スペイン・ピレネー山脈での「湖畔ハイキング」が、まさかの「極寒ハイキング」に…? | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2026.07.08

スペイン・ピレネー山脈での「湖畔ハイキング」が、まさかの「極寒ハイキング」に…?

スペイン・ピレネー山脈での「湖畔ハイキング」が、まさかの「極寒ハイキング」に…?
アウトドアアクティビティの王道と言えばハイキング。でもハイキングもいろいろあります。

「登山」という言葉があるように日本では頂上を目指す「ピークハント」がメインです。でも欧米では頂上を目指さない名コースもたくさんあります。

たとえば前回スペイン・カタルーニャ州のピレネー山脈から紹介したのは絶景の「渓谷ハイキング」。

そして今回は名峰を眺めながらののどかな「湖畔ハイキング」! という予定だったのですがまさかの「極寒ハイキング」に。

まあ、それも山。どうも、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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前回はこちら↓

ピレネー山脈の美しい雪山を眺めながら、気持ち良すぎる「渓谷ハイキング」! | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

【柳沢有紀夫の世界は愉快!スペイン・カタルーニャ旅編6

やってきたのは「アグエストルタス・イ・エスタニ・デ・サン・マウリシ国立公園内」の「サン・マウリシ湖」。カタルーニャの州都バルセロナから車で4時間弱、今回の旅の出発点であるジローナからは車で4時間強。いずれも公共交通機関で行くのは難しいようです。

で、なんでここにやってきたかというと「サン・マウリシ湖」越しに眺める「グラン・エンカンタット山」が雄姿が見事だから…ということですが、はい、冒頭の写真がそれです。

つまりはあいにくの天気。というか荒天。風も差すほどにつめたく冷たく、5月中旬だというのにアウターの中にはダウンジャケットを着こんでいます。

レインウェアの上下も着込んで、フードの中にはニット帽。

あまりの寒さに「マッチ、マッチは要りませんか?」と誰彼ともなく声をかけたくなりましたよ。というか焚火をしたい。温泉に入りたい。

でもやっぱり出発します。そこに山があるからです。

極寒に現れる幻想的な風景?

なんでも教えてくれるGoogleフォト先生によると北緯42度ということなので、日本でいえば北海道の襟裳岬あたりらしいのですが、それでも5月中旬。季節は「風薫る」とか「さわやかな」という枕詞が似合う初夏のはずなのですが、なぜこんなに寒いかというとここは標高約2000メートルだからです。

今回ガイドしてくれたグレイさんによると冬には場所によって雪が3メートルくらい積もることもあるといいます。ただしこうした森の中のハイキングコースは木がさえぎってくれるので50センチメートルくらい。冬でもハイキングガイドの仕事をしているそうです。

今回のガイドを務めてくれたグレイさんと。

私が意外と元気なのはこの写真を撮ったのが歩き終えてポカポカしてきたときだからです。

さてそのグレイは歩きながらこんなことをつぶやきます。「夏は緑、冬は雪、秋はマッシュルームでまたいい季節になるんだよね~」と。なるほどなるほど。さらには「個人的にはこういう曇った日のほうが、いつもの晴れのハイキングと違って楽しいんだよね~」とも。なるほどなるほど。

で~も。初めてここに来た私にしてみたらやっぱり晴れた日のほうが嬉しいです。

ただ天候が悪いは悪いで「あのときはきつかったな~」と逆にいい思い出になったりするのが山というもの。笑

流木がいい味を出していたり…。
どこか山水画のような雰囲気を醸し出していたり…。

ここは「幻想的な風景」と思うようにしましょう。笑

さてグレイによるとこの国立公園内だけで約200の湖があるとのこと。このサン・マウリシ湖ももともと氷河が作ったものですが、今では水力発電のためのダムとしてせき止められているのだとか。

動植物を発見するも…

遠景があまり期待できない時には植物でも…と思ったのですが、そんなときに限ってなかなかきれいな花は見つからず。

ところが!

