今回は、シーバスルアーの選び方や失敗をしないコツまで解説します。
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シーバスルアーとは?まず知っておきたい基本
シーバス釣りでルアー選びが重要な理由
シーバス(スズキ)は、河川から港湾、サーフ(砂浜)、さらには磯まで、非常に幅広い環境に生息している適応力の高い魚です。
その環境の多様さゆえに普段口にしているベイト(小魚などの捕食対象)も、小魚からエビなどの甲殻類まで季節や場所によって多種多様に変化します。
そのため、シーバスフィッシングにおいては「今、シーバスが何を食べているのか」を推測し、それに合わせたルアーを選択することが非常に重要になります。
ルアー選びを間違えると、どんなにシーバスが目の前にいても全く見向きもされないということが頻繁に起こり、これがシーバスフィッシングを面白くする大きな要素となっています。
シーバスルアーは種類ごとに役割が違う
シーバス用ルアーの種類は非常に多岐に渡り、それぞれに明確な役割(得意なレンジやアピール力)があります。
表層付近をゆっくり誘うのが得意なルアーもあれば、深い場所を素早く探るのが得意なルアーもあり、これらを一本のロッドで状況に合わせてローテーションしていくのがシーバスフィッシングの醍醐味となっています。
すべてのルアーには「この深さを、こんな動きで泳がせたい」という意図が込められており、状況に合わせてパズルのように当てはめていく楽しさは、シーバスフィシングの大きな魅力です。
シーバスルアーの主な種類
ミノーの特徴と得意な場面
シーバスルアーのなかでも多くの人にとって最も出番が多いのがミノーです。
水に浮くフローティングタイプと沈むシンキングタイプがあり、口元についたリップと呼ばれる部分が水流抵抗を受けることで、逃げ惑う小魚のようにブルブルと泳ぎます。
多くのシーバス用ミノーは潜航するレンジ(ルアーが泳ぐ水深)が1~2m程度に設定されており、シャロー(浅場)の釣りに特化しています。
浅場にいるシーバスは、ベイトの捕食を強く意識している活性(捕食行動などへのやる気)の高い個体が多く、ミノーは広い範囲の浅いレンジを手早く探って高活性の個体を効率よく釣ることを得意とします。
また、ミノーはリールを巻くだけで強いアピール力を発揮する点や、特有の巻き抵抗が潮の流れの変化を掴みやすいことから、シーバスが回遊してくるのをじっくり待つ釣りも得意とします。
シンキングペンシルの特徴と得意な場面
鉛筆のような形状のトップウォーターであるペンシルベイトのウェイトを増し、沈むようにしたルアーがシンキングペンシルです。
リップがないためブルブルとした強い動きは出ず、フラフラとテールを振る泳ぎ方をするのが最大の特徴です。
シンペンが得意なのは、シーバスがルアーの強い波動(ルアーが発する水の動き)を嫌っている時や、流れに乗せて自然に漂わせるドリフトというテクニックを使いたい場面です。
また、リップがなく空気抵抗が少ない上に比重も大きいものが多く、ミノーに比べてキャストの飛距離が出るため、広大なサーフや大河川などでも有効です。
バイブレーションの特徴と得意な場面
ボディ全体が細かく震えることで、強い波動をを生み出すのがバイブレーションです。
プラスチック製で中空のものと中身が詰まったソリッドタイプ、金属製のメタルバイブレーションがあります。
バイブレーション最大の強みは潜航レンジの深さと沈む早さで、水深のあるポイントで幅広いレンジををスピーディーに探りたい時に大活躍します。
また、ミノー以上にルアーがしっかり動いているのが手元に伝わりやすいため、初心者でも扱いやすいルアーといえます。
トップウォータープラグの特徴と得意な場面
水面に浮いたまま水中に潜らないルアーをトップウォータープラグと呼びます。
代表的なものに鉛筆形状のペンシルベイトや、前端部のカップで水しぶきを上げるポッパーなどが挙げられます。
水面のルアーにシーバスが襲いかかる瞬間を視覚で捉えるため、一度経験すると病みつきになる中毒性や、ロッド操作で水面に見えるルアーを動かす面白さがあります。
このルアーの得意な場面は、朝イチの高活性のシーバスの反応を伺いたいときや、シーバスがエサを水面まで追い詰めて捕食しているボイルが発生している時ですが、使い分けて釣果を求めるルアーというよりも、釣りを楽しみたい方向けのルアーといえます。
