東京~徳島を結ぶ「オーシャン東九フェリー」の移動時間を快適に過ごす旅ハックとは? | 日本の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

日本の旅

2026.04.05

東京~徳島を結ぶ「オーシャン東九フェリー」の移動時間を快適に過ごす旅ハックとは?

東京~徳島を結ぶ「オーシャン東九フェリー」の移動時間を快適に過ごす旅ハックとは?
旅エッセイストの国井律子です。20代のころ、私は四国の3桁国道というマニアックな道に夢中で、長い休みが取れるたびに有明からフェリーにオートバイを積んではソロツーリングに出かけていました。タイヤも減らず、高速代もかからず、宿代も浮いて、目覚めたら現地。しかもお酒も飲めて、ゆっくり過ごせる。あのころから私にとってフェリーは、ただの移動手段ではなく、旅そのものだと思っています。
今回は家族で久しぶりに乗った長距離フェリーについて、動くホテルを120%快適に過ごすためのコツをお届けします。
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動くホテルという贅沢

部屋のカギ
今回は家族4人で泊まれる個室を予約しました。

久しぶりに家族で乗船して、フェリーは動くホテルだと実感しました。

4人部屋
私たちが泊まった4人部屋。両脇から出てくる2段ベッドに子どもたちはテンションが爆上がりでした。

料金などについては後述しますが、子ども連れには個室がおすすめです。

ベッドを広げた状態
ベッドを広げた状態。

移動時間そのものが、豊かな旅の一部となるフェリー。私がとくにいいなと思ったことや、好きなところを挙げてみます。

1.家族みんなが平等に過ごせる

移動中、夫婦で乾杯
移動中、夫婦で乾杯できることが最高です。

クルマ移動では、どうしても誰かが運転手になります。とくに夫だけがハンドルを握る状況は、どこか気をつかってしまうもの。フェリーなら、全員が同じ条件。ただ乗っているだけでいいのです。この誰も頑張らない移動がとても快適なんです。

2.子どもは船内で発散させるのが正解

船のデッキ
常にパワーが有り余っている次男。プスプスいい出したら「デッキを走ってこい!」。これが合言葉(笑)。

船内は広く、気がつけばあっという間に数千歩。エコノミー症候群とも無縁の乗り物です。それに、元気な子どもにとっては最高の遊び場。移動中にしっかり発散してくれると、お互いラクですよね。

東京から出港する際には、ぜひご家族でこの広いデッキに出てみてください。東京ゲートブリッジの下を通過する光景は圧巻です。海上から見る羽田空港や、横浜の夜景など、普段はなかなか見られないワクワクする景色が見られます。

キッズルーム
船内にはキッズルームもありました。

キッズルームには、絵本やおもちゃ、DVDなどがあるので、小さいお子さんも退屈せずに過ごせそう。

3.仕事の時間を確保できる

船内でワーケーション
ゆとりのある個室には、電源があちこちに確保されているので、船上でのワーケーションも快適にこなせました。

ただし船にWi-Fiはなく、電波は弱めでした。逆にそれをいかして、帳簿つけやメールの下書き、事務作業などを進めましょう。
ちなみに、2026年4月1日からはStarlinkを活用した「フェリーWi-Fi(※一部を除き有料)」サービスがスタート。私が乗船した際は準備中でしたが、洋上でのネット環境が格段に快適になります。

4.合理的すぎる移動手段

有明港から乗船
これは乗船直後の様子です。

20代のころにオートバイで利用していたときから感じていたことですが、私はフェリーのなにが好きかというと…

  • 長距離走行がない(楽しむのは現地だけ)
  • 高速代がかからない
  • 宿泊代が浮く
  • 目覚めたら目的地
  • お酒が飲める etc…

こうして並べてみると、かなり理にかなった移動手段なんですよね。つまりフェリーは、「ラクで、自由で、時間を無駄にしない」。移動そのものをコンテンツとして楽しめる人にとっては、これ以上ない選択肢だと思います。

整理収納アドバイザーの資格を持つ私は、こうした機能的で効率の良いスタイルが大好き! お次は隅々まで歩いてチェックした船内ツアーをどうぞ。

オーシャン東九フェリーの船内ツアー

船内の自販機
主食、おかず、おつまみ、スイーツまで温めるだけのフェリー飯が充実。

食事も設備も充実

オーシャン東九フェリーは、いわゆる豪華客船ではありません。以前はあった食堂も、久しぶりに乗ったらなくなっていました。その分、食の自由度はかなり高くなっていて、むしろ選ぶ楽しさがありました。

ずらりと並んだ電子レンジ
ずらりと並んだ電子レンジ。圧巻です。

自販機でいつでも買えるフェリー飯は、とにかく種類が豊富で、「え、これもあるの?」と楽しくなるラインナップでした。

割りばし、紙皿、調味料などが置かれたコーナー
割りばし、紙皿、調味料など、必要なものがそろっていました。

調味料は、七味、塩、醤油、マヨネーズ、ソース、ハバネロソースまでありました。

給湯器
給湯器があるので、持参したカップラーメン、みそ汁、ドリップコーヒーもいただけます。

水やお茶は無料。お酒やソフトドリンク類も定価販売で良心的でした。今回私たちは少し贅沢をして、乗船前においしいけれどちょっとお高いスーパーへ出かけて、いろいろなものを買い込みました。しかし、「これは船内で買えばよかったかも…」というものも多く、食料はかなり身軽で乗船しても大丈夫だと感じました。

