「花の島」として知られるドイツ南西部のマイナウ島でイルミネーション・ウォークを満喫! | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.12.30

    「花の島」として知られるドイツ南西部のマイナウ島でイルミネーション・ウォークを満喫!

    「花の島」として知られるドイツ南西部のマイナウ島でイルミネーション・ウォークを満喫!
    ドイツ南西部のバーデン・ヴュルテンブルク州に、「花の島」の異名を持つマイナウ島(Insel Mainau/インゼル・マイナウ)という小さな島があります。島全体が植物園のようになっており、四季折々の花々が咲き誇っています。

    マイナウ島の植物園は、スウェーデン王室にルーツを持つベルナドッテ伯爵が、長らく放置され荒地だった状態から花と緑でいっぱいの島に変えて、一般公開を始めたのが始まりなのだそうです。
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    「花の島」が冬限定の「クリスマス・ガーデン」へと変身!

    氷点下の気温の中、ライトアップされた島を歩く

    マイナウ島とはいえ、冬の期間はさすがに咲く花はほとんど見られず、寒々とした雰囲気が漂います。そんな冬のマイナウ島で近年話題になっているのが「クリスマス・ガーデン」と呼ばれるイルミネーション。2021年から始まったこの冬季イベントでは、150万以上のライトが使用されたイルミネーションが3kmほどある島内の周遊路に設置されています。

    今年も11月下旬~翌年1月初旬まで「クリスマス・ガーデン」が開催されるということで、さっそくライトアップされたマイナウ島を散策しに行ってみました。

    イルミネーションは午後5時~午後9時半までということで、午後6時頃到着したのですがすでに気温はマイナス1℃。この極寒の中、島の暗い夜道を無事歩き通せるのでしょうか……。

    島の入り口まで続く歩道と橋は思ったより暗く、そして寒い!

    駐車場とチケット売り場は本土にあるため、ここからマイナウ島まで続く長い歩道と橋を10分~15分ほど歩いて行きます。思ったより真っ暗で、ところどころにささやかなクリスマス飾りの灯りはあるものの、夜道に見えるのは人らしき動く黒い影、そして遠くに見えるマイナウ島のイルミネーションのみ。

    少し心細い気持ちで歩いていたのですが、すぐ前方を歩いていた母親らしい女性と小学生ぐらいの子どもたち3人が明るく談笑していて、とても心強かったです(笑)。

    マイナウ島のマスコット「ブルーミ」が、島の入り口で出迎えてくれます。

    季節の良い時期に何度か訪れたことがあるマイナウ島ですが、夜に歩くのは初めて。一体どんなイルミネーションが待っているのか、周遊路の灯りを頼りにいざ出発!

    カラフルにライトアップされている木々を見ていると、異空間へいざなう入り口まで来たような気分です。そしてどこからともなくクリスマスソングも聞こえてきました。

    暗くても灯りが周遊路を照らしてくれるので、迷わず散策できます。
    歩道のあちこちにプロジェクションが出没。

    「次は何があるかな?」ワクワクが止まらないイルミネーションの道

    そのまま道を歩いて行くと、今度はホラー映画で耳にしそうな不穏な音楽が流れてきます。すると青やピンク、茶色……と目まぐるしく色が変化していく並木道が前方に現れました。

    ライトアップされたメタセコイヤたちは幻想的で、妖しげ。イルミネーション一つで普段良く知る場所が全くの別世界に見えてしまうのが面白いです。

    メタセコイヤの並木道が幻想的な森の道に変身。

    並木道をもっと見ていたかったのですが、ずっとそこにいるわけにもいかないので先へ進みます。

    すると今度は開けた場所へ出てきました。ここには「シュメッタリングスハウス(Schmetterlingshaus)」の建物があります。和訳すると「チョウの家」という意味で、その名の通り世界中の熱帯地域に生息するチョウが、建物内の温室で放し飼いされています。

    「チョウの家」前にある休憩所エリア。

    「シュメッタリングスハウス」は夕方に閉まってしまいますが、同建物内にギフトショップやお手洗いがあるので、ここでしばし休憩。実はまだ30分ほどしか歩いていないのですが、体はかなり冷え切っていました。

