つまりポルトガルと言ってもヨーロッパとはまた違う美しい風景が広がります。そして山がちな島なのでアウトドアアクティビティの宝庫です!
どうも、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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【柳沢有紀夫の世界は愉快!ポルトガル・マデイラ島旅編1】
ポルトガルの首都リスボンからマデイラ島のフンシャル空港までは2時間のフライト。でも国内線だけでなくヨーロッパの約70都市、さらになんとアメリカのニューヨークからのフライトもあります。
つまりそれだけ人気があるリゾート地。別名は「太平洋の真珠」または「常春の島」です。
旅行者が多いのは北半球が夏休みの6月から8月までですが、「常春の島」だけあっていつでもベストシーズン。12月から2月くらいは避寒のため長期滞在するリタイア層が増えるのだとか。
ここでは有名な絶景ハイキングが数か所で楽しめるのですが、まずは4WDで島のあちこちを巡ってプチハイクするツアーを楽しんでみました。ガイドの名前はホアンさんです。

彼の名前はポルトガル語だと「ジョアン」になるのですが、「ホアン」と名乗っているのはスペイン語圏のベネズエラで生まれたからなのだと思います。そのいきさつはまだ後ほど。
ホテルでピックアップしてもらってから道を走ると出てくるのがこんな光景。

この島の地理的特徴としては海のそばに平地がほとんどないことが挙げられます。今回お世話になった別のガイドさんに聞いたところ、海に面した部分の70パーセントが切り立った崖なのだとか。
そして島の東側は急峻な山岳地帯なのですが、西側にはかなり広い高原が広がるそう。


ちなみにフンシャルの人口は約13万人で、じつはポルトガルでは5番目に多いのだとか。島全体の人口は25万人くらいだそうです。
島の面積は約741平方キロメートル。日本でいうと奄美大島よりもちょっと大きいくらいです。
ではなんでこんな農業がしづらい、つまり定住に適さない断崖絶壁の島をポルトガルが領土にしたかというと、大航海時代に「水の補給のため」だったのだとか。
ちなみに先住民はいなかったそうで侵略したわけではありません。またヘビのような危険な動物もいないのだそうです。
プチハイクその1「水路ハイク」
そんな話をしながら到着したのは山の中腹にめぐらされた用水路の脇のハイキングコース。ふもとでは晴れていたのにガスってきました。

超ゆるやかなスロープにして水が流れるようにしているのは日本の田園地帯の用水路と同じですが、平地ではなく山の中でこれをつくったのはすごく大変だったと思います。
今では農業用水や水力発電で使われているそうですが、かつては飲用。そして16世紀につくった当時にはここにニジマスを放流していたそうですが、なぜだかわかりますか?
もちろん「海が時化で魚が獲れないときのタンパク源」にもしたそうですが、そもそもの放流の理由は違います。
ヒントを出しましょうか。「炭鉱のカナリア」です。はい、「無色無臭の有毒ガスがたまることがある炭鉱に、人間よりもガスに敏感なカナリアをカゴに入れて持って行き、安全性を確認した」というあれです。ということは…。
はい、正解は「水が飲めるかどうかを確認するため」です。「魚が生きていれば水が飲める」という判断なのだそう。なかなか賢いですね。
ちなみにこの水路、最初は石を組んで作っていたけれどもやっぱり水がしみ出てしまうので木の板にして、最終的には現在のコンクリートに落ち着いたとのこと。
そして5分ほど歩いたところで狭いトンネルが見えてきました。

とテンションがあがったところで…ちょっと待て。待て待て待て。ホアンは手ぶらなような…。ヘッドランプを持ってきていないような…。そして私も持ってこいとは言われていないような…。頭の中に暗雲が立ち込めてきました。
「ホアン。もしかしてここには入らないとか?」と恐るおそる聞くと「うん、入らないよ」の即答。涙

