道北の大自然のなかで、日本最大の淡水魚イトウや大きなニジマスを釣るためには、フィッシングガイド同行が必須だ。
道北のフィッシングガイド三浦毅さんがタイパもコスパもいい、北海道のフライ&ルアーフィッシングへ案内する。
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北海道道北地方でフィッシングガイドと釣りを楽しむ
北海道道北地方を中心にフィッシングガイドをしている三浦毅です。フィッシングガイドは北海道はもちろん日本中、世界中に存在します。釣れるポイントに連れて行っていくのがフィッシングガイドとして大切な要素の一つですが、釣りは時としてうまくいかないこともあります。
それでもポイントへの道中や釣りの最中に、釣りのことや自然のこと、時には全然関係ないことを話しながら、ガイドとのガイドフィッシングの時間を過ごすことができれば、釣果に関わらず楽しかった思い出になってくれるはずです。
私がガイドする北海道道北のイトウとニジマス釣りにご案内しましょう。
5月上旬、北海道道北地方に本格的な釣りのガイドシーズン到来
5月のターゲットは日本最大の淡水魚イトウです。釣りのフィールドは朱鞠内湖(しゅまりないこ)。こちらも日本最大の人造湖です。
朱鞠内湖までは旭川空港から車で約2時間。多くのゲストが旭川空港を利用します。ガイドサービスTEKU-TEKUでは空港から釣り場までの送迎を行っているので、旭川空港でゲストと顔合わせになるケースが多いです。
基本的にはゲストの希望を踏まえスケジュールを決定しますが、タイトなスケジュールでの北海道釣行の場合は、朝の便で旭川空港に到着すればお昼頃には釣りをスタートすることができます。
朱鞠内湖到着後、まず向かうのが「レークハウスしゅまりない」。湖畔にある釣り人たちの宿です。レストランには各種アルコール類も豊富で、お酒を楽しみながら翌日のフィッシングプランを話し合ったり、イトウが釣れれば祝杯を上げることができます。

いよいよイトウフィッシングのスタート
5月の道北地方は初夏というよりまだ春の気配が色濃く残ります。早朝の気温が5℃以下という日も珍しくありません。日中は気温が上がりますが、しっかりとした防寒対策が必須です。
宿舎のレークハウスを出て少し歩くと湖岸に着きます。この場所を“前浜”と呼び、この湖唯一のボート発着地点で、朱鞠内湖ガイドの際はボートを使用します。前浜に準備したボートに乗り込み、いよいよイトウフィッシングのスタートです。
釣りのスタイルはルアーフィッシング、フライフィッシング。ターゲットの魚が大型なのでルアーであればミディアムクラス以上、フライであれば8番以上のパワーのロッドがお勧めです。
ボートから降りて岸から釣りをするケースもありますが、基本的にはボート上からポイントめがけてキャストを繰り返します。ダム湖のバスフィッシングに似ているので経験のある方はイメージしやすいかと思います。
湖のルールでエンジン船外機が使えないので、エレキモーターを動力にのんびりと湖上を移動しながらポイントを巡り、イトウからの反応を探します。

朱鞠内湖では朱鞠内湖漁業協同組合がイトウの保護を積極的に行っています。私の感覚では、北海道内でもイトウをヒットさせるチャンスが多いフィールドです。
とはいえ、簡単に釣れる魚ではないので、魚からの反応が無い時間が続くことも多々あります。そんな時は少し釣りの手を止めて湖の上から周りの景色に目を向けてみるのも良いかも知れません。
新緑の森の中からは国の天然記念物クマゲラの鳴き声が聞こえ、時々姿を見せてくれることもあります。

イトウからのアタリは突然訪れます。
ニジマスのようなスピード感のある引きではありませんが、重くトルクのある引きで抵抗します。
アベレージサイズは60~70cm程で、時に80cmを超える大型がヒットすることもあります。1m超えの魚も夢ではありません。それがこの釣りの最大の魅力です。
ここで初めてイトウを手にするゲストも少なくありません。“幻の魚”とも表現されるこの希少種の魚を手にした感動は釣り人として一生の思い出になるに違いありません。
5月に始まった朱鞠内湖のイトウフィッシングは6月中頃までが春のベストシーズン。秋は10月から11月頃までがイトウ狙いにお勧めの時期です。
朱鞠内湖のイトウ釣りの遊漁期間は5/1~12/10、1/10~4/10です。釣りをする場合、遊漁料が必要です。詳しくはLake Shumarinaiをご覧ください。

