“5号地”豊洲と“4号地”晴海をめぐる埋立地さんぽ【プロハイカー斉藤正史の東京GREEN WAY FILE.27】 | アウトドア・外遊び 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2026.01.26

“5号地”豊洲と“4号地”晴海をめぐる埋立地さんぽ【プロハイカー斉藤正史の東京GREEN WAY  FILE.27】

“5号地”豊洲と“4号地”晴海をめぐる埋立地さんぽ【プロハイカー斉藤正史の東京GREEN WAY  FILE.27】
プロハイカーの斉藤正史さんが、独自の視点で東京23区内の緑道を「GREEN WAY」として捉え直し、実際に歩いた足跡を紹介します。身近なGREEN WAYでも四季折々の見どころがあり、街の意外な歴史にふれることができる、かもしれません。

今回は東京都江東区豊洲から中央区晴海にかけてめぐる「晴海GREEN WAY」です。
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27th ルート:晴海GREEN WAY

↓前回はこちら

隅田川東岸の両国界隈を歩きながら感じる江戸のにおい【プロハイカー斉藤正史の東京GREEN WAY  FILE.25】 | アウトドア・外遊び 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

この連載では、たびたび隅田川の河口付近にある埋立地を紹介してきました。具体的にいうと、佃、月島、勝どきといったエリアです。そして、まだ歩いていない場所もあるなと思い至ったのが豊洲です。

埋立地はどこも開発(もしくは再開発)によって新しい街並みが広がっていますが、意外と緑が豊富です。さて、豊洲ではどんなGREEN WAYを歩けるでしょうか。ということで、FILE.27は「晴海GREEN WAY」です。

今回のターミナス(=トレイルの起点や終点となるアクセスポイント)は、東京メトロ有楽町線の豊洲駅。駅から地上に出ると、案の定というか、キレイな新しい街並みが広がっていました。

豊洲駅ターミナス。

豊洲駅前の新しいビルの周辺にある広場には多くの緑が植えられています。これは幸先良いなと思いながら、早速出発。すると、すぐに竜の像に出迎えてくれました。でも、竜かと思ったら、銘板には白虎とあります。ん?

四神

四神(ししん)とは、中国の神話に登場する4体の霊獣のこと。東の「青龍」、西の「白虎」、南の「朱雀」、北の「玄武」と、それぞれ天の四方の方角を司り、その土地を災難から防いでくれるそうです。

江東区では街の守り神として四神の像を建てていて、江東区役所を中心に豊洲に白虎、亀戸駅前に玄武、東大島駅前に青龍、若洲公園に朱雀が設置されているそうです。江東区内のGREEN WAYを歩いていれば、そのうち四神をコンプリートできるのかもしれません。というか、豊洲はてっきり中央区だと思っていましたが、江東区なんですね…。

豊洲文化センター前の「白虎」。

白虎の像を過ぎてから、豊洲パークブリッジを渡っていきます。橋上から周囲を見回すと、かなり遠くの方まで新しい街並みが続いています。パークブリッジを渡り切ると、そこは豊洲公園でした。

豊洲パークブリッジ。

豊洲公園からは晴海運河が見え、奥には晴海大橋が望めます。晴海運河周辺の歩道に入ると、いつの間にか豊洲公園から春海橋公園に変わっていました。

豊洲公園の船のスクリュー(遺構)。奥に見えるのが晴海大橋。

公園に隣接して、造船ドック跡地を再開発した「アーバンドック ららぽーと豊洲」があります。「ららぽーと豊洲」の屋外スペースも公園のように整備され、ベンチなどが置かれています。つい、のんびりくつろぎたくなる良い雰囲気です。

オブジェのようなベンチが置かれた「ららぽーと豊洲」の屋外スペース。

「ららぽーと豊洲」から、さらにアーバンゲートブリッジ近くまで進むと、東京石川島造船所の産業遺構が見えてきました。

アーバンゲートブリッジ。

豊洲

豊洲の埋め立てが行われたのは、大正後期から昭和前期にかけて。関東大震災の瓦礫の処理も兼ねていたそうです。当初は埋立地の番号からそのまま「5号地」と呼ばれていましたが、1937(昭和12)年に「豊洲」と正式に命名されました。

1939年(昭和14)に「東京石川島造船所」の工場が設置され、戦時中は軍の施設として利用されました。戦後は、豊洲沖に新たな埠頭が造られ、エネルギー基地として戦後復興期・高度経済成長期の東京の経済を支えてきた場所です。

