しかし、いざ始めてしまえば、驚くほど簡単に釣れてしまうことや、釣り味にハマること間違いなしです。
今回は鮎釣りの時期ごとの攻略や、釣りに臨む心構えについて解説します。
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鮎釣りの時期はいつからいつまで?
鮎釣りは一年中楽しめるわけではありません。
鮎は1年で一生を全うする年魚で、幼魚の期間を海で過ごし、春ごろから河川に遡上して生育を遂げます。
鮎釣りが楽しめるのは河川で生育し成魚になってからの数か月間で、夏の釣りの代表格です。
資源保護のために各河川ごとに期間が定められており、産卵時期の数週間は禁漁となることもあるため、釣りに赴く河川ごとに規則を確認するようにしましょう。
鮎釣りの解禁時期はいつ?
筆者の通う新潟県や北陸の河川では水温が上がり始める6月中旬ごろから解禁を迎えます。
真夏の釣りのイメージが強い鮎釣りですが、気候が温暖な地域ではゴールデンウィークごろに解禁する河川もあります。
毎年決まった日付に解禁する河川もあれば、6月の第二週から(解禁日は毎年変動する)という河川もあるため、遊漁規則のチェックは忘れずに行いましょう。
鮎釣りのベストシーズンはいつ?
梅雨が明けて本格的な夏を迎える7月上旬からお盆ごろまでが鮎釣りの盛期です。
強い日差しと適度な降水で川底の良質なコケが育ち、それを食べた鮎は強い縄張りを持ち、誰でも簡単に鮎を掛けて強烈なアタリを味わうことができるため、友釣りの醍醐味を存分に味わえます。
お盆に差し掛かると降水量が減り、増水によるコケのリフレッシュが起こりづらくなり、鮎の活性が下がるため釣りの難易度が増す傾向にあります。
鮎釣りは時期によって何が変わる?
鮎の大きさや数が変わる
鮎は年魚と呼ばれ、わずか1年でその生涯を終える魚で、たった数ヶ月の釣りシーズンの中で劇的な成長を遂げます。
解禁直後から7月上旬は10cm〜15cm程度の可愛らしいサイズの若鮎が多く、真夏の盛期になると20cm前後の、釣って楽しい食べて美味しいサイズへと成長します。
そして、秋口の終盤には25cmを超えるような大鮎へと姿を変え、数釣りはしづらくなりますが1匹1匹の引きは強烈になります。
同じ河川、同じ鮎釣りでも、シーズンの進行とともに釣り味が全く違うものになっていくのも鮎釣りの醍醐味です。
縄張り意識や追い気が変わる
鮎の友釣りは、鮎が持つ「縄張りに侵入してきた他の鮎を体当たりで追い払う」という習性を利用した釣りです。
この縄張り意識は時期によって大きく変化し、特に5月など早期に解禁する河川の若鮎はまだ縄張りが弱く、群れで行動していることも多いです。
水温が上がりコケが豊富になる盛期を迎えると、良質なコケを独占するために強い縄張りを持つようになり、オトリを猛烈に追ってくるようになります。
秋が近づくと個体数の減少とともに縄張りを独占する必要がなくなるからか、追い気が急激に弱まります。
一方、今度は生殖行動を意識しはじめ、メスのオトリに対してオスの鮎が猛烈に追ってくるようになります。
川の水量やポイントの狙い方が変わる
日本の夏は天候の変化が激しく、梅雨の長雨や夕立などによって川の水量はめまぐるしく変わります。
解禁当初は残雪の雪代や梅雨の影響で水が多いため、流心の強い流れのなかではコケが生育せず、緩やかなヘチ(岸際)や浅瀬のコケを食んでいることが多いです。
梅雨が明けて渇水が進むと、鮎たちは酸素が豊富かつフレッシュなコケが生え始める瀬(流れが速く波立っている場所)へと移動します。
季節ごとの川の状況を見極め、「今の時期、鮎はどこでコケを食んでいるか」を想像しながらポイントを選んでいくことが釣果を伸ばすコツです。
使う仕掛けやオトリの考え方も変わる
鮎の大きさや縄張り意識の移ろいとともに、使う仕掛けも変えていくことが釣果を伸ばすカギです。
解禁当初の小さな鮎を狙う場合は、適度な伸縮性がありオトリへの負荷の小さい極細のモノフィラ系ライン(ナイロンやフロロカーボンの0.15号など)を使用し、群れにオトリを馴染ませて掛けるといったテクニックが要求されます。
