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    2018.06.05

    【ロングトレイル旅】ビバルマントラックを歩く「ビバルマントラックを歩き終えて」

    アパラチアントレイル最終章 ビバルマントラックの旅 vol.030

    ビバルマントラックの適した季節は、9月から11月までだそうです。真夏である12月~2月は気温が高く、水場もほとんどない状況でシェルターに備え付けてある雨水タンクも空になっているケースがあるそうです。スルーハイクのみならず夏場を外して歩くのが一般的だそうです。
    ※夏場は40℃近くなりとても歩ける状況ではなく、山火事が頻発するので避けた方が良いそうです。

    沿岸部に咲くAnthocercis viscosa

    フェイスブックのコミュニティでそんな情報を手に入れ、歩き初めを9月に決めたのでした。

    ビバルマントラックも色々なトレイルと交錯したり同じ道だったりします。

    今年は異常気象で冬の長雨が続き、凍えるような寒さでした。その割には、地図に記された場所に水が無かったり、枯れてたりする状況でした。
    歩き始めてわかったのは、水の補給が難しいので、確実に水があるシェルターを渡り歩く方法がベストだということです。

    一般的な旧式のシェルターです。

    この方法で歩くと、おおむね20km間隔でシェルターがあるので、1日20kmを歩くか、四十数キロで歩くかの選択になります。
    ただし、この9月は日の出が6時頃で、日没が5時半頃です。実質歩ける時間は12時間ありません。そうなると、1日40kmを歩くことは、日没頃の到着になり、着ているものも乾かず、寒い中歩かなくてはなり現実的ではありません。

    割合多いダートロードの歩み

    だからか、ダブルハット(シェルターを1つ飛ばして40km以上を歩く)をする人は相当少なかったように思います。

    歩いている人の7割合は50代以上で、ハイカーの50%程の人が、ビバルマン・トラック沿線の都市に住む若しくは、オーストラリア国内の方でした。
    残りは、ヨーロッパの方がほとんどで、北米のハイカーも少なからずいました。また、アジア圏では韓国の方が一番多いようでついで中国・台湾の方になり、シンガポールの方など幅の広い方が歩かれていると感じました。いつものこととはいえ、残念ながら日本人はいないそうです。

    後半はビーチ歩きが増えます。

    スタートのカラマンダから、ノースクリフまでが当初作られたトラックのルートでした。改修後はアルバーニまで延長し現在のビバルマン・トラックに
    なったそうです。歩いていて、道のコンセプトはノースクリフから明らかに違いを感じました。
    旧ルートを知るロイは、素晴らしい道になったと絶賛しているところをみると、いかに以前の道がトレイルとほぼ遠い道のりであったかが伺えます。
    トレイルの知識の無い人が道を作ることの怖さを感じます。
    しかし、情熱があり、トレイルを知る人がトレイルに関わり少しづつ改修していけば、ビバルマン・トラックのように変わることもできるのだと感じました。
    ただ残念なのは、潮の満ち引きやカヌーを使うルート。そしてデンマークからトレイルヘッドまでのアクセスです。この設計は、ハイカーが関わったようには感じられませんでした。
    作り手が面白いからやってみよう!船やタクシーを使えば観光に繋がるからやってみよう!という意図を感じます。歩いているハイカーからすれば残念としかいいようにありませんでした。
     ビバルマン・トラックは、アパラチアン・トレイルをモデルにしているのですが、やはり同じような形にはいかないのは、イギリス領であったことが関係しているかもしれません。
    ※アメリカの国立公園とは考え方が異なるのです。
    全く同じものを違う制度の国で作るのはやはり困難な事ではないかと感じます。

    通過した後に見つける注意書きは3か所くらいありました。残念。

    アルバーニの古くかわいい町並み

    ゴール付近のショール湾

    こんな感じで岩にプレートを付けるのは初めて見ました。

    ビーチ以外の沿岸部はこんな感じの道のりです。

    歩いた感想からいえば、アメリカのトレイルとイギリスのフットパスをくっつけたような道になるというのがしっくりくるような感じです。
    トレイルは、ダートロードといわゆるトレイルのミックスした道のりですが、車の通行を許可制にしているエリアも多くありました。全てが歩行者専用かというと
    違うようにも感じました。日本でトレイルを作るとすれば、ビバルマン・トラックを参考にし作りこむのが、より現実的なのかなとも感じます。

    しかし、良く整備されたシェルターやキャンプサイトには驚きます。このポイントが20km前後に1箇所ある事によって、高齢の方もこの道のりにチャレンジがしやすく
    なっていると感じました。また、オーストラリアのハイカーは概ね、年齢層に関係なく20km程度を歩きシェルターで過ごすペースの方がほとんどでした。
    ゆっくり自然を味わうスタイルを見ると、急ぐ必要がない事を改めて感じますね。

    アメリカのトレイルを歩いてみたいけど敷居が高いと感じている方や、体力に自信のない方にはゆっくり歩くペースで行程を組めるビバルマン・トラックはお勧めです!

    また、トレイルヘッドへのアクセスも良く、地元のガイド会社で送迎なども行っていますので、日帰りでのハイキングもお勧めです!
    どうせ歩くならワイルドフラワーの咲き誇る春から夏(9月~11月)に歩いて頂けたらと思います!綺麗ですよ!

    西オーストラリアは素敵な場所ですね。気になったトレイルもあったので、もう一度ゆっくり歩きたいなぁと思います。


    さて、次はどんなどこのトレイルに行くのでしょうね!?

    最後までご覧いただき誠にありがとうございます。
    また皆様に色々なトレイルをご紹介出来たらと思います。

    LONG TRAIL HIKER 斉藤正史

    おわり

    プロフィール

     

     

     

    【Profile】斉藤正史 

    山形県在住
    LONG TRAIL HIKER
    NPO法人山形ロングトレイル理事
    トレイルカルチャー普及のため国内外のトレイルを歩き、山形にトレイルを作る活動を行う。

    ブログ http://longtrailhikermasa.blog.fc2.com/
    山形ロングトレイル https://www.facebook.com/yamagatalongtrail

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