10センチメートルくらいあるナメクジを発見!

あっ、すみません。あまり好きな人はいないでしょうね。

ただナメクジを見つけたとき、私がいつもつぶやくジョークがあります。そのジョークで近くにいた見ず知らずのうら若き女性たちを爆笑に渦に巻き込んだことも数知れない「鉄板ネタ」というやつです。それは…。

「うわ~っ、おいしそ~!」。今回もバカウケ状態だろうとグレイの視線を向けてみたところ…。「あっ、ホントにそうだね~」

そうでした、そうでした。ここ、カタルーニャでもフランスのエスカルゴ同様、カラコレスというカタツムリ料理が名物でした。笑

そのまままたしばらく歩いていると「ワ~オッ!」という声とともに、急にグレイが地面にしゃがみこんみました。そして何かをつまむようなしぐさ。おいおい、まさかナメクジを生で食おうとしているんじゃないだろうなとビビッていたところ…。

「これらは何かわかりますか?」とグレイ。

松ぼっくりがかじられたものだとわかったのですが、一応「エビフライですか?」とギャグを一発。今回はウケました。それはそうと…。

「この2つ、形が違いますよね?」。ああ、左のほうがしっかりかじられていますが、右のほうはそうでもない。「じつはリスが食べると歯が歯の間が隙間があるのでちょっと残るんですが、ネズミは食べ残しが少ないんです」。へえ~。

しかしエスカルゴとかエビフライとか温かい食べものばかりが頭に浮かぶのは…はい、寒いからです。完全に「マッチ売りの少女シンドローム」です。…はい、そんなものはありません。

ちなみにグレイによると「摂氏2~3度くらいじゃないですかね~」とのこと。

で~も。山のハイキングでは好天もあれば荒天もある。それが山、それも山。…なんだか必死にいいことを言って寒さをごまかそうとしていますが、脳内が凍結してしまっています。

そういえば私、手袋もはめていたな。

用意周到ってやつですね。

木道があるとちょっと嬉しくなります。
かなりの勢いで流れる雪解け水。

こんな感じで写真を撮っていて、またお得意の置いてきぼりを食らう私。で、あとからトレラン状態で走って追いかけるのですが…なんか息が上がるなあ。

そうです、ここ標高2000メートルでした。

雪解け水の激流へ

遠くに滝が見えるところが折り返し地点です。

滝、たいしたことね~なと思われるかもしれませんが。
カラダを反転させると…。
怖いくらいの激流です。

さて戻ります。

登山道が濡れているのは雨というよりも雪解け水のためだそう。

タスマニアとかパタゴニアとかを思い出します。タスマニアではずっと使っていなかったトレッキングシューズがトレッキング開始そうそうぶっ壊れて大変だったな。…しかも5泊6日の行程。この記事です。

いかにも飲めそうな清水っぽいですが…。

グレイによると「僕ら地元の人間はここらのバクテリアとかに慣れているから飲むけど、他から来た人は飲まないほうがいいと思うよ。処理もされていないし」とのこと。

そして1時間強のハイキング終了。

スタート地点に戻ったのが午後6時すぎ。この時期のヨーロッパは8時くらいまで明るくて9時くらいになってようやく夕方っぽくなるので、感覚がバグります。

インフォメーションセンターに合ったハイキングマップ。

右側の稜線歩きのルート、いつか絶対にチャレンジしたいです。そのためには夏に再訪しないと。

そろそろ夏が来ます。

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

カタルーニャ州政府観光局(日本語サイト)
https://catalunya.jp/

ATTA (ADVENTURE TRAVEL TRADE ASSOCIATION。アトベンチャートラベルに関する世界的な業界団体。今回のイベントを主催)
https://www.adventuretravel.biz

Outdoor Adventours (今回のカタルーニャでの各アクティビティのツアー催行会社)
https://outdooradventour.com/

著者画像

柳沢有紀夫さん

オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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