盛期の瀬釣りや終盤の大鮎を狙う際には、強烈な引きに耐えられる複合メタルラインなどと、身切れを防ぐ太軸の針が必要不可欠になります。
また、初期の群れ鮎の狙う場合はオトリ自身に泳いでもらって、群れに飛び込ませることが大事になりますが、瀬釣りでは釣り人が主導してオトリを引くことが大事になります。
解禁直後の鮎釣りの特徴とコツ
若い鮎が多くサイズは小さめになりやすい
祭りかと思うくらい釣り人であふれる解禁日ですが、川にいる鮎はまだ成長途中の若鮎が中心です。
サイズも10cm程度の小ぶりな鮎も多く、せっかくオトリが変わっても強引な操作をするとあっという間に弱ってしまいます。
細い仕掛けを使用し、竿先にかかるわずかなテンションを感じながら繊細なオトリ操作が求められる、テクニカルなシーズンが解禁直後でもあります。
引きの強さこそ盛期に劣りますが、追星(黄色い斑点)が鮮やかな美しい若鮎に1年ぶりに出会えた時の喜びは、何度経験しても格別なものです。
群れ鮎と縄張り鮎の違いを意識する
解禁直後の鮎は、まだ縄張りを持たず、数十匹~数百匹の群れを作って川をあちこち回遊している群れ鮎が多い状態です。
縄張りを持っている鮎であればオトリをその場所に入れれば勝負は早く、初心者の方でも驚くほど簡単に釣れるのですが、群れ鮎はオトリを入れても無関心で通り過ぎてしまうことが多々あります。
この時期に釣果を伸ばすには、群れ鮎の中にオトリを同調させ、イカリ針ではなくチラシ針を使用するなどして、追わせるのではなく絡めとるイメージで釣るといったテクニックが必要になります。
解禁初期に狙いやすいポイント
解禁初期は水温の低さなどで、コケが付くポイントが限定的になりがちです。
そのため、流速が速く太陽光が届きづらい流心付近よりも、膝下くらいの水深で底石に太陽光がよく当たるチャラ瀬や、止水のようなトロ場に鮎が溜まりやすくなります。
また、そのようなポイントは目視で川底の状態を確認したり、実際に石を手に拾ってみることもできます。
解禁直後は釣り人が多いので難しい場合もありますが、できるだけ歩いて探り、石の表面に食み跡(鮎がコケを食んだ跡)がある場所を見つけるのが、解禁初期のセオリーといえるでしょう。
人が多い時期の立ち回り方
鮎釣りの解禁日はどの河川も心待ちにしていた釣り人で大混雑します。
挨拶なく無理に割り込んだり、隣の人のすぐ下流に立ったりするのはマナー違反であり、トラブルの元です。
初心者の方が人が多い時期に快適に釣りをするのは難しいというのが正直なところかもしれません。
そんなときにおすすめなのが、お昼休憩する釣り人と入れ替わるようにポイントに入ることです。
スロースタートで準備を済ませたら、ポイントの下見をしたり他の釣り人を観察してよく釣れる場所を見極めておき、お昼休憩する釣り人とすれ違うようにポイントに入ることができれば、快適な釣りをして釣果も得ることができることでしょう。
盛期の鮎釣りの特徴とコツ
追いが強くなり友釣りが成立しやすい
ギラギラとした夏の太陽が照りつける7月。いよいよ鮎釣りのベストシーズンが到来します。
水温が上昇し良質なコケが豊富になると鮎たちは自分の縄張りを持ち始め、侵入してくるオトリに対して果敢に体当たりを仕掛けてきます。
オトリを狙ったポイントに入れた瞬間に「ビビビ!」と目印が吹っ飛ぶような強烈なアタリは、鮎釣り一番の醍醐味です。
オトリの操作もそれほどシビアではなく、元気なオトリを瀬に沈めておくだけで勝手に掛かってくれることも多いため、友釣りが最も成立しやすく楽しい時期です。
数釣りを狙いやすい時期
盛期は鮎の活性が一年で最も高いため、数を伸ばしやすい時期で、鮎釣りの名人であれば1日で100匹といった驚異的な釣果も珍しくありません。
鮎の活性の高さと良質なコケの生育が相まって、一カ所の瀬から30匹、40匹といった爆発的な釣れ方をすることもしばしばです。
数釣りのコツは手返しの良さです。
掛かった鮎を取り込んだら、素早くオトリを交換してポイントへ送り込むという一連の動作を、どれだけ無駄なく行えるかが釣果に直結します。
天候や水温を見ながらポイントを選ぶ
夏の盛期は猛暑による高水温に注意が必要です。
川の水温が25度を超えてお湯のようになってくると活性が下がり、追いが極端に悪くなります。