ちなみにホアンによるとトンネルの向こうには5分ぐらいで行けるのだとか。
私たちはここで引き返します。往復約10分のプチハイクでした。

暗雲のあとの雲海!
車に戻って次の目的地に向かう前にホアンは「シートに座るんじゃなくて、車のルーフを開けられるから後部座席に立てるよ」と言います。悪路を楽しむアトラクションということですが…別の場所で同じようなことをして体があちこちにぶつかって閉口した記憶があるので遠慮しました。
助手席に座った私にホアンは「今まではワンハンドマッサージだったけれどもこの後はツーハンドマッサージになるよ~」とひとこと。最初、その意味がわからなかったのですが「砂利道を走るときのガタガタという振動」をマッサージに見立てて、「片手のソフトなマッサージから両手のマッサージレベルの強烈な揺れになる」ということでした。…だったら後部座席に立つこと、勧めるなっつ~のっ!
このあたりでは先ほどのトンネル手前での寸止めも含めて、「この先、どうなるのかなあ~」という暗雲が立ち込めていたのですが…。

さらに進んで車を降ります。するとそこに現れたのは今までの暗雲とは正反対の…。



この島で標高が高い山のトップ3の山々なのだとか。いずれも標高1800メートルくらい。はい、後日あのあたりへのハイキング記事も公開されるのでお楽しみに!
プチハイクその2世界遺産「マデイラの照葉樹林」
さてそのあと高原の道に入りました。標高は1500メートルくらいだそう。

断崖絶壁だらけの海岸線がウソのような風景です。ではここで農業ができるのかというと、高原では風が強すぎたり寒すぎたりと天気が悪くて、野菜や果物をつくるのには適さないのだそう。
そこでもっぱら酪農に使われているのだとか。牛の姿も見られました。
そして次のプチハイクのポイントは「世界遺産のマデイラの照葉樹林」です。
「照葉樹林」とは「秋冬に落葉せず、一年中緑の葉を保つ常緑広葉樹で形成された森林」のこと。「常緑広葉樹」は葉の表面が厚くて太陽の光をキラキラと照り輝くように反射させることから「照葉樹林」の名称がつきました。

ところがホアンときたら「ボクは休んでるから10分か15分でハイキングしてきて」。
というのも「世界遺産」にはなっていますが要は温帯の林。「熱帯雨林のような鬱蒼と茂る異世界感」も「圧倒されるような巨木群」もないので、地元のガイドとしては「あっさりでいい」という判断だったのかもしれません。
まあ、他にも見所満載ですし。

次の場所への移動の合間にもちょこちょことおもしろいものを紹介してくれます。それがガイドとの旅のいいところ。

観光がなかったころはこの島の生活も大変だったのでしょう。じつはホアンの両親もそうなのですが、多くの人たちが仕事を求めてマデイラ島から当時産油で潤っていたベネズエラに移住したのだとか。
でもその後国家介入型の経済政策の大失敗によりベネズエラが経済危機に陥り、逆に観光で潤うようになってきたマデイラ島に戻ってきた人たちが多いそうです。

プチハイクその3「神の指」へ
さて高原から海岸に降りてきて、やってきたのは「ゴッドフィンガー」、つまり「神の指」と呼ばれる岩がある場所。

写真右下に階段が見えるでしょうか。

その先に展望スペースがあり、突き立てた人差し指に見えます。

確かに天をさす大きな指に見えますね。
ただし角度を変えると指っぽくなくなります。

日本ならむしろ「夫婦岩」とか名付けられそう。

番外編「火山岩のインフィニティープール」
さてこのあとホアンがまたおもしろいところに連れて行ってくれました。
海岸そばにある火山岩がむき出しの「ボルケニックプール」、つまり「火山岩プール」です。

満潮時で波が荒いときなどにはこの中に海水が入ってくる「海水プール」です。
とはいえ私が行った日は5月下旬でも寒く、またご覧のように曇天だったのでプールで泳いでいる人はほぼゼロ。「ここまで来たからには意地でも入る」という感じで水着になって下半身だけ浸かっている人が見られたくらいです。
でも夏場にハイキングのあとに来たら最高でしょう。
ただたとえ泳げなくても…。


全体的にはロールプレイングゲームに出てくる「宝島」感があって、「超プチハイク」的にも楽しめました。
じつは他にもこうした火山岩でできた海沿いの天然プールはいくつかあります。


人が少なくホアンは「ここが一番好き」と言っていました。

これでも海岸線では数少ない「平らに近い場所」です。笑
【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら!
マデイラ観光局(英語サイト)
https://visitmadeira.com/en
ポルトガル政府観光局(日本語サイト)
https://www.visitportugal.com/ja