ワームの特徴と得意な場面
柔らかい樹脂で作られたワームに、オモリと針が一体化したジグヘッドを組み合わせて使用します。
ワームの最大の特徴は、硬いプラスチック製のルアープラグには絶対に出せない、艶かしくナチュラルな動きと波動です。
そのため、シーバスがプラグの動きを見切ってスレて(警戒心が高まり釣れなくなること)しまった状況や、極端に活性が低いシビアな場面でなんとか1匹をひねり出すための奥の手として活躍します。
雑多にルアーケースに仕舞えるプラグと違い、ワームとジグヘッドをそれぞれ持ち運ばなければならない手間に加え、飛距離が出にくいのが弱点ですが、近距離戦では無類の強さを誇ります。
メタルバイブ・ブレード系ルアーの特徴
金属の板で作られたメタルバイブレーションや、金属のブレードが回転するスピンテールジグ(ブレード系)は、デイゲーム(日中の釣り)で活躍するルアーです。
日中の明るい時間帯はシーバスの視界が良く見切られやすいため、ルアーを見せすぎないように超高速で巻いたり、リアクションバイト(反射的に行う侵入者に対する威嚇行為など)で食わせる必要があります。
これらの金属製ルアーは早巻きでも泳ぎが破綻しづらく、強烈な波動でリアクションバイトを誘うアピール力を持っています。
また、非常に比重が重く、他のルアーに比べて圧倒的な飛距離が出るといった特徴もあり、ルアーケースに必ずひとつは忍ばせておきたいルアーです。
シーバスルアーの選び方
釣り場に合わせて選ぶ
シーバスルアーを選ぶ際は、まず「自分がどこで釣りをするのか」というフィールドの特性を考えることが第一になります。
例えば、サーフや水深の浅い河川では、メタルバイブなどの潜航レンジの深いルアーはすぐに底を擦ってしまい使い物になりません。
そのようなフィールドでは潜航レンジの浅いフローティングミノーや飛距離が出つつ表層を引けるシンキングペンシルが主力となります。
逆に、足場が高く水深のある堤防などでは、潜航レンジの浅いルアーは水面から飛び出てしまううえ、シーバスが定位しているレンジも様々なため、バイブレーションやメタル系ルアーが必要不可欠です。
赴く予定の釣り場の水深や足場の高さをイメージしてルアーを選ぶのがコツといえるでしょう。
レンジに合わせて選ぶ
ルアー釣りにおいて最も重要な要素ともいえるのがレンジです。
シーバスは自分の目線より上を泳ぐベイトによく反応する性質があります。
活性が高く水面付近を意識している時は水面直下を引けるシャローランナーやトップウォーター、次に少し沈むシンキングミノーやシンキングペンシルの低速巻きで中層を引いてみる、といったローテーションを組むと良いでしょう。
それでも反応がない時はバイブレーションやスピンテールジグでボトム付近を引いてみるなど、幅広いレンジを探るのも釣果アップのカギです。
ベイトサイズに合わせて選ぶ
あらゆるルアーフィッシングの基本になる考え方がマッチ・ザ・ベイトです。
シーバスなど釣りのターゲットとする魚がその時食べているベイトに、ルアーの大きさや波動を合わせるという考え方です。
春先の小さなボラの稚魚や稚アユを食べている時は60mm〜80mm程度の小型ルアーを使用し、夏から秋にかけて主なベイトとなるイワシが接岸するようになると、ルアーも90mm~120mm前後の中型サイズがメインになるといった具合です。
そして晩秋にコノシロなどの大型魚を捕食するシーズンには、140mm以上の大型ルアーが威力を発揮します。
飛距離が必要かどうかで選ぶ
飛距離=探れる範囲となるため、ルアーの飛距離も重要な選択基準です。
磯やサーフで根(岩礁帯などの障害物)やブレイク(水深が急激に落ち込む箇所)についたシーバスを狙う際は、そもそも目標のスポットまで届かなければ全く釣果が期待できないといった場面も多くあります。
一方で、橋脚の際など、ピンポイントで魚がついている場所を狙い撃ちするような近距離戦では、飛距離よりも立ち上がりの早さや正確に投げられるコントロール性が求められます。
とはいえ飛距離が出るルアーはやさしい力でも飛ぶということなので、正確なキャストにも寄与します。
シーバスルアーにおいて飛距離はあらゆる場面で正義であると筆者は考えます。
昼と夜で選び方を変える
シーバス釣りは昼(デイゲーム)と夜(ナイトゲーム)でルアーの選び方が大きく変わります。
