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2026.07.01

“ミッドナイト・サン”を楽しもう!ローカル流、真夏のユーコンの遊び方



“ミッドナイト・サン”を楽しもう!ローカル流、真夏のユーコンの遊び方
太陽の沈まない6月がやってきた! みんな一斉にソト遊びを楽しむシーズンです。この時期のユーコンは“Midnight Sun Land”(太陽の沈まない場所)と呼ばれています。文字通り、深夜になってもまだ明るく、いつまでも外で過ごせる夢のようなシーズンです。冬の厳しさに対するボーナスのようなこの季節。そのためにユーコンに住み続ける人もたくさんいます。今回はそんな太陽の沈まない真夏のユーコンにおける、ローカルの遊び方をお伝えします。

ユーコンでソト遊び暮らしを実現! 7年の軌跡 第8回

大人も子どもも、とにかく外で過ごしたい!

真夏のユーコナーは、夜からでも遊び始めます。そして遊び続けます。各家庭の夕食が終わったような午後8時や9時。そんな時間からでもマウンテンバイクやカヌー、SUPを載せて、山や湖へ遊びに行くクルマを見かけます。休日でも平日でも関係ありません。日本人の感覚からすると考えられないですよね? 私も最初は、こんな時間からどこ行くねんと思っていました。

一日職場や学校で過ごした後でも、まだまだ明るい時間が続く。街を一歩出れば大自然だからということもありますが、短い夏を存分に楽しむために、ユーコナーは翌日仕事や授業があろうとなかろうと何時からでも遊びに出かけます。

太陽がほとんど沈まない6月のユーコン。アパートの仲良しキッズたちの元気な声が一日中響く。

夏休み中の子どもたちも同じです。朝から遊ぶ。自転車でレースしたりペットボトルロケットを飛ばしてみたり、大きい子も小さい子も一緒になってとにかく遊ぶ。お昼ご飯もそれぞれの家からおにぎりやサンドイッチを持ってきて、シートを敷いてみんなで食べます。

昼からももちろん遊び続けます。さすがに晩ご飯の時間には一度帰ってきますが、さっとかき込むように食べてまた出かけていきます。近所の友達と過ごすそんな何気ない毎日が、子どもたちにとってはきっと一番幸せなんですよね。

照明設備無し! それでも深夜まで続くナイター!?

ホワイトホース市内にはベンチやフェンスを備えた本格的なソフトボール場がいくつもあり、夏の間熱戦の場となる。リーグには職場仲間や友達同士で組んだチームが多く、なかにはビールを飲みながらプレーする陽気なプレーヤーも。

夏のユーコンの風物詩として挙げられるのが、スローピッチ・ソフトボールのリーグです。山なりのボールを投げ、打たせて取ることが前提で、初心者にも優しい競技です。5月中旬から8月末まで連日試合が行われています。

移住当時、なぜユーコンでソフトボール? と思い調べてみると、鉱業や建設業に従事する労働者向けの夏のレクリエーションとして、1970年代に始まったということがわかりました。遅い試合では午後8時15分スタート、試合終了は10時近くになります。それでも照明設備なしでプレーできてしまうのが、“Midnight Sun Land”のいいところ。

ダストボールというシーズン最大の盛り上がりを見せる大会では、隣の州やアラスカからも遠征組がやってきて、地元のプライドを胸に熱いゲームを繰り広げます。深夜を回っても試合が続き、翌日も早朝からプレイボール。今年からは日本人主体のチーム「Sushiスラッガーズ」も発足し、リーグに新規参入しました。初勝利はまだまだ遠いですが、夏の日照時間の長さという極北の恵みを受けつつ、楽しくプレーしています。応援してください。

ユーコナーの自由さが詰まったマーケットに行こう

私が住むホワイトホースでは夏の間、毎週木曜日になるとファイヤーウィード・マーケットというイベントが行われています。地元農産品や手作りクラフト、フードトラックなどが一堂に会し、ローカルにもツーリストにも大人気のマーケットです。週末や金曜日ではなく、木曜日に行われるというのがなんとも絶妙ですね。「週末まであと一日だし、木曜にやっちゃうか!」。そんなフリースタイルなユーコナーの気概を感じます。ソフトボールが深夜まで行われるのに対して、こちらは午後3時から7時までの短い時間の開催となりますが、それでも毎回多くの人で賑わいます。

私も含めて、世界各国からの移民も多いユーコン。こちらのマーケットでは、同郷同士で集まって近況を伝え合ったり、一緒に買い物や食事を楽しんだりする姿がよく見られます。週に一度、英語ではない母国の言葉でリラックスして過ごす、次の一週間を乗り切る糧にする。そんな場にもなっていると感じます。

アークティックチャー・ロールが買えてハッピーなローカル。日本ではなかなか食べられる機会のないホッキョクイワナを巻き寿司にアレンジしたもの。毎週売り切れる人気メニューだ。

このマーケットでオススメしたいのが、フードトラックで買うことができるアークティックチャー・ロール(ホッキョクイワナの巻き寿司)です。街の近くで養殖されたチャーが甘辛く煮付けられ、クリームチーズとともに巻かれています。醤油をかけて、わさびをひと乗せ。「Yummy!!(おいしー)」チャーと巻き寿司、まさに味の日加同盟です。

ちなみにマーケットの名前となっているファイヤーウィードとは、鮮やかな赤紫色の花を咲かせる植物のことです。ユーコンのどこでも見られる花で、州旗にも描かれています。夏の間、茎の下の方から順番に花を咲かせていき、一番上の花が咲く頃にはユーコンの夏も終わりを告げると言われています。

ガーデニングがユーコンの短い夏を彩る

苗を買い求めるローカル。植物の苗はホームセンターやスーパーでも買うことができるが、ユーコンの土で発芽し生育したものが買えるのは基本的にマーケットだけとなる。育て方や特徴などをファーマーに直接聞くことができるのも、マーケットならでは。

マーケットで初夏によく売れるものとして挙げられるのが、植物の苗です。今年も、買った苗をうれしそうに抱えて歩くユーコナーをたくさん見かけました。広い庭やビニールハウスがある家も多い北米では、ガーデニング文化が盛んです。そしてここでも日照時間の長さがポイントとなります。適切な土と水分量があれば、一日中さんさんと降り注ぐ太陽の光を浴びて、植物はぐんぐんと成長していきます。朝はまだ小さかった実が、夕方見ると3倍ぐらいの大きさに育っていたという話もあります。人気なのは、バジルやミントなどのハーブ類、トマトやケールなどの野菜。マリーゴールド、ビオラなど日本で定番の花々もきれいに咲きます。

ユーコンで本当の意味での夏と呼べる時期は、6~8月くらいに限られます。ガーデナーたちは、冬には見られなくなるカラフルな彩りを家庭に取り込み、その短い期間に懸命に愛情を注ぎます。ガーデニングは、ユーコンの夏を最も身近に感じることができる遊び方なのかもしれません。

著者画像

すけのゆうたさん

ライター

カナダ・ユーコン準州ホワイトホース在住。大阪府豊中市出身。アウトドア初心者ながら、大自然と日常が地続きのユーコンで暮らす。ポッドキャスト「すけのゆうたのYou来ん!?ユーコン」も配信中。

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