ヘチや浅瀬は文字通りお湯になっていることも多く、曳き舟を持ち上げて水面から離して移動しないとオトリが全滅しかねないため注意が必要です。
このような時期は、酸素が豊富に溶け込んでいる白泡の立つ荒瀬や水深のあるトロ瀬、冷たい水が流れ込む支流の合流点などが狙い目になります。
そして、高水温の時期だからこそ夕立などで水温が下がった後は一気に活性が上がり、猛烈な釣れ方をすることもあるため、天候のチェックは欠かせません。
釣果を伸ばすためのオトリ運用
鮎釣りにおいて「腕よりもオトリ」と言われるほど、オトリの元気さは釣果を左右します。
少しでもオトリが弱ってきたなと感じたら、オモリで無理やり沈めたりしてだましだまし使い続けるよりは、面倒でもすぐにオトリを交換する勇気が必要です。
元気なオトリに変えた途端、今まで掛からなかったのは何だったのかと思うほど、すぐに鮎が掛かるものです。
そして、その1匹の鮎が掛かるか掛からないかが、「循環の釣り」を途切れさずに釣果が10匹に留まるか30匹まで伸びるかの岐路なのです。
終盤の鮎釣りの特徴とコツ
落ち鮎の時期に入る前の変化を知る
9月に入り朝に涼しさを感じるようになると鮎釣りもいよいよ終盤戦に突入します。
この時期の鮎は産卵のために川を下る準備をしており、やがて錆びと呼ばれる黒っぽい婚姻色が現れ、皮も硬くなります。
産卵は友釣りのフィールドより下流域で行われることが多く、産卵を終えるとそのまま息絶えて流下することから、産卵を意識している鮎のことを落ち鮎と呼びます。
産卵を意識し始めると縄張り意識が薄れ、友釣りでは釣れにくくなるのが特徴です。
実際に婚姻色が出始める前から卵を抱えるようになるため、釣れた鮎を食べているとその変化に気付くことでしょう。
また、抱卵している鮎は曳き舟やオトリ缶のなかなど、鮎同士が接触する環境で時間が経過すると腹部に薄っすらと赤色の婚姻色が出ることもあります。
大鮎狙いがしやすくなることもある
終盤の鮎釣りの最大の魅力は大鮎を狙うことにあります。
夏のあいだたっぷりとコケを食べた鮎の中には25cm、時には尺鮎と呼ばれる30cm(正確には1尺30.3cm)を超える大物に成長する個体もいます。
大鮎を狙う友釣りは盛期までの釣り方とは少し勝手が異なり、盛期では1日で30匹以上を狙えた釣果も、縄張り意識が薄れた後期の大鮎では1日5匹に留まることも珍しくありません。
そのため、後期の大鮎狙いは競技的な数釣りというよりも、1匹との出会いを大切にするトラウトフィッシングのような趣の釣りになります。
ちなみに盛期に1日100匹釣れるような「入れ掛かり河川」では、あまりにも多い鮎によって慢性的なコケ不足となり、後期でも鮎のサイズが20cmを越えず、引き続き数釣りを楽しむことができることもあります。
仕掛けを強めにする考え方
大鮎が相手の終盤戦では解禁当初のような繊細な仕掛けのままでは太刀打ちできません。
鮎とのやり取りは、鮎そのものの引きの強さに加え、掛かった瞬間に川の流れに乗って走ることから非常に強烈なものになります。
そのため、鮎は体長のサイズアップに対し、引きの強さは加速度的に増していきます。
具体的には、20cmまでの鮎なら0.05号の複合メタルラインで問題なかったものの、25cmの鮎では3倍の太さの0.15号でも切られることがあります。
ラインや針の号数を上げるだけでなく、結束部の強度を増す「編み付け」を多用するなど、妥協のない仕掛けを使用する必要があります。
終盤ならではの注意点
終盤の鮎釣りで最も注意すべきは水温の低下です。
朝晩の冷え込みが激しくなると水温もなかなか上がらず、同時に鮎の活性も上がりません。
意気込んで朝イチから釣りを始めたとしても、数時間全く鮎がかかることなく、いたずらにオトリを弱らせるだけに終わることもあります。
この時期は無理に早朝から川に入らず、太陽が昇って水温が上がり始める午前10時頃からゆっくりと竿を出すなど、鮎の活性が上がるタイミングで効率よく楽しむのがコツです。
また、水が浸入してくるウェットタイプの鮎タイツは体温の低下を招くこともあるため、ドライタイツの着用もおすすめです。
初心者は鮎釣りの時期をどう選べばよい?
