垂直落差1,131m!サウジアラビア・リヤドで「世界の縁」まで行ってきた | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2026.01.09

垂直落差1,131m!サウジアラビア・リヤドで「世界の縁」まで行ってきた

垂直落差1,131m!サウジアラビア・リヤドで「世界の縁」まで行ってきた
「エッジ・オブ・ザ・ワールド」。訳して「世界の縁」。

サウジアラビアの首都リヤドから行けるアウトドア&アドベンチャーっぽい場所を探していたところ、そんな名前の場所を見つけました。

どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。今回はこの場所を詳しくお伝えします!
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【柳沢有紀夫の世界は愉快!サウジアラビア・リヤド旅その2】

前回はこちら↓

サウジアラビア建国の地「ディルイーヤ遺跡」を夜間探検! | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

断崖絶壁が続くまさに「世界の縁」でした!

ツアーに申し込み、某日午後2時、地下鉄駅の出口で集合しました。「エッジ・オブ・ザ・ワールド」へのツアーは数多あるのですがどれもそんな感じの待ち合わせ時間のようです。

ちょっと遅めに感じますが、理由の一つは「真昼間は暑くてたまらんから」。そしてもう一つは「夕陽観賞の時間に合わせるため」のようです。

あれこれ説明を受けたりしてから2時20分出発。ドライバーを兼ねたガイドを除くと参加者は7人。スペイン人4人、アメリカ人1人、そしてたまたま私以外にもう1人日本人の女性がいました。

デカい四駆に合計8人乗るというので、「助手席に乗っていい?」とガイドに聞きました。助手席のほうが道中であれこれ写真を撮りやすいからです。さらに言えば3人掛けのシートよりも広いですから「特等席」! …のはずだったのですが。

ドライビングが無茶苦茶荒いんですわ~、これが。リヤドのドライバーたちの多くはまるで自分がF1ドライバーレベルのスキルがあると勘違いしているかのようにレーンを無視して狭い隙間でも割り込んで走るのですが、この日のガイドはその中でも最強、いや最恐でした。

というわけで広くて撮影しやすいはずの「特等席」が死刑執行を待つ「電気椅子」に。事故が起きたとき助手席がいちばんヤバいって言いますからね。

てなわけで途中のトイレ休憩の際、何人かに「シート、代わる?」と提案してみましたが……誰も首を縦に振ってくれませんでした。

出発後しばらくして運転中に突然アラビア語で長々とつぶやき始めたガイド氏。えっ、なになになに? もしかしたら精神的に追い込まれていて「ムハンマドもアムードも覚えていやがれ! そして愛しのナビーヤ。キミに僕の気持ちを伝えたかった。お父さん、お母さん、ごめんなさい。7人の客を道連れに神のもとに参ります」みたいなことをつぶやいていたらどうしよう。

……でも「神」で気づきました。あ~、祈りの時間ねと。実際つぶやきが終わってから聞いてみると「その通り。我々は一日5回お祈りするんです」とのこと。敬虔なのは本当に素晴らしいことですが……先に今からお祈りを始めると伝えてほしいものです。

先を急ぐ衝撃の理由とは!

さて途中で「アラビアンガゼル保護区」という場所で下車して、見学しました。

柵の向こうにたくさんのガゼルがいます。
そしてキュートなこの姿。

ところが「休憩は5分だけ。5分だけです!」とガイド氏。そしてガゼルを撮影したり、それを背景に記念撮影をしている私たちを急き立てるように「はい、はいはいはい、車に戻りますよ~。出発です!」。

このあと未舗装の道に入ったのですが、さらにドライビングが荒くなります。

ときおり道路からずれて、文字通り「オフロード」を爆走して先行車を抜いていきます。

まるで映画のカーアクションシーン! もちろん私も含めた客は誰もスタントマンではありません。

その後、ピラミッドっぽい形をした山の前でも下車見学。

ホッとひと息ついたのですが、ここでも「5分だけ、5分だけです」と急き立てるガイド氏。

車に戻ったあと「なんで5分だけなんですか?」と聞いてみました。すると返ってきた答えが「エッジオブザワールドでは陽が落ちると危険なので、充分前に着きたいからですよ~」。

……だったら集合時間を午後2時ではなく、1時とかにしろっつうのっ! おまえの運転も充分危険だっつうのっ!