    外のたき火で暖をとっている人たち。

    建物前ではたき火が焚かれ、スパイス入りのホットワイン「グリューワイン」やポップコーンなど軽食が楽しめる屋台も出ていました。

    ここで暖を取った後、冷え冷えとした空気の中のイルミネーション・ウォーキング再開です。

    クリスマスツリーやランプの灯りが周りを暖かく照らします。

    何歩も歩かないうちに、ハートが舞うロマンチックな小道へやってきました。可愛らしいので歩いているだけで気分が上がります。

    ハートの小道。自撮りができるコーナーもありました。

    ハートの小道でメルヘンな気持ちでいたら、またまた不思議な林の中の道へ。周りは呪文のような文字だらけ。一瞬自分の脳がバグってしまったのかと思いました(笑)。

    よく見るとドイツ語だったので、ドイツ出身の夫に「何か書いてあるよ」と言うと「意味がない単語を適当に並べてるだけじゃない?」とつれない返事。そこで首を90度傾けて木の幹に書いてある文字を読んでみたら、『愛』やら『目が輝く』『心が躍る』『抱擁』といった、クリスマスカードなどに頻出しそうなワードたちが。“呪いの言葉”ではなくて“愛の言葉”だったようです。

    木々も人も道も文字でいっぱい。

    文字だらけの林を抜けると、小さなトンネルにやってきました。この先は何があったんだっけ――。

    トンネルの向こうに待つものは?

    短いトンネルを抜けると、そこはマイナウ宮殿と教会でした。そして宮殿前の広場では、ドラマチックな音楽に合わせて木々のイルミネーションが躍るようにキラキラと明滅しています。

    マイナウ宮殿とイルミネーションの森にやってきました。

    そしてピンクを基調にライトアップされている宮殿前には大きなツリーがあり、その周りで小さなクリスマスマーケットが開かれていました。そろそろ熱々のソーセージでも食べたいなあ、と思いましたがなぜか焼きソーセージの屋台は不在。そのためそのまま通り過ぎることに。

    宮殿前には小さなクリスマスマーケットが。

    ところで宮殿近くには興味深い巨木があります。それはマイナウ島のシンボルでもある「ヴィクトリア・リンデ(Victoria Linde)」。「リンデ」はセイヨウシナノキ(セイヨウボダイジュ)のことで、かつてこの島を所有していたベルナドッテ伯爵の曽祖父、フリードリヒ1世(バーデン大公)が1862年に誕生した愛娘ヴィクトリアのために記念植樹をした木なのだとか。

    後にスウェーデン女王となるヴィクトリア自身は健康にあまり恵まれず、67歳でこの世を去りますが、「ヴィクトリア・リンデ」は島で最も長寿な木として来訪者に愛されています。

    樹齢163年の「ヴィクトリア・リンデ」もライトアップ。

    さて今度は「童話」のエリアへやってきました。遠くに魔女や女の子のイルミネーションが見えます。

    周遊路を歩いて行くと、次は「童話の世界」へ。

    その時突然煙のような真っ白の霧状のものが視界を遮ってきました。それは魔女がいる大きな釜から出ている様子。

    突然白い煙のようなものが!魔女の帽子が見えます。

    そして横にはお菓子の家のイルミネーション。どうやら「ヘンゼルとグレーテル」のようです。グリム童話の故郷ドイツなだけあり、グリム童話に登場する話をモチーフにしたものが多かったように思います。

    クリスマスの伝統菓子ジンジャーブレッドのヘンゼルとグレーテル。

    童話の世界を抜けると、イルミネーション・ウォークもいよいよ終盤です。

    長い階段の横には色とりどりの小さなライトが、まるで妖精か何かが大勢で手を振っているかのごとく、ゆらゆらと一斉に揺れています。「また遊びに来てね!」とでも言われているよう。

    風もないのに揺れているライトが広がる夢幻的風景。

    こうして季節の花の代わりにきらめくイルミネーションの光に癒されつつ、2時間ほどかけて「花の島」ならぬ「光の島」ウォークを楽しみました。

    そして最後は出口近くの休憩所で、温かいパンプキンスープと焼きソーセージを堪能し、身も心もほかほかの状態で帰途についたのでした。

    Christmas Garden Mainau:
    https://www.christmas-garden.de/en/mainau/besuch/

    小島瑞生さん

    スイス在住ライター

    1998年~2009年までアイルランドで暮らした後、2009年からスイス在住。スイス始め欧州の国々のさまざまな興味深い情報を雑誌やウェブサイト、ラジオ等のメディアにて発信中。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

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