解禁直後より安定しやすい時期を狙う
鮎釣りに初めて挑戦する初心者の方は、解禁直後よりも少し落ち着いた7月以降の方が釣りをしやすいでしょう。
解禁直後は鮎の付き場にムラが出やすい上、特に解禁日はお祭り騒ぎのように釣り人が多く、慣れない初心者の方は釣りをすること自体も少し難しい時期といえます。
一方で解禁から数日~1週間くらい経過すれば人混みも落ち着き、鮎の付き場などの情報もオトリ屋に集まるようになるのでポイントに迷うこともなくなります。
とはいえ、せっかく鮎釣りをする準備ができているのに解禁直後だからと釣りをしないのはもったいないので、釣りそのものよりもお祭り騒ぎを楽しむくらいの意気込みでフィールドに出てみましょう。
人が多すぎない日を選ぶ
筆者が鮎釣りを始めた頃、最も驚いたのが川に立つ鮎釣り師の多さです。
「鮎釣り人口が減少している」という言葉がウソに感じられるほど、有名河川の実績ポイントは釣り人がひしめき合い、出遅れると入る余地がないということもしばしばです。
鮎竿は9m前後と非常に長い上に、竿同士でぶつけたりすると簡単に折れる繊細さを持つため、あまりにも釣り人の密度の高いポイントでの釣りは初心者の方は避けるのが無難でしょう。
解禁直後の週末などは避け、可能であれば平日に休みを取ったりして、人が少ない釣行日を選ぶことができれば快適に釣りを行えます。
自分のペースで竿の長さに慣れ、オトリの操作に集中することが鮎釣りの楽しさを知るための第一歩になります。
釣りやすい河川を選ぶことも大切
時期だけでなく、河川選びも初心者の鮎釣りの上達を左右します。
鮎釣りは年によって釣果の当たり外れが激しく、1匹も鮎がいないのではと思われた川も、翌年には川底がびっしりと鮎がひしめき合うこともあります。
鮎釣りの上達のコツはズバリ、鮎を釣りまくることにあるというのが筆者の持論です。
釣れない河川で難易度の高い釣りを続けるより、簡単に釣果が出せる「その年の当たり河川」で釣りをすることが上達の近道です。
誰でも簡単に釣れる河川で鮎釣りを経験することで、釣れるオトリ操作・釣れないオトリ操作といった感覚を養うことができます。
まずは体験会や鮎釣り教室を活用する方法もある
とにかく鮎釣りはハードルが高い……と感じる方は、漁協や釣具メーカーが主催している鮎釣り体験会や鮎釣り教室を活用してみてください。
鮎釣りはオトリを弱らせることが取り返しのつかない失敗に繋がるため、ルアーフィッシングのキャスト練習のように「ひとまずやってみて覚えよう」とはいかない一面があります。
鮎釣りで必要な感覚は文字や映像で習得するのは難しいというのが正直なところですが、鮎釣り教室であればインストラクターがマンツーマンで丁寧に手ほどきしてくれるため、独学で始めるよりも何倍も早く基本をマスターできます。
鮎釣りの時期は解禁日だけでなくベストシーズンを意識して選ぶことが大切
今回は鮎釣りの時期ごとの特徴や攻略法について解説しました。
鮎の追いが強くなる夏のベストシーズンから本格始動するのが初心者の方におすすめです。
とはいえ、見ず知らずの釣り人との交流も深まる、お祭りのような解禁日も楽しいですよ!