ちなみにガイドはあまり英語が得意ではありません。でもスマホに向かってアラビア語で喋って、それを通訳アプリで英語やスペイン語や日本語に翻訳して聞かせてくれます。

ああ、そんな時代になったんだな~。となると観光業で語学って不要になるかなあ~。

まあそれはいいにしても、運転中も片手でスマホを操作するから怖くてたまりません。「世界の縁」にたどりつく前に、「人生の縁」を飛び越えてしまわないか心配になりました。

風景を見ながら現実逃避します。

断崖絶壁の絶景だらけ!

這う這うの体でようやく「エッジ・オブ・ザ・ワールド」に到着。

出発から1時間55分後の午後4時15分です。ガイド氏の「右側にサッと行ける見晴らし台が1つ。左側に4つくらいあるけれども、全部行って帰っても40分もかからない。どの見晴らし台からも同じように夕陽がきれいです。どこまで行くかは自分の体力と相談してください。陽が落ちたら戻ってきてくださいね~」というなんとも大雑把な説明のあと、各自が歩き出します。

まずは手軽な右側から行くことにします。

こちらは見晴らし台のようになっている場所までほんの2~3分で着きます。

その見晴らし台にたどりつくまでも、断崖絶壁の縁を歩きます。

すぐに「あ~、確かにエッジ・オブ・ザ・ワールドだわ~」と納得しました。ここに来るまで多少の起伏はあってもほぼ真っ平らな平地だったのに、突如ここで断崖絶壁になっているのです。

昔ラクダに乗って旅していた人はここにたどりついた瞬間、世界が途切れているように感じたに違いありません。言い得て妙なネーミングです。

ちなみに垂直落差は1131メートルなのだとか。世界で一番高い建物であるアラブ首長国連邦ドバイのブルジュ・ハリファが高さ828.9メートルですから、それよりも高低差があるということになります。

ちなみに世界で一番垂直落差がある崖はカナダの北東部、バフィン島にあるトール山の西壁で1250メートルだそう。ただ「駐車場からサクッと行けるところ」でここまで垂直落差がある場所はそうはないと思います。

椅子を持ち込む人も。なかなかの通(ツウ)ですな。
駐車場。かなりの台数ですね。

さて今度は駐車場から見て左側に進んでみましょう。

第1の展望台から登って来た道を眺めたところ。3畳ほどのかなり狭いスペースで大混雑。
先端ギリギリまでは行けないビビりくん。笑
向こう側にも断崖絶壁が続いているのがおわかりいただけると思います。
第1の展望台の横のこんな危なっかしい場所にも人が!

2番目の展望台もちょっとした頂の上です。

そこから眺めた3番目、4番目の展望台方面。

こっちのほうまで来る人の数はグッと減ります。

3番目の展望台はかなり広いスペース。
でも断崖絶壁ですから注意を怠りなく!

ダチョウ倶楽部さんの「熱湯風呂ごっこ」(「押すなよ。絶対に押すなよ」っていうあれです)は絶対にしちゃいけない場所です。

夕陽を眺める女性。

奥に進むほど人は減るので「夕陽を独占」感が高くなりますね。しばらく堪能してから陽が沈む前に戻ることにします。

2番目と3番目の展望台のほうを振り返るとこんな風景。
2番目の展望台を避けるう回路がありますね。
断崖絶壁から外れてぐるっと一周できるトレッキングコースもありそう。

ただし今回は集合時間の関係で行けません。そもそも下調べもしていませんし。

ちなみにこのあたり、当然のことながらスマホの電波は入りません。観光客がたくさんいる場所から外れてトレッキングするとしたら衛星通信ができるようにしておく必要があるでしょうね。

2番目の展望台から1番目を見たところ。

山登りの「あるある」ですが、下りのほうが怖いです。少なくともスニーカーは必要です。

ユニークな雲の形のおかげで「枝分かれした夕焼け」が見られました。

ちょうど1時間後の5時20分頃駐車場に戻ってきました。そこで軽くスナックなどを食べていたら5時40分過ぎにはもう足元が見づらくなるくらいの暗さに。日没後に歩くのは本当に危険なので注意してください。

「ちょっとその名前、大げさすぎないか~」と感じる観光地も多い中、ここはまさに「世界の縁」でした。

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

Visit Saudi Arabia (サウジアラビア政府観光局のサイトの「エッジ・オブ・ザ・ワールド」のページ)
https://www.visitsaudi.com/ja/riyadh/attractions/edge-of-the-world

TOURISE (2025年11月にサウジアラビアで開催された世界的な旅行業界カンファレンス。今回はここの招待で訪問しました)
https://www.tourise.com/en/home

柳沢有紀夫さん

オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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