旧東京石川島造船所造船ドック。

東京石川島造船所は、1939(昭和14)年に近代化された造船所で、深川第一工場を豊洲に開設。作業員の宿舎なども建てられたそうです。なお、東京石川島造船所は1945(昭和20)年に石川島重工業、1960(昭和35)年に石川島播磨重工業、2007(平成19)年にIHIと、時代の流れとともに改称しています。

アーバンゲートブリッジを渡ると、旧東京石川島造船所造船ドックがあり、現在はフェリーターミナルとなっています。橋のたもとには、産業遺構の大きなモニュメントクレーンが残されていました。そしてその先には係留ビットがあり、かつて東京石川島造船所がここにあったことをリアルに伝えています。

造船所跡に残るモニュメントクレーン。

川沿いには植栽があり、その緑のラインが春海橋(はるみばし)まで続いていました。春海橋を渡ると、中央区晴海に入ります。それにしても、晴海と春海って、どちらも「はるみ」だし、ややこしいですね。

晴海

晴海は、住所でいうと中央区晴海一丁目から五丁目までとなります。もともと明治中期から昭和初期にかけて行われた東京湾澪浚(みおさらい)工事で出た海底の土砂を投下して造成された埋立地で、当初は「月島4号地」と呼ばれていたそうです。

晴海は、第二次世界大戦中は軍需物資の輸送基地となり、陸海軍の倉庫や資材置き場として使用。1945年(昭和20年)には晴海地区は進駐軍に接収され、1958年(昭和33年)にようやく全面返還されました。

なお、先ほど僕が渡った春海橋と並行して「旧晴海鉄道橋」がかかっています。これは貨物線のための橋で、1989年(平成元年)に廃線となってからは遺構として残されていたものです。2025年9月からは遊歩道として生まれ変わり、誰でも歩けるようになっています。ただ、僕がここを通ったのは遊歩道としてオープンする前で、まだ整備中でした。

改修中だった旧晴海鉄道橋。

晴海エリアに入ると、晴海臨海公園がありました。すぐそばに晴海運河があり、対岸には先ほど歩いた豊洲が見えます。豊洲は「ららぽーと」などの商業施設が多いですが、晴海側に目を転じると、真新しいマンションが建ち並んでいます。同じ臨海エリアでもだいぶ雰囲気が違います。

晴海臨海公園から晴海大橋をくぐって進むと、また新たな緑地がありました。晴海緑道公園です。

ここから晴海緑道公園が始まります(晴海緑道公園東地区起点)。

晴海緑道公園

晴海緑道公園は、晴海臨海公園と晴海ふ頭公園を結ぶ、全長約1kmの緑道公園です。晴海運河の対岸には豊洲ぐるり公園や豊洲市場が見えます。

晴海ふ頭公園と晴海緑道公園は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会期間中、選手村の一部として利用されました。そうした関係から、選手村に設置されていたビレッジプラザの木材を再利用し、晴海ふ頭公園にはパーゴラ(日除け施設)、晴海緑道公園には長ベンチが設置されています。

ビレッジプラザの木材を再利用して作られたベンチ。  

最近、東京湾の埋め立てエリアを歩くと思うのですが、釣りのできる公園などがけっこうあります。釣り竿を片手にGREEN WAYを歩くのも“あり”かもしれません。

ただ、僕がふだん暮らしているのは山形県です。山形から竿を持ってくるのも手間だし、取材が進まなくなるかも…。でも、そのうち東京湾の埋立地での釣行、試してみたいですね。

ところで、晴海緑道公園は西地区と東地区に別れているそうですが、全く気づかず通り過ぎていました。晴海緑道公園公園を抜けた先には晴海ふ頭公園があり、すぐ近くに大きなバス乗り場がありました。今回は、この晴海埠頭バス停をトレイルヘッド(トレイルの起点や終点)として歩き終えることにします。

晴海ふ頭公園。きれいな歩道です。

FILE.27は「晴海GREEN WAY」として豊洲の一部と晴海運河沿いを歩いたのですが、予想以上に緑が多く、本当にきれいで住みやすそうな印象でした。都内にいて、これだけ緑と水が豊かなエリアに住めたら快適でしょうね。釣りもできるし、うらやましい!

また、豊洲や晴海といった新しい街が、これからどう変わっていくのもかも楽しみです。20年後にも、同じコースを歩いてみたいですね。

■今回歩いたルートのデータ
|距離約3.6km
|累積標高差約5m

今回のコースを歩いた様子は動画でもご覧いただけます。

●晴海GREEN-WAY

斉藤正史さん

プロハイカー

2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。また、BE-PAL.netにて「TOKYO山頂ガイド」を連載。

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