きさや旅の期間、旅のスタイルが変われば、必要なものも変わってきます。大切なのは、自分たちの暮らしに何が必要なのかを見極め、今だけでなく、先のことも考えながら選ぶこと。それが、長く快適で楽しいバンライフを続ける秘訣だと思います。