6月はニジマスのベストシーズン。次は河川で釣る
6月に入ると道北地方もすっかり初夏らしくなり、この時期の風物詩であるエゾハルゼミの鳴き声を頻繁に耳にするようになります。この声が聞こえるようになるとニジマスのベストシーズンの到来です。

ハルゼミが鳴き始める頃になると、その他の様々な昆虫たちの活動がだんだん活発になってきます。ニジマスは昆虫を好んで捕食するのでハルゼミの鳴き声を合図に活動が活発になるのです。
ニジマスはルアーフィッシング、フライフィッシングどちらでも楽しめるターゲットですが、虫を好んで食べる魚なのでフライフィッシングで狙うのがお勧め。当ガイドサービスでもニジマスターゲットの釣りはフライフィッシングのゲストが圧倒的に多いです。
釣りのフィールドはゲストの希望する釣りの内容や釣り方で変わりますが、中小規模の河川になることが多いです。この規模の河川の場合、フライロッドは8~9ft程度の4~6番のものを使います。遠征釣行の際は不測の事態に備えて予備のロッドを1~2本用意した方が安心です。
狙うニジマスのサイズは50cm以上。このサイズの魚を一匹手にすることができればその北海道釣行は大成功と言って良いでしょう。

目標とするサイズのニジマスを複数釣るゲストもいれば、バラシて(逃げられて)しまい、残念!となるゲストもいます。ただ、ほとんどのゲストが1回の釣行中にこのサイズの魚を手にするチャンスが訪れることが多いと感じます。
初夏らしくなってきたとはいえ、昨日まで暑かったかと思えば突然寒くなることもあります。やはりアウターの他にフリースなどの防寒着を忘れることはできません。6月頃だと道外からのゲストが空港を出た時の第一声が「寒い!」ということも良くあります。
ゲストはこの日のために思い思いのフライ(毛ばり)を巻いてきます。こちらでもフライを準備してありますが、やはり自身で巻いたフライで釣ると喜びも倍増することでしょう。
主に使うのは“ドライフライ”。川の水面に不時着した昆虫を模した毛ばりです。本州の釣りだとフックサイズが#14~#16(毛ばりを巻く針の大きさ)をメインに使うことが多いと思いますが、私がゲストに使っていただくフライのフックサイズは#4~#6とかなり大きい、いわゆる“ビッグドライ”です。
大きなフライで大きなニジマスを釣る。これが北海道の釣りの醍醐味です。
私が巻くビッグドライは地元産のエゾシカやヒグマの毛をメインに作ります。地元のハンターから譲り受けた獣の毛皮をなめして、フライを作るマテリアル(素材)にしています。地元で獲れた獣の毛で作ったフライでその地を流れる川の魚を釣るというわけです。

地元のフィッシングガイドが必要な理由
大型のニジマスに出会うために、数多くのポイントを回ることでその確率は上がりますが、やみくもに川に入って釣りをしてもなかなかその確率は上がってきません。
北海道はほとんどの川に漁業権が設定されていないため、どの川でも遊漁券を購入せずに釣りができます。そのため無数にある川のどこに行ったら良いのか、どこから入ったら良いのかが余計に分からなくなってしまう、というのも北海道の川釣りの特徴なのです。(北海道ではヤマメの禁漁期間が設定されていて、地域によって禁漁期間が異なります。また、一部釣りを禁止している河川もあります。詳しくは北海道のHPで確認してください)
ここでガイドの必要性が出てきます。
釣行の内容が決まったら、釣行エリアに適した宿舎を紹介します。川の釣りは広い道北地域の中からゲストの希望する釣りの内容によって釣行エリアを決定するので、提案する宿舎の場所も変わってきます。

安全面でもガイド釣行のメリットは大。特にクマに関わるリスクは、近年北海道内外問わず日本中で問題となっていて、アウトドア活動全般でも最も警戒しなければならないことのひとつです。
ガイドがいれば一人でも単独行動にならないうえに、その地を知り尽くしたプロのガイドと川に入るという安心感が釣りへの集中力も高めてくれるはずです。 ガイドはゲストの装備についてもサポートをしていて、クマスプレーのレンタルも行っています。
地域を知ったガイドがダイレクトにその日釣れそうなポイントに向かうので、行動に無駄が無くなります。タイトなスケジュールでの北海道釣行を計画する場合はガイドを利用する効果はより高まります。
北海道道北に釣りに来る時は、ガイドをフル活用するガイドフィッシングというジャンルの釣りを楽しんでいただきたいですね。





