火星と冬の星座たち、赤く輝くベテルギウスは来年も同じ色とは限らない!? | BE-PAL

火星と冬の星座たち、赤く輝くベテルギウスは来年も同じ色とは限らない!?

2021.02.19

私がガイドしました!
星空案内人
廣瀬匠
星空案内人 廣瀬匠天文系ライター。株式会社アストロアーツで天文ニュースの編集などに携わる。天文学の歴史も研究していて、パリ第7大学で古代インドの天文学を 扱った論文で博士号を取得。星のソムリエ®の資格を持つ案内人でもある。

冬の星座の間を渡り行く火星に注目

2月25日ごろの南西の空。火星は画面の右端。おうし座の背中のほう、すばるより西に。おうし座の東側にはオリオン座。(画像:アストロガイドブラウザ2021/アストロアーツ)

今年の2月は目立った天文現象がなく、惑星のそろい踏みも太陽が近くにあって見えにくく、トピックが少ないのが特徴と言えば特徴でしょうか。それでもこの季節は空気が冴えわたり、星空がいっそうきれいに見えるでしょう。ぜひ冬空を見上げていただきたいものです。

2月の下旬、日没後に南西の空にかかっている赤っぽい星が火星です。これから3月にかけて、冬の星座たちの間を渡り歩いていきます。上の図のように、2月25日夜20時ごろは、まだ火星はおうし座の西側に位置しています。

3月10日の20時の南西の空。火星はおうし座のすばるとアルデバランの間に。(画像:アストロガイドブラウザ2021/アストロアーツ)

3月10日ごろはおうし座の中、すばるの近くに位置しています。このあと、ふたご座、かに座の法へ動いていきます。こうした惑星の動きに注目してみると、「黄道12星座」のつながりや、太陽の天上の見かけの通り道「黄道」も見えてきます。

生きているうちに超新星が見られるとしたら、オリオンのベテルギウス

見頃を迎えるのは3月に入ってからですが、ここで面白いのは火星と、おうし座の1等星アルデバラン、オリオン座の1等星ベテルギウスの色比べです。

アルデバランはオレンジ色っぽく、ベテルギウスは赤く見えるでしょう。ベテルギウスと比べると、火星は案外、赤くないなと思われるかもしれません。

オリオン座の左上の赤い星が変光星ベテルギウス。左は2012年2月、右は2020円2月のベテルギウス。(Author:H. Raab)

ベテルギウスという星は周期的に明るさが変わる変光星ですが、ここ数年は予想以上に暗くなったり、また持ち直したりと目の離せない変光星です。赤色をしているのは星の寿命が近いことを示しています。

実はベテルギウスはいつ爆発してもおかしくありません。

距離は500700光年ほどと比較的、地球に近い星です。もし、500700年前に爆発していれば、そろそろ超新星として発見されることでしょう。超新星とは、昼間でも見えるほどの明るい星ですが、それは星が寿命を迎えて爆発した光です。歴史上、そのような超新星は数えるほどしか確認されていません。そんな希有な現象が、私たちの生きているうちに目撃できるかもしれない星、それがオリオン座のベテルギウスです。

今年は光度を回復し、赤く輝くベテルギウスですが、来年も同じように見られるとは限りません。この冬のベテルギウスの色をどうぞ覚えておいてください。

取材・文/佐藤恵菜

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