デイゲームではシーバスの視界が良いため、見切られないように速い動きや光の反射でリアクションバイトを狙うのがセオリーです。
そのため、早巻きに対応するメタルバイブやスピンテールジグ、ミノーのなかでもジャーキング(リールを巻きながらロッドを連続で強く煽るアクション)で泳ぎが破綻しないジャークベイトタイプが活躍します。
一方ナイトゲームでは、しっかりルアーを見せつけた方がいいことも多く、ゆっくり引いてもしっかりと泳ぐミノーや、ゆったりとした動きのシンキングペンシルを超低速で巻いて釣るのが王道パターンです。
シーバスルアーで重要なサイズ選び
ベイトが小さいときは小さめを意識する
春先によく見られる、小型ベイトを偏食するマイクロベイトパターンと呼ばれる状況では、シーバスが2cm〜5cmほどの極小サイズの稚魚(稚アユなど)ばかりを偏食することがあり、ルアーのサイズダウンが有効です。
小さなルアーは飛距離が出にくく扱いが難しいですが、実は裏技といえる方法があります。
クリアのルアーカラーはルアーを小さく見せる効果があり、90mm程度のそつなく飛距離を出せるミノーのクリアカラーを使用すれば、広範囲を探りつつ極小ベイトを演出することができます。
大型狙いでサイズを上げる考え方
晩秋のハイシーズンなど、シーバスが冬の産卵に向けて荒食いをする時期は、効率よく栄養を摂取するために大きめのエサを好んで捕食するようになります。
コノシロや落ちアユ、ハタハタなどがベイトとなっている状況では、ルアーのサイズを大きくすることで、産卵を控えた大型シーバスを選んで釣ることが可能になります。
近年では、かつて大型に分類されていた180mmクラスのビッグベイトも当然のごとく使用され、300mmを越えるサイズのジャイアントベイトも驚くような釣果をあげており、シーバス界隈でちょっとした盛り上がりを見せています。
迷ったときに使いやすい定番サイズ
シーバスルアーのサイズで迷ってしまった場合は、季節や場所を問わず一年中シーバスが口にしやすい120mmクラスを選ぶのが最も無難で確実です。
120mmというサイズは、カタクチイワシに代表されるシーバスの主要なベイトの平均的なサイズに近いため、どんな状況でも外れが少ないのが最大のメリットで、飛距離も申し分ありません。
まずは120mmクラスのミノーを軸にして釣りを始め、そこから状況や季節に合わせて大きくしたり小さくしたりと調整していくのが、失敗しないサイズ選びの基本といえるでしょう。
初心者が最初にそろえたいシーバスルアー
まず持っておきたい定番ルアーの種類
シーバス釣りをこれから始めるにあたって最初に持っておくべきルアーを絞るなら、90mm~120mm前後のフローティングミノー、20g~28g程度のバイブレーション、90mm~130mmのシンキングペンシルの3種類をおすすめします。
まずはフローティングミノーで広い範囲の浅いレンジをゆっくり探り、反応がなければシンキングペンシルでさらなる広範囲を探る。
それでも食わないようであればバイブレーションでレンジを下げたり、リフトアンドフォール(ロッドの上下の操作でルアーを跳ねさせる)などでリアクションバイトを狙ってみましょう。
この3つの役割分担ができれば、シーバスフィッシングの基本的なアプローチはほぼカバーできます。
カラーは何色そろえるべきか
ルアーのカラーは非常に悩む要素ですが、初心者が最初にそろえるべきカラーは大きく分けて3つのタイプがあれば十分でしょう。
イワシなどの本物の小魚を模したナチュラルカラー、夜間や濁りが入っている時に目立つ白や黄色などのパール・チャート系アピールカラー、低活性や極小ベイトに効くクリア系の3つです。
加えてナチュラルカラーのなかでもリアルな鱗のような反射光を発するもの、面による反射で強いアピール力を持つものと揃えておくとローテーションの幅を持たせることができます。
ただ、明確な正解がないのがルアーカラーなので、「これが一番釣れそう」と直感的に感じるカラーを使うのが一番かもしれません。
サイズ違いをどこまで用意するか
まずは最も汎用性の高い90mm~120mmクラスを中心に買い揃え、シーバスフィッシングを始めてみましょう。
何度か釣り場に通ううちに、ルアーよりも小さい小魚が泳いでいることや、秋になってコノシロの釣果を聞こえてくるという変化に気づくことでしょう。