まるでちょっとした町のよう

インフォメーション兼売店
インフォメーション兼売店では、土産物も買えます。

売店では、タオル、歯ブラシセット、ポケットティッシュ、安眠セット、スリッパ、酔い止めドロップや生理用品なども売られていました。

写真にはありませんが、海が見えるガラス張りの大浴場もあり、旅の疲れをしっかりリセットできます。備え付けのシャンプー・リンス、ボディソープ、ドライヤーはありましたが、タオルは必ず持参してください。

また、長距離移動に必要なコインランドリー、洗面所なども完備されていました。

ちょっと懐かしいゲームコーナー
ちょっと懐かしいゲームコーナーもありました。

子どものころ、フェリーに乗るたびに兄とゲームコーナーに入り浸り、父に怒られた記憶があります(笑)。

コインロッカー
相部屋を利用する際でも安心のコインロッカー。
ペットと過ごせる専用ルーム
ペットと過ごせる専用ルームもありました。

ペットと過ごせる部屋は、1か月前から予約可能ですが、愛犬家の友人いわく、かなり人気ですぐに埋まるそう。

フェリーで120%快適に過ごすためのコツ

実際に乗船して、「これやってよかった!」と感じたことをまとめます。

駐車場からはカートがあると便利

カートで荷物を運ぶ子ども
キャンプ好きにはお馴染みのカート。フェリーでも活躍しますよ。

クーラーボックスは、簡易収納としても優秀

個室にある冷蔵庫
個室には冷蔵庫も完備。

夕ごはん、おつまみ、各種お酒、翌朝のごはん、下船間際の昼ごはんまで、私たちは家族4人が乗船中に必要な食料をすべて持参しました。その際に活躍したのがソフトクーラーボックスです。冷蔵庫に入らないものを保管するだけでなく、クーラーとして使わないときには、常温保存できる食品やカトラリー、ウエットティッシュなどをまとめて入れておける収納ボックスとして活躍しました。

足元はサンダルがラク

サンダル
船内ではリラックスできる、サンダルが便利でした。

浴室や部屋などを移動するときには、脱着しやすいサンダルが便利です。部屋には浴衣などがないので、リラックスウエアは持参しましょう。

子連れなら個室の一択で

個室内で家族がくつろぐ様子
子どもたちは勉強をして、夫はサワーを飲んでから昼寝。私は筋トレをしていました(笑)。

個室は、そこまで高額ではありませんが、快適さは段違いでした。冷蔵庫、2段ベッド、テレビがあり、しっかり休むこともできます。

気になる料金は?

今回、5m未満のキャンピングカーに大人2名、小学生2名で個室(4名部屋)を利用した場合の料金を公式サイトでシミュレーションしたところ、WEB決済割引の適用で片道で約72,000円~でした。

※注意:シーズンや各種割引(障がい者割引や往復割引など)の適用によって価格は変動します。

「クルマで自走して行ったほうが安いのでは?」「飛行機のほうが早いのでは?」と思う方もいるかもしれません。たしかに最安だけのルートを考えれば、ほかの移動手段に分がある場合もあります。しかしフェリーの旅には、金額比較では測れない、以下のような価値があるのです。

  • 移動と宿泊を兼ね備えている
  • マイカーやマイバイクを現地で使える
  • 移動時間そのものを楽しめる

今回のような家族旅行を通して、移動がラクになることで、満足度がかなりアップすることがわかりました。

部屋の予約は、陸側がおすすめ

航海図
東京から和歌山沖までは本州に沿って航海します。

WEB予約の際、部屋は陸側と海側を選べますが、個人的には陸側をおすすめします。少しだけ電波が入りやすいことと、陸地が見えることで「いまこの辺りだな」とわかるのが楽しいからです。

そのほか、入浴はピーク時間を外しましょう。浴場は、夕飯前後の時間帯が混み合うので、乗船後すぐは比較的空いています。海上を移動する船内の誰もいない浴室で、お湯に浸かる不思議な感覚を味わうのもいいです。

記憶に残る旅のかたち

行き先を記す用紙
行き先が書かれた用紙をクルマのフロントガラスに置きます。

子どもたちはフェリーのサイズ感にすっかり驚いて、旅先で目立つ建物を見つけては「フェリーとどっちが大きい?」と比べていました。それだけ印象に残ったということなのでしょう。

私自身も、家族と夏休みに晴海埠頭から乗った釧路行きフェリーの記憶があります。1982年のことです。ずいぶん前に航路は廃止になりましたが、それは視界に入りきらないほど巨大な船体でした。家族でオショロコマを釣りつつ、車中泊をした旅の空気感や時間を、いまでもはっきりと思い出せます。

とくに贅沢はしなくとも、移動の時間をまるごと楽しんだ記憶は、ちゃんと残るもの。そんな旅も、やっぱりいいものです。皆さまの家族旅にも、ぜひフェリーという選択肢を加えてみてください。

乗船記念の写真
息子たちが大人になったときに、この旅のことを思い出してくれたら、すごくうれしいです(笑)。

オーシャン東九フェリー

  • 運行区間:東京~徳島~北九州
  • 所要時間:東京~徳島 約18時間、徳島~東京 約15時間、東京~北九州 約34時間
  • 公式ホームページ:https://www.otf.jp
  • 運行スケジュールや、出港時間などは、上記公式ホームページをご覧ください

国井律子

旅エッセイスト

国内外の旅を綴るエッセイを中心に、日常の延長にある“ちょっと特別な旅”も提案。ソロ登山、2人の男児の母として家族とのキャンピングカー旅、自由で自分らしい旅の形を発信中!

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