夏至が近づいてきました。今年の夏至は6月21日です。一年で昼が一番長い日です。夏至の前後、東京の日没時刻は19時くらいですが、20時頃になってもまだ夕暮れの名残が感じられます。今年は西の空に金星、木星の明るい惑星と、ふだんなかなか見られない水星が集まっています。さらに細い月も! 近づく夏至の夕暮れを惑星と月で楽しみましょう。(記事内の時間は東京における時刻です)
薄明の空で水星を見つけるチャンス!
下の図は、17日の日没後30分くらいの西の空です。2つの明るい星が目に入るでしょう。マイナス4等の金星と、マイナス2等の木星です。

日没後と日の出前の、空がうっすら明るい状態を「薄明(はくめい)」と言いますが、薄明の中でも金星と木星はキラッと光って見えるでしょう。20時頃になっても明るくて夏至の近さを感じさせる西の空で、宵の明星(金星)がランランと輝きます。金星が地平線に沈むのは21時過ぎです。
木星の南西側に水星があります。水星はいつも太陽の近くにいるので見にくい惑星です。しかしこの時期は西の地平線からそこそこの高さがあるので、観察するチャンスです。
明るさは0.7等あるので1等星ですが、薄明に紛れてしまうので、それほど明るく見えるわけではありません。木星を目印に、右下へ約6度離れた位置に水星があります。腕を真っ直ぐ前に伸ばしたときに、人差し指から薬指までの三本指をくっつけたときの幅がおよそ5度なので、目安になります。西の方角が開けた場所であれば、20時くらいで薄明がだいぶ消えて、水星が見やすくなります。
17日は、木星のすぐ北側に月齢2の細い月が見えます。双眼鏡でひとつの視野に入ります。 月の欠けている部分が、暗い中でもうっすらと見える「地球照」も観察できるかもしれません。

19日と20日には、金星がかに座の甲羅に入ります。甲羅の中にはたくさんの星が集まったプレセペ星団(M44)があります。双眼鏡を向けると、数え切れない星がきらめいて見えるでしょう。

夏至の時期はさそり座アンタレスにあいさつ
西の空から南の空へ視線を移してみましょう。この時期、南の空で一番目立っているのがうしかい座の1等星アルクトゥールスです。
その東側に、かんむり座があります。数年前から「かんむり座T星がそろそろ新星爆発」と予測されていますが、爆発しないまま今年も夏を迎えています。
そしてこの時期、晴れた夜に見つけてほしいのが、さそり座の1等星アンタレスです。夏の星座の中では出足の早い星座です。地域によりますが、東京なら6月後半の21時頃には南の空に上がっています。南の低いところを通っていくので、見ごろの時期が短い星座です。夏至を過ぎたらさそり座の季節、アンタレスは本格的な夏の訪れを告げる星です。晴れた夜には、血のように赤いアンタレスを見届けましょう。

構成/佐藤恵菜