そのタイミングで必要性を強く感じた70mmの小型ルアーや140mmの大型ルアーをピンポイントで追加していくのが、無駄買いや使わないルアーを溜め込むのを防ぐコツです。
現場の状況に合わせてボックスの中身を充実させていく過程も、ルアーフィッシングの楽しみの一つといえるでしょう。
シーバスルアーでよくある失敗
同じルアーを投げ続けてしまう
初心者が最も陥りやすい失敗のひとつが、同じルアーをずっと投げ続けてしまうことです。
ナイトゲームでは気付きづらいのですが、シーバスは思っているよりも多くルアーをチェイス(追いかけること)しており、釣れない=シーバスがいないと決めつけてしまうのは早合点といえます。
キャストするごとにチェイスは発生しているくらいの心構えで釣りに臨み、特に釣り場に着いて1投目で食わなければ、その時点でルアーを交換してしまってもいいでしょう。
何度も同じルアーを見せてスレてしまったシーバスも、ルアーを交換していれば食いつかせることができた可能性があります。
釣り場に対して重すぎる・軽すぎるルアーを選ぶ
「遠くまで飛ばしたいから」という理由だけで重いルアーばかりを選んでしまうのも、よくある失敗パターンです。
シーバスルアーに圧倒的な飛距離を誇るメタルジグのラインナップが少ないことからも、飛距離は大事であるものの、食わせるアピール力や狙ったレンジを泳ぐことがシーバスフィッシングでは重要であるといえます。
また、飛距離が出るからとメタルバイブを浅いポイントで使用すると、潜航レンジが深いことから根掛かりが頻発してしまいます。
水深やフィールドに応じて、「底を擦らずにしっかり泳がせることができる重さ」のルアーを的確に選ぶことが、シーバスフィッシングにおいて大事といえます。
カラーだけを頻繁に変えてしまう
魚が釣れない時、すぐにルアーのカラーだけを次々と交換してしまう方も多いのではないでしょうか。
シーバスは視覚だけでなく、水流のわずかな変化や波動を側線と呼ばれる器官で感じ、捕食対象がベイトであるかどうかを判断しているともいわれます。
視覚に訴えかけるカラーではなく、ルアーの泳ぎ方そのものを変えたほうが、あと一歩で食わなかったシーバスを食いつかせることができるかもしれません。
また、わずかにレンジを変えることでも驚くほど反応の違いを見せることもあります。
ルアーの種類→レンジ→カラーという優先順位でローテーションを行うことで、論理的にシーバスの正解に近づくことができるのではないでしょうか。
レンジの意識が足りない
シーバスは自分の頭上を無防備に通り過ぎるエサを待ち伏せして捕食する習性があり、シーバスがいるレンジを直撃するよりは上の層を泳がせるイメージが大事になります。
最初から深いレンジを探ってしまうと、表層を探れば食いついていたであろうシーバスを一気にスレさせてしまい、そのポイントを潰してしまう恐れがあると筆者は考えます。
また、足場の高さが1m上がればそれだけルアーの潜航レンジも上昇するので、足場の高いポイントでは潜航深度の深いミノーやバイブレーションで表層を引くといったイメージも大事です。
フックやラインの状態を見落とす
シーバスは、カエシがあるフックがしっかりと貫通していればそう簡単にバレる(逃がすこと)ものではありません。
バレる原因の多くはフックが貫通していないことにあり、貫通していないフックでファイトをしていると、強い負荷でフックを曲げられバレます。
さらにいえばフックが貫通しない原因にはアワセ(ロッドを煽り針掛かりさせること)の力不足に加え、フックの先端の鈍りが挙げられます。
フックの先端をよくチェックし、必要であれば交換したり研いで修正するようにしましょう。
また、シーバスフィッシングに使用されるPEラインは直線強度に優れるもののスレや傷で簡単に切れる特性があります。
ライン切れでシーバスにルアーを付けたままリリースなどということが起こらないためにも、ラインの状態は定期的にチェックするようにしましょう。
シーバスルアーは状況に合わせた使い分けが釣果の鍵
今回はシーバスルアーの基本から選び方、よくある失敗までを解説しました。
豊富なルアーを釣り場の状況やベイトに合わせて、的確に使い分けることで明確に正解といえる結果が出るのが、シーバスフィッシング最大の魅力です!












